ワクワクは人生のエンジン

保育園生活は「遅刻」という概念がなかった。
小学校には時間割というものがある。

今までより1時間以上も早起きで、電車とバスに乗って通学して、初めての環境で疲れてるだろうに、
毎朝ちゃんと起きて自分で支度して、食べるのに1時間もかけていた朝ご飯もちゃっちゃと済ませて
「忙しい忙しいー!」と言いながらパタパタと準備をして「さ、行こう!」とご機嫌で家を出る。

ボタンやファスナーがいくつもついている制服を「最初はめんどくさかったけど、お着換え楽しい!ボタンがたくさんあって面白い!」
面倒なことを、逆に楽しいと思えるその視点、考え方、心の力。

幼児期にコロナ禍で、できたはずの遊びも行事も恐る恐るのなか、「またコロナー!?」といいながらも、保育園の登園の道すがら、雨上がりのカエルや、春に向けてつぼみを膨らます枝先を見つけては喜んで、
特別なことがなくても、毎日には生命が粛々と活動していて、明日のその先にはまた季節がめぐってくることを自分で発見してきた。

どんな時でも面白い、楽しいことを見つけるのが上手で、ひょうきんものの娘。
かわいいものやおしゃれなものが大好きで、将来は「おいしいケーキでみんなを幸せにして、おしゃれショップでたくさんかわいいものを売る!」

住みたい家は「3階建てで、お風呂のお部屋と3階建てベッドのお部屋とおしゃれのお部屋と汚い物置とあれとあれとあれがあるお部屋と!」

膨らむ想像、色とりどりの未来。

学校でお友達とトラブルがあったら…これからの長い学生生活、いじめられたりいじめたり辛いこともあるだろうな…
通学につかれるだろうな…学校に行きたくなくなったら…口もきいてくれなくなったら…
ふつふつと湧いてしまう心配事は、大人の性なんだろうか。

だけど、この子は今、そこにあるものごとを心全開で楽しんでる。この子が見てる、想像してる未来は色とりどりの楽しいことでいっぱい。

私が生きてきた人生とはほんとうに違う、自分の人生を今まさに歩いているんだなって気づかされる。

私のちっぽけな人生の物差しではかってはいけないんだって気づかされる。
先回りしてまだ起きてもいないことの心配なんてしちゃだめだ。

一緒に隣を歩こう。

もう私が見つけることのできない毎日のキラキラを教えてもらいながら。
もう私は忘れてしまった、まだ見ぬ明日のワクワクを想像する力を見せてもらいながら。
なんでもない毎日には、楽しいことがたくさん転がっていることを、一緒に見つけていこう。

歩き続けていれば、疲れて立ち止まるときもあるでしょう。
辛くて苦しくて、もう前にも後ろにも、どこにも進めない、道が見えなくなるときもあるでしょう。

その時に、今感じてるワクワクが、必ず助けてくれる。
だから今はたくさんたくさん、心を動かして。

今、その素直な心で感じた毎日の発見や、面白い!楽しい!と心が動いた分だけ、それは見えない血肉となって、いつしか太い幹となって、空へむかってたくさんの枝を伸ばすんだろう。

太陽に向かって大きく大きく育った樹の木陰には、一休みしにくる人もたくさんいるんだろう。木漏れ日を楽しみにくる人もたくさんいるんだろう。

たくさんの仲間と一緒に、まっすぐに未来を信じて、その人生をたっぷりの面白い!楽しい!で彩って、それをみんなで何倍にも拡げていってほしい。

どうか、そんな樹が、世界中に育っていきますように。

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