二等航空運航整備士の実地試験を受けるなど。

二等航空運航整備士(滑空機)を取ったので、その話をば。
2023年の9月受験だったので、後になって変わっていることは多々あると思われる。それと、都合上意図して省いた事項等有るのでご承知おきを。
お手元に予め航空整備士実地試験要領とasimsを用意しておくと良いかもしれない。どっちもネットで見れる。

最初にちょっとした感想を言うと勉強になったなーと言う感じ。整備に使うグリス、基準適合証とかついてないけど使って良い根拠って見たことある?メンテナンスマニュアルとかじゃなく。

閑話休題。試験の概要、体験談、蛇足の順で話していこうと思う。

少々特殊な書き方をする。文章の方はざっくばらんに私の言葉で説明する。必要に応じて括弧書きで出典を書いておくので、正確な表現等は適宜参照して欲しい。

まず概要。

航空整備士というのは、航空機に何某かの整備・改造をした際に、その耐空性について確認してサインすることができる、という国家資格であり、一等と二等がある。一等は旅客機とかそっち系で、滑空機(動力or上中級)には二等しかない。
更にそれぞれ下位資格、航空運航整備士がある。航空整備士より出来る内容が少ない(法19条2項、別表)。明確な規定値(締め付けトルク等)が決まっている軽い作業は出来ても、ちょっとでも複雑な作業になると(ブレーキの引き代の調節とか)出来ない(サーキュラー3-001)。

なので、重量重心測定のない耐空検査準備整備とかは出来るけど、そこで部品交換以上の修理が必要になってくるとお手上げになる。名の通り、日々の運航には居ると便利だが、日常運航以上の整備にはちょっと使えない資格である。

実際に機体を維持管理したいです、と言う場合はなるはやで二整(二等航空整備士)にステップアップするのが良いだろう。二整になれば大修理と大改造以外は出来るようになる(サーキュラー3-001)。意外に思われるかもしれないが、二運整から二整への試験は二運整試験に比べるとハードルは低いらしい。まぁゼロから軽微な修理までの教育訓練と、軽微な修理から小修理・小改造へのステップアップの差と言われれば理解はできる。昔は三整で一緒だったわけだしね。

話を戻して、ではどうやって受験するのか。
学科試験は至って簡単で、操縦士の時と同じように学科試験を受ければ良い。なんと法規と機体のたった二科目。暗記力がある人なら試験会場までの電車の中で過去問を眺めてれば合格点は取れる。曲者なのは実地試験である。学科試験と実地試験の難易度の差で多分発電できる。
実施要領には、受験者が受験に必要な物、つまり機体と書類と資料と工具と教材を準備して申請を出す、とある。さらに既に当該資格を保有する物が教官として予め受験者を教育訓練し教官氏名を記入して提出する必要もある(実地試験要領)。これらをすべて準備して試験官と調整して受験する、というのは技術的には可能だが、時間・手間・金銭的に少々厳しいものがある。実際には板倉滑空場で日本グライダークラブが開催している整備講習会を受講して試験に挑むことになるだろう。局との調整や場所と機材等代行して実地試験を仕立ててくれる。

講習会と受験料、教科書代を合わせると学生価格でも20万円以上掛かってしまうが、まぁ国家資格としてはリーズナブルな方だと自分を言い聞かせることである。

教科書として使うのは航空機整備の基本技術(通称グリーンブック)で、他に資料として航空法、航空法施行規則、告示・通達、機体のフライトマニュアルとメンテナンスマニュアルと他すべてのSB、TCD、装備されている装備品全てのマニュアル、付け加えるとAC43(和訳が航空機整備作業の基準として出版されている。通称イエローブック)と航空整備士ハンドブック(これは青いけどなぜかブルーブックとは呼ばない)がある。このうち整備士ハンドブックはGod-knows-whoが書いているので根拠にしてはいけない、ということになっているらしい。AC43はあれば便利だろうが試験で必要な内容はグリーンブックに載っているので手元に用意する必要は無い。

試験内容は実地試験要領の通りに行われる。滑空機の二等航空運航整備士は別表1、別表2(の基本技術Ⅰ)、別表8の試験が行われることになる。

実地試験当日は試験官が朝来て、昼休憩を除いて一日中口述試験と実技試験をやることになる。
試験の時は資料としてマニュアル類や航空法や施行規則(ネットでおk)を用意しておいていいことになっている。「正しい情報にたどり着けるか」が重要だから、みたいな話をされたが、実際の試験では空で大体答えることになる。答えられなかったものに「では書いてあるところを開いて見せてください」と言われて参照するスタイルなので、少なくともどこに何が書かれているかは頭に入れておく必要がある。

別表1は法規である。実地要目の通りに質問される。グリーンブックの内容だけだとちょっと不足というくらいには深く聞かれる。法の内容は勿論、目的とか、実作業とどう紐づいてくるのかとかを聞かれる。具体的には法の10条4項から高度計のマニュアルまでってどう繋がってるんですかとか、どこの国の新品/修理品はどの書類で使って良いか分かる一覧表は何処にありますかとか。耐空検査や装備品に関してはかなり具体的に、書類は何を提出するのかまで聞かれる。

別表2は基本技術。要目に対応した章がGBにあるので章ごと丸暗記しておけばおk。細かい数字は覚えなくてもいいやつもある。ちなみに基本技術ⅠでもⅡの内容を聞かれることがある。なんでや。GBに無い内容もまあ聞かれなくはない。ただまぁGBの内容を100%答えられたら落ちることは無いと思う。
飛行機の事もがっつり聞かれるというか飛行機基準で話をされるので、HMSフレアレスフィッティングとか見たことも触ったことも無いものについて説明をしなきゃいけなかったりする。ネットでググりまくって物の写真とか見ておこう。はいそこの君、B-nutとは何ですか。

締結作業と電気計測は実技がある。実技をしながら質問に答えたりする。三本のボルトに安全線を掛け、一本にコッターピンを掛ける。ボルトの材質・サイズの選定やワッシャー・ボルト・ピン・安全線の耐熱温度も考慮した選定も必要。まぁ用意してるのは使う奴だけなんだけど、何でそれを使って良いのか諸々は口にしながら作業する。怪我したらアウト、コッターピンを抜くときに勢い余って飛ばしたらアウト。口で何をするか説明しながら作業するので練習あるのみ。

電装品周りに関しても、グライダーで使うのとまた全然違ったものを聞かれるので頑張ろう。D-sub9pinとかDINとかMPコネクタとか見知ったコネクタは出てこない。AMPスプライスとか聞かれる。触ったことないお……。まぁ聞かれるのは全部グリーンブックに書いてあるので頑張って覚えましょう。

別表8は滑空機マターの話。滑空機の種類、耐空類別、等級とか整理して答えられるようにしませう。要領の判定要点には社内規定とかバトックラインとか書いてるけど受験機に無い奴は「ないです」でなんとかなる。
配線、リンケージ、オートコネクトの構造もろもろ聞かれる。ラダーとランディングギアについて聞かれた。結構ちゃんとした理解が必要。

試験官の方も装備品のマニュアルとか読み込んでくるのでそれくらい突っ込んだことを聞かれることを覚悟した方が良い。「TOSTのマニュアルには何と書いてありましたか?」とか聞かれる。タイヤはGoodyearならマニュアルがある。何が書いてあるかは全部押さえておかなきゃいけない。

概要としてはそのようなところ。

体験談をば。



「航空機の基本技術」という本に出合ったのは実はグライダーに出会うより前だった。浪人生としてお茶の水に根を張っていたので神田の古書店街は煮詰まったときの気分転換に丁度良く、なかでも明倫館の地下の航空の棚は巡回ルートと言って差し支えない位には通っていたものだった。

そこで面白そうだと手に取ったのがグリーンブックで、第四版だった。確か2300円だったと思う。

2022年に板倉の整備講習会(運整準備)を受講した時、「最新版を買ってね」と言われたので第8版を買った。間が悪く、そのすぐ後に改訂が入り、第9版も買う羽目になった。そういうわけで家には三冊GBがある。こんなに要らない。

最近は整備分野の航空法の改正が多い気がする。もう法規だけ別冊にしたら良いのに。一冊5000円位だった。教科書として買ったのはこれだけ。

とりあえずグリーンブックだけ用意して2022のGW辺りだったかに運整準備講習に臨んだわけである。参加費は部に出してもらった。

メールで資料を共有され、「自分で勉強しておいてね」と言われ、目を通して行った。参加者は確か5人位で、座学、締結作業の練習、電気計測の練習、機体の組ばらし、日常点検の練習と言った感じ。夜は1000円出せばクラブハウスに泊れる。昼は近くの中華屋から弁当を買い、車を出して頂いて近くのスーパーで夜と朝の飯を買った。

半日くらい座学で半日くらい実技。座学は二週目からは半ば理解度確認みたいに投げられた質問に返していくという形になる。

講習を受ければ合格できるとかそんなことは無く、普通に落ちる。実技は兎も角、座学に関しては講習会は模試と質問会くらいに思っていた方が良さげ。まぁガイダンスでその辺何勉強したらいいかは説明してくれるのでそれからで全然大丈夫だろうけど。

私が受けたときはDiscus2が受験機で、実際に実地試験で使う機材等で練習した。

22で準備講習、23で実地講習を受けようかな、と思っていたら2023年になって「試験の内容が大幅に変わったので準備講習を受け直してください」とメールがあり、(割引だったけど)準備講習を二回受けることになった。参加費は自腹を切った。こんなんばっかだな……

そういう訳で受けた2023年の準備講習は確かにいくつか変わっている感じではあった。近年の試験傾向としては「あなた...『整備して来てる人』...ですよね」という感じで、作業の手順がスラスラ言えたり耐空検査受験の具体的な手続きが言えたりしないと落ちるようになったそう。残念ながら過去問暗記ゲーではなくなったそう。合格したらバリバリ耐空検査準備整備とかやる(という前提)での試験だそうで。

準備講習で実地試験はこの時期になりそうです、というアナウンスがあり、そこで実地試験の日程が決まった。試験官、JALとかANAとかに試験に行ってて多忙らしく日程調整は結構シビアらしい。

習熟度チェックをパスして航空経歴書やら住民票やらを集めて実地試験申請書を出し、いよいよ実地試験が決まったものの、院試の直前直後に講習会とちょっと渋いスケジュールになってしまった。致し方なし。
因みに別に某書林で買わなくても頑張ればPDFを集められるのは公然の秘密。君も自分だけの実地試験申請書セットを作ろう!俺はめんどくさくて買ったけど。

院試が終わった翌日に二日酔いの頭に全力でGBと院試の内容を詰め込み、講習会へ。この時は正直フライトマニュアルとメンテナンスマニュアルの方はあんまり頭に入っておらず、実地試験までにちゃんといれときましょうという感じだった。実技は大体できるようになっていた。

若干ダレつつも多分合計したら丸2日位はGBやらマニュアルやらと睨めっこし、講習最終回へ。

板倉の実地講習は、最終の回は講習2日、試験本番1日の計3日で、同じように座学と実技の仕上げ。参加者は同じ回に実地試験を受ける二人。

秘密にしていたが、試験前日実技の練習中に工具が外れた弾みで右手の小指を万力にぶつけた。後日レントゲンを撮ったが骨は異常が無かったので軽い捻挫だったと思われる。本番じゃなくて良かったが、ちょっと小指は使えなくなった。まぁ耐え。

当日、10時前に来た試験官が「申請を受けてお二人の実地試験をしに来ました」と言ってたのが若干印象的だった。そういう言い方をするのか。確かにそうだ。申込じゃなくて申請だよね。

試験官が対面に座り、2対1でオーラルをやる。カンニングにならないよう頷いたりしないで下さいと言われてちょっと意識して固まってた。話を聞くとき頷いたりする癖がついてしまっているので。

雰囲気としては普通のオーラル試験と言う感じで、するする答えられたら気楽だし詰まってたら地獄。でもなんか最近こういうの慣れてきた気がする……。

試験の質問は順番はしっかり要領通りで、(次はこの範囲だな)と予想するのが簡単な一方、「どう落とし込んでいますか」みたいな自分の解釈を聞かれる問題とかもあってちょっと答えるのに思考が必要な質問もまあまああった。法規に関しては運よく答えられる質問が多かったので大体打ち返せたが、グリスに基準適合証ないけどどうして使って良いの?という質問は今まで考えてこなかった疑問だったので答えられず、装備品関連は1-502なのでそこに載ってると思いますと答えるとじゃあ開いて見せてと言われ、ちょっと不安に思いつつ1-502を開くと「材料」の項が。これだぁ!消耗材料と原材料があり、潤滑剤は消耗材料に該当するらしい。ラッキーだった。この辺、グリーンブックの分量だと全然足りないので、自分でASIMSとe-Govと睨めっこするのが良さそう。どっかにいい感じにまとまった参考書とか有れば良いけど、滑空機マターの話はどうしてもマイナーだし改正が頻繁に入るせいで直ぐ古くなっちゃうしで誰もまとめたりしないんだよね。
重要じゃないサーキュラーなら暇なときに開いて斜め読みする位でも良いけど、1-502とか3-001はほんと全文読んどくべきだったね。

逆に完全に答えられなかったのが高度計の取り付けで、高度計の気圧系統チューブと高度計の接続手順とかってどこに根拠があるの、と聞かれ、静圧系統の点検ならTCIで……と答えたところ「そうじゃないよね」という反応。結局答えられなかったがWinterのマニュアルが正解だった。
Winterのマニュアルかぁ……見てなかった。TOSTとかトラポンの取説は見てたんだけどね……
講評では「そりゃもちろんやり方は知ってるでしょうし出来るんでしょうけど、根拠になるものを持ってないと」という至極真っ当な事を言われた。Winterのマニュアルはね……どう考えても見てなきゃいけなかったけど見てなかったんだよなぁ。
自分で新しい装備品に交換するとかになったら多分ちゃんと調べて頭に入れるんだけど、自分が触り始めたときに既についてた装備品って正直あんまり調べに行かないんだよねぇ。

チューブのフィッティングとか、グライダーではとんとお目にかからないものも容赦なく聞かれるのでその辺は意識して対策する必要があるなぁと。

擦過腐食で出てくる粉の色とかよく使われるエポキシ接着剤の商品名とか塗装時の湿度の条件とか、「そんなん何処に書いてあるのさぁ~」と思って帰ってからグリーンブック見たら全部書いてあって思わず口から「ぎゃふん」と出てきました。悲しみ。書いてあったかぁ……
意外と漏れが多いね……別表2関連はグリーンブック完璧に押さえるのが先決だね。1と8は確かにGBじゃ足りないけど、別表2は殆どGBに載ってるわ。

あとオーラル特有の「何を聞かれてるか察する」みたいな技能は単純な知識とは別に鍛える必要がある要素だなと思う場面も多々あった。
いま質問されてるのが別表のどの辺なのかだけでも分かってれば解答内容は絞れるし反応速度も上がる。答えがまとまってないまま喋り出すとだらだら喋って雰囲気が死ぬこと結構あるので、そういう練習に講習会を使うつもりで勉強したらもっと上手くできたやもしれぬ。慣れてくると「あぁこの辺だからアルミの事聞かれるよなぁ」とか分かるし。
片方が答えられなかったときに振られるかなと思って自分向けじゃない質問にも答えを考えてたけど結局そういうことは一度も無かったので、その時間で次の質問を予想してた方が良かったかも。
コミュニケーション……うん、コミュニケーションだよね……嫌いなんだよねコミュニケーション。下手だから……

あとタップ・ダイスとかパントマイムで理解度を試されるので、その手の作業の動画は見とくべきかも。自分で実作業やるのが一番いいけどね。

締結作業実技では、一本目緩いかな~と思ったもののいいやそのままやっちゃえと思い、コッターピンに取り掛かったところでやっぱりやり直そうと思って申し出るなどちょっとうまく行かなかったものの耐えた。耐熱材料の具体的な温度等聞かれたときは焦ったものの、耐食鋼が華氏800度まで、それ以上の奴は銀メッキされてるってことは覚えていたのでそれで切り抜けた。
トルクレンチのエクステは見たことなくて答えられなかった。のーん。

電気計測は恙なく終わったが、終わった後の質問で「クリンピング」が出て来なくて詰んだ。悲しみ。スプライシングは出てきた。

機体は組むところから始める。翼が入らなくて困った。ちょっと調整し直してしっかり入れ直したら入ったもののよろしくなかった。

機体点検は特に詰まることなく出来た。よろし。

結果として標準より良くできたとは言われたものの、それなりに多くの改善点を指摘される形で合格をもらった。
見たことないものは答えに窮するよなぁそりゃ……という感じなので、もうちょっと見識を深めねばという具合でした。あとちゃんとマニュアルよむ。体験談は以上。

部のOB会から援助金を貰えた。受験費用の補填に使わせていただきます……

来年は是非とも二整を受けたひ。講習会の申込はもうした。受ける金まだ準備できてないけど。

蛇足なので読まなくてもよい。


破れたのをテープで補修した学科合格通知書を見て試験官は「どんな人だろう」と心配になったそう。書類は重要ですね。
書類嫌いなんだよな。紙幣レベルで偽造防止に凝ってるなら兎も角、幾らでも偽造できそうな紙切れに何を期待してるんだって言いたくなっちゃう。地味に嵩張るし、実際に必要になるまでにどれが必要になるか分かんない。
本体の打刻とネットでの照会の方が良いんちゃうって思うのだが。まだ打刻の方が打ち直ししにくいし。

あと正直圧倒的に見識が足りないよなぁ……トルクレンチのエクステンションとか、てっきりブレーカーバーみたいなの付けるのかと思ったら「トルクアダプター」なるものを使うのね。確かにGBにはそう書いてあるんだけど、やっぱり実物見ないと解像度が低いから頭に入らないしすぐに抜けちゃう。個人差もあるだろうけど、イラストと実物だとやっぱ残り方が全然違うんだよねぇ。

ツイッターに慣れ過ぎて長文書けなくなってる自分に気付いた。読みにくい文章で済まぬ。段落内の辻褄は合うんだけど全体的な流れが迷子になるんだよねぇ……物書きさんはすごいや。
いやツイッタのせいじゃねぇな。前は長文書けてたみたいな態度よくなひ。

宮城航空協会とか整備の実地試験してるっぽい?道具準備して局に「やりたいでつ」って言ったらいろいろ教えてくれたりするんかなぁ。機体の書類とか全部キッチリ集めるの意外と大変とは聞いてるけど。

金がなぁ……まぁ新型iPhoneと同じくらいの値段だけど10年経っても20年経ってもこっちの値打ちはそうは下がらんだろうから資産を現金から技能に変えたと思えば耐え?
現役からもOB会からも支援貰ったし暫く機体にはいろいろしてあげましょうねぇ……全体のリペイントとか出来たら一番いいんでしょうけど流石にそこまでは出来ないから、一部分づつクラックが入ってるゲルコートをサーフェイサーの層まで剥いでポリウレタン吹く位がいいかしら。
この前タッチアップした24の機首下面、磨きが甘いって言われたから直したいけど手で磨くのだるいんだよなぁ。
ランダムサンダーにスポンジかまして800番と1000番と1200番で磨いてコンパウンド掛けるのが一番早いかなぁ。

難易度もなぁ……
昔は講習受けりゃ貰える資格だったみたいね……自動車の準中といい、何をするにも下の世代は規制がきつくって嫌んなるね。そんなこと言ったら怒られそうだけど。

二運整、創設の経緯を紐解くと、準中型とかと同じで「下位資格で質より量を確保する」という大義名分で作られた資格っぽいので、滑空機は正直貰い事故感ある。かといって今の試験難易度で一気に二整受けるのはなかなか厳しいものがあるだろうけど。怪我の功名?

正直一番の難所は金で二番目がモチベーションだと思う。実技は練習してればなんとかなるし座学もグリーンブック丸暗記できれば落ちはしないでしょう。ただそれをするだけのモチベが出せるか。

生存バイアスゴリゴリで書くと、確かになんだかんだ自分でどれくらい機体と書類に触ってきたかが知識とかの吸収量の傾きに影響してた気はする。バッテリーコネクタをモレックスに変える時アキバでAWGの表記は嫌と言うほど見たし、レリーズのマニュアルとか交換の経験があったから入りが良かった。ジュニアのラダーのスプリング交換の時にラダーの系統の仕組みはかなり頭に入った。逆にコネクタと言えば適当にはんだづけなり圧着なりして差し込めば作れるよね、程度の見識だったからクリンピングという言葉が出てこなかったしターミナルのクリンプドットコードとかは全然頭に入らなかった。

ただそれは人それぞれ差は有れど専門学校でもない限り穴があるので、その辺は意識して頭に入れるなり何とかして実物を触るなりするしかないんだろうねぇ。そもそも実物を見たほうが頭に入る、ということ自体n=1の経験談で誰にでも当てはまる話かどうかわからんし。もしかしたら実物の写真だけでも良いかもしれん。

いずれにせよ(他大もうちと同じ感じと仮定して)大学航空部で3年くらい機体係として整備作業と書類作成やってたらある程度の知識も経験も貯まるから、あとは穴はあるものという前提で別表1・2・8見つつ上に上げた資料で埋めていくのが有効なんじゃないかなぁ。別表はさっき言った通りオーラルで次の質問を予想するのに役立つからなるたけ見といたほうが良い。

後輩とかに勧めるかどうかはどうだろうなぁ……かなりの部分自分で勉強しなきゃいけないし二整まで上げないと使いどころが限られることもあって安易には勧めづらいかもしれん。現役・OB会からの援助込みでも結局二桁万円は自腹切ったし。ただ逆にずっとグライダー続けたい、整備は好きって人なら寧ろ学生のうちに二整まで取りきれるようなるべく早い段階で二運整準備講習受けさせるかな。っていうかそうか声かけて希望聞くのは俺の仕事か。

嫌なんだよなぁ対人タスク。ほんとに嫌なんだよぉ……。私は貝になりたいとかあるけど私は機械になりたい。自分も機械になって機械だけ相手にしてたい……


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