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プロスペラ(テンペスト)

「プロスペラ」は、英国の劇作家ウィリアム・シェイクスピア作の戯曲「テンベスト」の登場人物です。テンペストは一般的にロマンス劇と呼ばれる作品群の1つで1611年11月1日に宮廷で初演。また単独作としてはシェイクスピアの最後の作品となります。

~簡単なあらすじ~
ミラノの大公であったプロスペラは政よりかは学問や芸術の方が大好き、政治に関わる事は弟のアントニオに任せっきりでした。いよいよ鬱憤がたまったアントニオはナポリ王であったアロンゾと共謀し、兄のプロスペラと、その娘ミランダを追放し島に流します。

島に追放されたプロスペラは娘ミランダと共に隠匿生活を余儀なくされますが、長い生活の間に魔術を習得。魔術を使い様々な妖精を使い魔にできるようになります。ある時、プロスペラは幹の中に閉じ込められた妖精エアリアルと出会います。過去に魔女に逆らったため閉じ込められたという妖精を解放し使い魔としました。

島の近くを弟アントニオやナポリ王アロンゾ達一行が乗った船が通りがかります。これを復讐の好機とみたプロスペラは妖精エアリアルを使い大嵐を発生、彼らを島に難破させます。アントニオとアロンゾ、アロンゾの弟は同じ場所に漂着します。欲深い野心を持つアントニオはここでアロンゾを始末すれば、次のナポリ王はお前だと王の弟を唆し利用しようと画策します。しかし、これらの策略は妖精エアリアルの機転によってことごとく失敗、彼らは混乱し森の中で衰弱していきます。

一方、離れた場所に漂着したアロンゾの息子ファーディナンドに気付いたプロスペラは、娘ミランダを彼と結婚させれば娘をミラノでの生活に復帰させ、同時に弟やナポリ王への復讐へとなり得ると考えます。そしてあえて様々な困難を受けさせ、それに打ち勝ったファーディナンドはミランダと結ばれます。

妖精エアリアルから弟アントニオ達の様子を聞いたプロスペラは、彼らの哀れな姿に更なる復讐を思いとどまり、過去の罪を悔い改めさせて赦すことにしました。その後、妖精エアリアルを使い魔から解き放ち、最後は観客にこのように語り掛けます。

私は妖精を解放し魔法の杖を捨て、残るは弱々しい己の力を残すのみです。 このまま島に閉じ込められるのかナポリに帰れるのかは皆さま次第です。しかし私は自分の国を取り戻し、私を欺いたものたちを許しました。 だから皆さまもどうか私を島に閉じ込めないでください。 どうか万雷の拍手を以って私の縛めを解いてください。皆さまも罪の許しを願われるのであれば、どうか情けで私を自由にしてくださいませ。

出展 : テンペスト(シェイクスピア)のあらすじ
エピローグ(プロスペローの口上)

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