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調整後記 〜準優勝地より〜

2022年3月21日。
この日、RAGE Shadowverse 2022 spring Grand Finalが行われました。僕自身は予選にすら出場していませんでしたが、ファイナリストであるぱらちゃんの調整に創設から関わらせてもらいました。

結果としては準優勝、あと一歩こそ及びませんでしたが、調整チームとしては、細かいミスはあったものの、ぱらちゃんはほぼほぼマックスに近いパフォーマンスを出してくれていたと思っています。

そして、ぱらちゃんリスナー、ぱらちゃんを応援してくれた皆さんの声援がぱらちゃんの原動力でした。ぱらちゃん調整チームを代表してお礼を申し上げます。たくさんのご声援、本当にありがとうございました。

こちらの配信でぱらちゃん自身の口からいろいろと語られましたが、ぱらちゃんを一番近くで見守っていた側の人間の話を、サイドストーリー的な形でお話をさせてもらえればと思います。

自分語りだったり、長々とした文章だったり、そういったものが苦手な方はブラウザバック推奨です。読んでも何のためにもなりません。

また、これは勝手に僕が書いてる文章なので、ぱらちゃんはこれに一切関わっていません。なので何かご意見あるときは僕に直接お願いします。

友だち0からのスタート

ファイナリストに決まったのも束の間、僕には懸念しかありませんでした。

「調整チームどうするんだろう」

皆さんご存知の通り、ぱらちゃんは自他ともに認める「友達0人」の男。プレーオフに向けての調整すら一人でやっていた男だということを知っていたのですが、さすがにGFの調整は一人でやらせては勝てるものも勝てなくなってしまうと思い、僕の方から調整チームの編成を申し出ました。(僕自身はランクマッチでキャッキャするレベルのくそ雑魚なのに!)

本人からもOKが出たので、最初に僕がシャドウバースをし始めてからの友人であり、こいつのせいでシャドバをしていたといっても過言ではない名古屋OJAののさん(以下ののの)を、そしてのののつながりで話したことのあった未確認シャドバ生命体、UMAさんを呼び、ぱらちゃんを含めた4人からのスタートでした。

プレイの面はこの二人がいればほぼ間違いないと思っていたこと、また、二人の携わった調整実績を考えても「決勝までは闘えるな」と思うほどに心強い味方を手に入れることができました。

問題はここからで、相手になってくれる壁の人数が圧倒的に足りていませんでした。
その壁を集める上でも問題は山積みで、ぱらちゃん自身がチームに入っていないこと、一緒に調整している人がいないこと、本人が自覚しているレベルでぱらちゃんのことをあまり好いていない人が界隈にいること。どこから人を呼ぶかを考えて実際に声をかけるかどうかの判断に頭を悩ませた記憶があります。

また、ぱらちゃんが感染症でダウンしてしまい、思った以上に話が進まず、他のファイナリストの調整チームに被らないように人を探すのは大変で、スタートを予定していた3月1日を目前にしても、各所からOKの返事はもらえていませんでした。

ただ、そんな中でもアマチュアチームであるRoNさんの有志にご協力いただけることになり、さらにぱらちゃんと同じ覇者の経験を持つ山下七海(Shige)さん(以下、ななみん)、他にもプロの方数名の協力を得ることができ、なんとかスタートを切れました。

※2022年5月17日追記

ぱらちゃんが2022 Summer GFに向けてこんな形で調整をしました、と再度記事の紹介をしてくれたので、微力ながら僕も追記しておきます。

まず、声をかけた人について。

僕の場合、のののという最強の友人がいたことや、UMAさんがどういう思考をしているというのをなんとなく存じていたため、この2人は必要と思い、実はぱらちゃんのプレーオフの出場が決まった時点でのののに、「GF決まったらできるだけ力になってほしい、智慧を貸してほしい、できればUMAさんの力を借りれるように協力をしてほしい」とお願いをしていました。(本当はもっとたくさんお願いしたけど忘れた)

なぜそんなに早く声をかけていたというと、のののがRAGE王者になった時や世界大会に出場した際の調整で、人集めに苦労をしていたことを知っていたのと、Day2での配信卓でのやらかし方を見て、GFであれをやらないようにするには、自分の知る中で思考をしっかり時間内にまとめてプレイのできる人がそばにいた方がいいなと思ったからです。

ここで言いたいのは早めに声をかけた方がいいということではなく、ファイナリストや自分が調整をするとなった時に、「こういう人がいてくれたらいいな」「こういう人の力を借りたい」という明確な指針を予め決めておく良いということです。

これはチームや窓を選ぶときにも言えることで、自分の目指す目標点を決めて、そこに向けて自分がどうしなくてはいけないかはもちろん、人に協力を仰がなければならないとなった時に、どんなキャラクターを持った人がいいのか、どういう思考やどういう考え方をする人がいいのか、そういう人がいるのはどこの集まりなのかを見定めないといけないからです。

次に、何を基準に声をかけたかについて。

今回の調整チームに関しては、ぱらちゃんが調整をどう進めればいいか、何をすればいいのか、何もわからないから全て任せる、というオーダーをもらっていたので、以下に該当しそうな人を探しました。

①ぱらちゃんに正しいプレイを教えられる人
②正しいプレイを時間内に選択できるようにできる人
③ぱらちゃんと一緒に意見を出し合いながら壁打ちができる人
④メンタルケアができる人
⑤ぱらちゃんのファンであること

ちなみに以上の候補案ついて、⑤以外は僕が勝手に考えていました。
今回RoNさんにお声がけした理由ついても、本当は壁打ちのメンバーをRoNさん以外にも何チームか候補を上げていましたが、実力的なこと以上に上記の③と⑤に当てはまりそうだなと思ったからです。
某RoN顔の人は後日「ぱらちゃんのファンでよかった~」と語ってました。

集まったのは14人、個人的にはもう少し午前中に壁ができる人を探しておけばよかったかな、と思う部分はありますが、結果抜きにいいメンバーに巡り合えたな、と思っています。

もし調整メンバーを見つけられなくてお困りの方がいたら、何かの参考にしてもらえたら幸いです。聞きたいことや気になることがある方はDMで遠慮なく聞いてください。(普段鍵垢なのはあんまり知らない人にフォローされるのが苦手でそれ対策をしているだけなので!)

調整あれこれ

調整の内容は恐らくどこの調整チームと同じで、ただひたすら起こりそうな対面の壁打ちと、プレイの内容と思考の確認を行なっていました。

壁打ちの模様を動画で録画をしているので、そのうちぱらちゃんのYoutubeチャンネルで動画として投稿されるかもしれませんし、されないかもしれません。(後日聞いたらいらないって言われたので、僕の思い出データとして保管しておくことにします。)

ただ、ほぼほぼぱらちゃんか対戦相手、神視点の阿鼻叫喚しかないのであまり面白くないかもしれません、が、この数え切れない阿鼻叫喚がぱらちゃんの当日のプレイにつながっているはずです。

困ったことといえば、ぱらちゃんの生活習慣が前々日まで直らなかったことでしょうか。調整スタート時に「8時起き12時寝」に生活習慣を直すように伝えていたのですが、朝起きてもその後に壁となれるような調整相手の都合ができず、直前の金曜日の起床は17時を過ぎていました。

それは起きた部類に入らないんやぱらちゃん

前々日の土曜日にようやく朝の9:00に叩き起こしてもらって、半ば強制したような形でRAGE当日に調整できたものの、正直心の中で「これ終わったかもしれん」とヒヤヒヤしていた記憶があります。

魂の120枚

連携ロイヤル
バーンドラゴン
進化ラストワードネクロマンサー

持ち込み120枚はクラスが4日前に仮決定、120枚の本決まりはデッキ提出の3時間前でした。当初持ち込みは優勝したsakuyaさんと同じD、Nc、Nmの3クラスを予定していて、調整スタート時からAFネメシスをひたすら壁打ちして練度を上げていました。そのせいで進化ネクロの知識がごっそり抜け落ちて、ネクロの練度を再構築しなければならないくらいにAFをひたすら練習していました。

ところが4日前の木曜日になって、ぱらちゃん本人からAFを捨てて連携ロイヤルを握りたいという申し出がありました。懸念はいくつかありましたが、本人がやるしかないと腹を括ってくれていたので、こちらも腹を括り、土壇場で連携ロイヤルの練度を上げること、他の練度を下げないことを念頭に最終調整に入りました。

ここでロイヤルのリストをくれたのがななみん。

本番はこのリストと1枚入れ替えで使用しました

このリストのおかげで、最初の段階でアックスパイレーツを入れることや、武装強化を入れる選択肢があることを念頭に置けて調整に入れました。
GF当日、実はGurrielさんが上のリストと全く同じものを持ち込んだため、いい練習できてたじゃん!と喜んでいましたが、ロイヤル対面は結局なかったとか。

危うくネクロの知識が飛びかけたハプニングがあったものの、提出3時間前の最終調整で全て納得の120枚を提出することが出来ました。

本番でぱらちゃんは「運が良かった」と言っていましたが、少なくとも僕はデッキが応えてくれたと思わざるを得ないくらいいいリストで臨めたと思っています。

「「進研ゼミでやったとこ!!!!!」」

当日に関しては配信をご覧の通りです。
1回戦こそ緊張のせいか、あまりにとんでもないプレイをしていましたが、2回戦以降、1回戦の緊張を感じさせないプレイをしてくれました。

0点プレイのベルエンジェルぽん置き
UMA絶叫、フィルレインぽん置き


特に2回戦のUiroさんとのR-Nc戦では、練習で培ったものを遺憾無く発揮してくれて、調整チームの観戦通話でみんなが口を揃えて「進研ゼミでやったとこ!!」と叫び、見事にそのプレイをした時にいつも冷静なななみんが「涙出てきた」と最高に興奮していたことが今でも忘れられません。

進研ゼミで習った後手3エリカ

決勝戦、たらればはあれどsakuyaさんが一生うますぎて、調整チームの観戦通話にいた全員が苦虫を口いっぱいにした表情になってました。

神がかったリーサルの直前、調整チームが首の皮一枚繋がったという雰囲気の中、ぱらちゃんが何かを悟ったような顔をしていたのを見て僕は3週間の闘いに終止符が打たれたことを悟りました。

全てを悟ったラストシーン、歴史に残るプレイでした


全員があっけに取られた直後、1人項垂れる僕をよそに他の全員がもう既に終わった試合なのに択の検討を始めていました。

ある者は「いや…うーん、でも…」と何かを言おうとしては言葉を噤み、ある者は叫びながらあのターン前のターンと言いながら「でもsakuyaさんが本当にうまかった、ぱらちゃんもよく頑張った」とお互いを讃えていました。

それだけぱらちゃんの諦めない姿勢に感動していたし、それを上回ったsakuyaさんを調整チーム全員が讃えていたし、全員涙が出るくらい悔しがっていました。本当にいいメンバーに恵まれたと、心の底から思っています。

sakuyaさん、優勝おめでとうございます。
GGWP!

総括

※ここからは僕個人のお気持ちと意見なので興味ない方はブラウザバック推奨

ぱらちゃんも言っていた通り、今回はsakuyaさんがぐうの音もでないくらい本当にうまく、また強かった、負けても清々しい気持ちでいられるくらいに素晴らしい選手でした。
その調整を支えたであろう調整チームの皆様、礎になっているであろうW'sの皆様、本当にお見事の一言です。

なにか、まだできたであろう、こうした方が良かったかなと未だに思い返すと腑が煮え繰り返るくらいの悔しさに襲われるのですが、1番悔しいのはぱらちゃんだろうし、僕自身何もできなかったの一言に尽きるので、今度こそ頂点に手が届くように、その時に何もできない自分ではないように、何かしら頑張れたらいいなと思う所存です。

そしてこんな長い読み物を最後まで読んでくれたあなた、僕が今回経験したことは決して他人事じゃありません。一緒に遊んでる友達が、同じチームや窓の仲間が、いつも見ている推しが、いきなりあなたの存在を必要としてくれる日が来るかもしれません。その時に、胸を張って力になれますか?

僕はなれませんでした。プレーオフの時も、ぱらちゃんはいいように言ってくれたけど、危うく負けに導く手前でした。そして今、頼りにしてくれた友達を頂点まで届けることが出来なくてこんな思いをしています。

シャドウバースというゲームは1人でやるゲームです。
たまに運に左右されるし、引きたいカードが引けなくてクソゲーwってなるし、でも何から何まで実力ゲーなのを思い知らされるゲームです。
1人で強くもなれるし、あわよくば1000万円という大金を手に入れることだってできるかもしれません。世界にだって羽ばたけます。

でも、1人でやるより、一緒にやる人がいればもっと熱くなれるゲームです。情報社会なので隠さなきゃいけなくなったり、閉鎖的になりがちだけど、それでも仲間と共に切磋琢磨して掴んだ勝利は何物にも代え難いと、僕は思います。そしてそれはいずれ自分に対して、必ず何かの形や思いとなって返ってくると信じています。

これが、尾張の賢人から強くなるための智慧を、The ブレインマスターから自分を貫くことの大切さを、そして今回、共栄の伝道師から仲間の大切さを学ばせてもらった、僕が出せるRAGE GFの総括です。

我が友に贈る

結果から言うと、言い方が正しいかはともかく今回のメンバーは「大当たり」でした。

ほぼ毎日のように来てくれて、壁、神視点、持ち込みレシピの原案まで出して、なんでもしてくれてたななみん。覇者経験があることもあってぱらちゃんとの相性があまりにも抜群で、似たような思考を持っていてくれたおかげもあり、UMAさんの喝があっても、ぱらちゃんが楽しそうに調整を行えたのはななみんのおかげでした。次はななみんの番やで。

RoNの皆様も時間がない中、ほぼ毎日誰かが参加してくれていました。後から聞いた話でこういった調整は初めてとの事でしたが、思ったことや意見をどんどん出してくれるだけじゃなく、応援イラストや調整後の雑談など調整以外のところでも楽しくやる雰囲気づくりをしてくれたこと、本当に感謝しています。
公募してるかどうかは知りませんが、雰囲気がとても良く、DSALでも結果を出しているチームなので、チームを探されている方は是非自薦してみてはいかがでしょうか。


プロの方々もオフシーズンにも関わらず顔を出してくれて、壁や神視点からのアドバイスなどくれて本当にありがとうございました。次シーズン、どういうシーズンになるかはともかく、良きシーズンになることを切に願い応援しています。

調整メンバーとしてではありませんでしたが、僕たちと生活リズムがまるで異なるぱらちゃんの壁打ち(ど深夜帯)に付き合っていただいていた方がいました。この場でお名前を出していいかわからないので伏せさせて頂きますが、ぱらちゃんが持ち込みを考え直してしまうほどのプレイを対面で、しかも長時間付き合って頂けたこと、本当に感謝しています。直接お礼を言う機会が今後持てるかわからないのでこの場をお借りして御礼申し上げます。

そして調整チームのブレーンと言っても過言ではない働きをしてくれたシャドバ生命体、UMAさん。今回の調整で喝を入れたりダメなものをダメと言っていただく、本来であれば僕がすべき1番嫌な役を嫌な顔せず(かはどうかは謎ですが)、勝つためと言ってやってくれました。
当日も夜勤明けなのに、決勝が終わるまで寝ずに僕らと戦況を見守ってくれたこと、本当に感謝しています。

共に闘った14人の英霊たち

この場をお借りして調整に関わってくださった全ての方に感謝致します。本当にありがとうございました。

そして最後にぱらちゃん。
準優勝本当におめでとう。とんでもプレイの1回戦から練習の成果を出した準決勝、最後の最後まで諦めずに粘った決勝戦、あの3月のスタートからは考えられないくらい、とんでもなく強くなった成果がきちんと結果に現れたなと、1番近くから見てて思いました。今までの努力が実を結んで、ファンとして、調整に携わった者として本当に嬉しいです。

でも、ぱらちゃんに2番目の称号は似合わないので、必ずリベンジして、1番の称号を取りに行きましょう、僕も今度こそ力になれるように頑張ります。

今まで僕がいくら友だち0で怒っても聞かないふりしてたのホント激おこだし、100歩譲って調整を始める前は友だち0だったかもしれないけど、次友だち0って言ったら僕以外に怒る人がたくさん増えたと思います。またみんなでてっぺんを取りに行きましょう。

長々とした文章にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

結びにUMAさんの金言を置いておきます。

「正しいプレイには、正しい引きがついてくる」

あんたがMVPや

おわり

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