ヴァルメミルヒミットツッカー
そういう気分なので文字を書いてみている。もしかしたらそのうち続きを書くかもしれない。
月が明るく出ている夜はなんだか空気も澄んでいる。澄んだ空気に身を置くうちに綺麗な言葉を紡ぎたくなる。今ならきっと澄んだ言葉をそっと発せる。そんな幻想に取り憑かれている。
月を見ると寂しくなるのはわたしだけでしょうか。肌寒いと人恋しくなるのはわたしだけでしょうか。そんなことはないとわかっていて、それでもなんだか独りぼっちであるように感じられるのです。
静かな涙が頬を濡らすのは誰のためでもないはずなのに、どうしてこんなにもあたたかいのだろう。これが人の温もりか。誰のためでなくても人間はあたたかいのだ、きっと。
いつか書いた下書きに、そっと文字を足している。珍しく眠れないのだ。起きていようというには夜は長く、眠るにもまた長い沈黙が必要で、どうにもなんだか落ち着かない。文字を書くこと、甘くしたホットミルクを飲むこと、それくらいでしかわたしは自分を救ってやれない。いや、救いきれはしないのだけれど、少なくとも時間稼ぎくらいにはなる。本当の救いはわたしの内側にはない。いつかくるのを待つか迎えにいくかしか、わたしの救いはない。これは絶望ではなく希望。
眠れない夜も怖くないよ。起きられない日の明るさのほうが怖くなってしまったから。こんな夜もたまにはあっていいよね。
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