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2020入学式式辞から見たICU

3月に卒業した大好きな母校ICU。

コロナの影響で中止された春季入学式で読まれるはずだった
答辞がHP上で公開されていました。

そして文学者でもある新学長・岩切先生の文才が活きた
情緒ある内容で、素敵だった....🌸

この式辞を引用しながらICUから教えてもらったことを振り返ってみます◎
私自身を知ってもらえる機会になればと思って書きました✏️


他者との対話を通じて「善」を追求する姿勢


なんか固いんだよなぁ....。
メジャー要件も卒論もギリギリを狙ってなんとか生き延びた
怠惰なICU生がこんな偉そうに.....(呆れ)

うん、気にしないぞ。笑

さて、ICUで初めて得た気づきは世の中の問題って一つの視点だけじゃ足りないくらい複雑で、多次元的であること。

21世紀に入って約20年、現代文明の「明日」は、しばしば、「予測不可能な変化」という言葉で語られます。慣れ親しんだ知の枠組みや生活様式から、新しい世界のあり方へ移行する時、人は不安になります。.....人間の知性は素晴らしい発見や技術開発をもたらすと同時に、世界に対して暴力的に働きかけ関与する。今、私たちは様々な問題の渦中にあります。エネルギー、生命倫理、環境、情報、労働力、紛争......

人種問題や国際政治、環境問題、、
高校生の私は「どの専門家なら解決してくれるん??」
一種の絶望感を抱いてました。

どれももはや一分野に精通していれば解決できるレベルではない。

例えば紛争問題だったら、政治だけに収まらない。
背景に白人主義の歴史とか、労働機会の格差から貧しい生活を強いられる社会、そこからくる心理的な問題だったり...

色んな要素が絡みあうことでぐちゃぐちゃの毛玉みたいな社会問題が生まれる。

ICUのリベラルアーツ教育ではそんな毛玉みたいな問題にも
目を背けず少しずつ解きほぐすような「課題の本質を見抜こうとする視点」
を学びました。

ICUのリベラル・アーツでは、対話や理性や批判的思考が大切にされます。それは、自分自身や他者の、思考や感性のあり方を、あるいは社会の慣習や文化のあり方を規定している見えない構造を見えるようにする作業です(略)....そのような作業を通じて、さまざまな学問領域で対象となっている問題を広く共有し、アプローチと解決のスキルを学び、自分で選んだ専門を深めながら、ひとりの人間として、隣人を愛し、神の恵みに感謝し、生きる喜びを持ち続け、貧しい者、苦しんでいる者の側に立ち、社会に貢献できる人となること。カオス的な状況におちいったときに、新しい秩序を作り出せる者となること

カオスな社会のなかで難しい問題にぶち当たっても、
まず「なんでこの問題が起きたんだろう?」「どうすれば良くなるんだろう?」と考えることはできるんだな、って発見。

周りの人と話してみれば自分にはないひらめきがヒントになり、
一つでも自分でもできそうな解決策をゲットできる。

誰も無力ではない。
自分オリジナルの視点ってめちゃ価値ある尊いものだなって気づくことができました。

あなただから持てる視点がある


高校生のときに漠然と抱いていた社会を前にした無力感が、
ICUで勉強してたらいつの間にか消えてました。

これからも考え続けられる人でいたいな!って思います。

学長が式辞で引用してたアンリ・ミショーという詩人の言葉と、それに対するコメントを載せて終わり!

彼は、詩はどこへ向かうのか、という問いにたいして、このように答えています。

詩は、私たちにとって住むことができない場所を住めるものにし、呼吸できないものを呼吸できるものにする、その方向へ向かうだろう。

私たちの学問の営みも、人間としてそこに息づき、住むことができるものの創造でありたいと思います。

.......

卒業できてよかったな!(笑)



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