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オーベルジュ オーパヴィラージュ 宿泊記

 毎年、冬のオフシーズンに一人旅をするのが恒例になっている。特に名所を観光するでもなく、他人が作ったごはんを食べ、他人が洗ってくれたお風呂に入って、他人が用意してくれた寝床で寝るだけの旅である。
 今年は、当初は都心の良いホテルで独立バスルームの湯船にゆっくり浸かる予定だったのだが、都心のホテルが見事に予算オーバーで断念(ユニットバスじゃない部屋はただでさえ高いのに!)。近場でいろいろ調べた結果、館山に行くことにした。

 子どもの頃、大型バスでよくバス酔いしていたせいもあって、高速バスがあまり好きではない。館山は高速バスが手っ取り早いのはわかっているけど、あえての電車旅。
 外房線のわかしお号で東京駅から安房鴨川へ。安房鴨川から普通電車に乗り換えて館山へ。さらに館山からは路線バスで宿まで向かう。

外房線の車窓から守谷海岸の渡島。適当に連写してたら良い感じのが撮れてた。

 今回泊まったのはオーベルジュ オーパヴィラージュ。Wikipedia曰く、オーベルジュとは「宿泊設備を備えたレストラン」を指すのだそう。また1つ賢くなった。

外観。

 部屋はクイーンダブルベッドルーム。2階建ての建物の2階の部屋だったのだが、天井が屋根の形に合わせて斜めになっていて、ちょっと屋根裏気分で楽しい。

入口から部屋を見る。
ソファの向かいにデスクとテレビ。開いている引き出しにはドライヤーが入っていた。
クローゼットには浴衣とバスタオル。後ろのダウンベストは浴衣の上に着る用。
水回りはよくあるユニットバス。
部屋に置いてあった館内マップ。

 口コミとかで「設備が古い」というのが結構あって、確かにいろいろと年季は入っていた。ただ、宿自体の雰囲気も相まってか非日常感の方が勝ったので私は許せた。おばあちゃん家に行った時のような不便さとでも言えばいいのか。
 全体的には南仏のイメージで設えてあるらしい。本当に南仏なのかは私にはよく分からないけれど、リゾート感は満載。

宿泊棟に向かう景色。
プールは冬は入れないけれど綺麗にしてあった。
籠編み風の椅子とか、後ろにはハンモックも。
フロントで自由にもらえるコーヒーを持ち込んでくつろいでみた。

 この景色がめちゃくちゃ良くて!他人の宿泊記とかを読んでいると、リピーターの人が結構いるという印象を受けたが、確かにこののんびり感は定宿にするわ……と思った。とりあえず夏に来てみたい。館山とはいえ、2月は寒くて長く外にいられない(笑)
 ちなみに建物の反対側(北側)は畑や庭園になっていて、やはり景色を楽しめるように散策用の木道があったり、椅子が置いてあったりする。

北側。部屋の窓から撮影したので木が邪魔。

 夕食は館内のレストランでフレンチのコースを。オーベルジュというからには否応なしに期待してしまう。

レストランの入口。

 ワインのペアリングセットというのがあったので頼んでみた。スパーリング+白+赤の3杯で、それぞれその日の食事に合ったものを出してくれる、というもの。食事とワインを合わせる、とはよく言われるけれど実際やったことはなかったので、なるほどこういうことか!と納得できる良い機会になった。
 ただし私のワインの許容量はグラス1杯なので、後で潰れる羽目になった(し、それゆえ身体的にもうこれは出来ないな……)。

テーブルの置物が可愛い。
前菜。鮪とアボカド。
スープ。カリフラワーのポタージュ。
魚料理。何の魚か聞きそびれた……。ソースが3種類。
口直しにパイナップルのシャーベット。
肉料理。いくつか選べた中で鹿のローストにした。
デザートは苺のスイーツ。

 正直、食には疎いしフレンチなんてめったに食べないので良し悪しはあまり分からないのだが(一応言っておくとちゃんと美味しかった、ただこれが特別なのか分からないだけ)、個室でゆったり食べられたのはよかった。1人だと特にいつもと変化はないけれど、夫婦で2人の時間を過ごす、みたいな時にはぴったりだなと思った。

 各宿泊棟の1階に貸切風呂が4種類、そのほかに貸切露天風呂が2つ、予約なしで利用できる。広いお風呂に入るのが今回の旅の目的とはいえ当初そのつもりはなかったが、何だかんだで全種類制覇してしまった。

使用中は看板の上のランプがつく。建物の入口にも同じランプがあるので外からも分かる。
ワイン風呂。
海洋深層水のお風呂。

 正直、いろんなお風呂が、とは言っても香りづけ程度のもので、真面目に期待するものではないと思う。私はその辺はどうでもよくて、ただ広いお風呂に足伸ばして浸かれればよかったので満足した。
 ちょうど私が泊まっていた部屋の下の階に漫画とマッサージチェアの部屋があったので、マッサージチェアだけ拝借した。

ちなみに後ろの漫画は30代が「定番だな~」と思う感じのラインナップ。

 

 翌朝は雨。

館内移動用の傘。
どんよりした景色に虹色の傘が映える。かわいい。

 朝食は夕食と同じレストランで。

ジャムとバターは持ち帰り可。
スープ(クラムチャウダー)とサラダと肉とキッシュ。
パンも持ち帰り可だったけど全部食べてしまった。

※卵料理はオムレツを選んだけど写真を撮り忘れた

ヨーグルト。

 朝食後はもうチェックアウトまで部屋でくつろぎ倒して、宿の送迎車で館山駅まで送ってもらい、鈍行でひたすら東京湾沿いをたどって帰宅。帰りの電車がなかなかの苦行だった(鈍行ロングシート3時間……)ので、次は素直に高速バスを使おうと思う。

 宿の規模もそこまで大きくなく、リゾート気分でのんびりできた。施設や周りの環境を楽しみつくすには1泊じゃ足りないだろう。2~3泊とかして、昼間に暇すぎて海まで散歩に行ったりとか、いろいろ想像できる。
 スタッフさんは親切でアットホームな雰囲気だけど、かといって距離が近すぎるわけでもなくてちょうどよかった。帰りの送迎車も最初は頼んでいなかったけれど、他に使う人がいて、かつ空きがあったのか声をかけてもらった。
 とにかく現実逃避にぴったりな場所で個人的にはかなり気に入った。別荘とか持ってたらわりとこんな感じなのかな、なんて思ったり。次来るなら、夜に外でくつろいでも風邪をひかないで済むような時期にしたい。

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