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VRサービス「VARK」終了に思うこと

最近はあまり遊んでいなかったのですが、VRヘッドセットを初めて買ったころ、よく遊んでいたのが「VARK」でした。当時は自分のアバターで入って、カラオケができる機能などがあり(自分の姿もVR空間上のミラーで見ることができた)面白かったのですが、ある時点から、VR上のシアター的な空間となり、アバターも画一化されてしまったため、しばらく足が遠のいていましたが、突然の終了には驚きとさみしさを禁じ得ません。

理由は公開されていませんが、まあ、一言でいうと採算が取れないという判断でしょう。「VARK」というサービスが終了してもVARKという会社自体は続き、人気のある「VARK SHORTS」は続きますし、今後はVライバー事務所としてもやっていくようです。

この方向転換が何を意味するかというと、VRプラットフォームの運営はお金にはならない、という事実と、もはやVRプラットフォームは事実上、世界的には「VRChat」、国内的には「Cluster」とでほぼ独占状態となってきている(やはり早く始めたところは強い!)ということでしょう。もちろん国内では「Virtual Cast」も、VR+配信、という独自の路線で健闘していますし、海外勢では「NeosVR」やそこから離脱した技術者達による「Resonite」にも注目です。またここに、今はまだ、VRではないですが、韓国発の「ZEPETO」が将来は絡んでくるような気がします。

ただ、これらのプラットフォームが利益を上げ得ているかというと、いろいろな企業とのタイアップに力を入れている「ZEPETO」はまた別として、そうでもないのが実態のようです。個人的にはある程度の使用料金を取ってもいいと思いますが、正直、個人ユーザーからお金を取ることは、今の時点では難しいでしょう(そうすると人が離れてしまうので)。となるとやはり、企業、法人がターゲットで、事実、NTTのDoorなどは法人向けの金額プランを設定していますし、この度、正式版をリリースした「Neem」(Doorとは違いこちらはVRには対応しておらずあくまでブラウザベースですが)も法人向けプランに力を入れるようです。そして、これらのところは自分たちでプラットフォームを作り、そこに人を取り込もう、という戦略ではなく、VRワールドこそ自分たちのところで制作する(あるいは制作してもらう)が、あとは、WWW経由で、別にプラットフォームのメンバーとはならなくても、そこには自由に入れる、というスタンスを取っています。

と、まあ、一言で言えば、結局プラットフォーム自体はお金にはならず、そこで何か面白いことをやればそのやったところにお金が入り、プラットフォーム側もショバ代?をいただける、というのが、現状のようです。これはいわゆる配信ビジネスでも同じであり、Youtube やTwitchなどでもいわゆる投げ銭の約50%はプラットフォーム側に行く仕掛けとなっているようです。「VRchat」ではプラットフォーム側の取り分は30%と良心的なのですが、次に引用するメタバース文化エバンジェリスト・バーチャル美少女ねむ氏からの指摘にあるようにその間にある更なるプラットフォームへ支払わなければならない分もあり、実際、配信者の手に渡る金額はやはり50%程度かそれ以下のようです。ということでやはりプラットフォーム運営はコスト(費用)がかかる割にはお金(利益)にはならないと言っていいでしょう。

しかし、このような状況であれば、せっかく芽生えたVRメタバース文化というものも廃れていってしまいます。では、どうするか。そこが悩みどころなのですが、私としてはやはりVRChatが試み始めたように「有料化」というのもありだなと考えます。なぜならそもそもVRメタバース自体がいわゆ「ゲーム」で、我々はそこに参加しているのですから。ゲームにお金を払うのと同じ理由で、そこにお金を払うことはある意味必然であると言えます。もちろん中にはゲーム参加費を払ったうえでそれでもそれ以上の利益を得る人も出てくるでしょう。でもそれはその人の力量や魅力があるからこそということになります。

追記:私がこの記事をアップする半日ほど前に、VARKの社長さん本人が記事をアップしていたので、それを貼っておきます。またVRでVARKに会える日を楽しみにしています。


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