2年間9mmだけ聞いたら起きた現象9つ

皆さんは大好きなアーティストだけ聞き続けたことはありますか。ブリはハマり始めた大好きなアーティストを数ヶ月聞き続けて、気がすむまで、聞きました。全てのシングル、アルバムを聞くチャレンジを何回もしました。たくさんの推しアーティストたちをたっぷり聞いて、定期的に聞き返して、新たな発見が出てくるので、今も大好きで聞いています。時には聞きすぎて、食傷気味になって、今は聞かなくなったアーティストもあります。

ブリは今の世情があって、とにかく死ぬほど暇になり、今まで聞いたことないアーティストを聞くチャレンジをしています。そのなかで選んだのは、9mm Parabellum Bullet(以下9mm)です。バンドについて、詳しい説明が欲しい方は以下の記事を参照してください。

ブリは、9mmの全てのシングル、アルバム、ライブ映像を聞いて見るチャレンジをしました。2020年秋あたりに聞きはじめ、2022年には出たばかりの最新アルバムをたっぷり楽しんでいます。9mmを途中から聞かなくなった時期に見逃したシングル、アルバムはたくさん聞いてみました。最近、9mmのことを調べていたら、インディーズ時代の話がいろいろ分かってきて、インディーズ時代のミニアルバムも聞きました。中古CDで全ての曲を手にして、PCに保存して、ポータブルプレイヤーで聞いています。ただし、ライブ会場で配られたデモCDはありません。

9mmは今までにシングル15枚、アルバム9枚、ミニアルバム3枚を出しました。シングルはもちろん、アルバム曲もおすすめですが、シングルにしか収録されていないカップリング曲もおすすめです。シングルには題名に「EP」とあるものは、カップリング曲がなく、30分以上のライブ音源が収録されています。そのライブ音源にしかないMCがあったり、映像化されていないライブもあるので、コレクションに入れたくなります。

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9mmアルバム。ブリはこれらのアルバムを暗記してしまった

ライブ映像もおもしろいです。9mmには「Act」シリーズというライブDVD、Blu-rayが発売されました。全部でAct1~7まで出ました。ライブ映像がほぼノーカットで収録されています。映像特典には、会場の組み立てシーン、メイキング映像、オーディオコメンタリー、オフショット集があります。なかには、シングル、アルバム初回盤にあるライブDVD、9mm公式ショップサイトでしか入手できないライブDVDもあります。

9mmの全ての作品をほぼ聞いたり、見たりしました。2年くらいのチャレンジをした結果、ブリに変化が現れました。この記事では、ブリが2年くらい、9mmだけ聞いてから、他のいろんなバンドを聞くと感じたことを9つにまとめました。PCから見ると、1項目9行になっています。記事内に他バンドの名前は一切出ません。



★ギターが薄くすかすかで気持ち悪い

9mmの作風は、ツインギターを奏でて、ベースとドラムを混ぜ、それらの轟音のなかで歌声を響かせるものになっています。今日の邦楽ロックは、ギターが前面に出る曲は減りました。ベース、キーボード、打ち込みを主旋律にしたような曲が増えました。その結果、ギターロックは時代遅れと言われ、ギターがちょっとずつ奏でるような流れになっています。サブスクリプションサービスの普及で、急いでサビへ持っていこうとする姿勢がアーティストの間で流行しました。ギターソロは省かれ、ますますギターの立場が小さくなりました。音がすかすかして、物足りなくて、だるくなってきます。ギターを時代遅れとか、軽く見下すアーティストは大嫌いです。



★だるい流れが退屈になった

9mmの曲は、短いものだと49秒、長いものだと5分ぐらいの曲がありますが、長い曲はめったに作りません。とにかくだらだらした構成を嫌うバンドです。特に過去の邦楽ロックを聞いていて、気づきました。ゆったりした曲調が多く、聞いていて、退屈に感じるようになりました。音楽がまだCDやレコードを買わないといけない時代の邦楽ロック曲は、そこまで激しく早く演奏するものがありません。なぜなら、邦楽ロックは歌詞を聞かせる傾向だからです。洋楽ロックはひたすらメロディーを響かせるもので、邦楽ロックとは対照的な作風です。だるくて疲れてしまいました。9mmは、先人のバンドたちから影響を受けたことを忘れずにいます。



★直立演奏に耐えられなくなる

9mmはステージでハチャメチャに暴れることがあります。特に、滝と和彦は好き放題に暴れていることが多いです。若い時には演奏放棄が当たり前でした。今はほどほどに暴れています。いろんなバンドのライブ映像を見ていて、ギターとベースがじっと立っている様子を見るたび、ブリは耐えられない気分になります。こんなにノリノリな曲なのに、なぜに暴れないのか、と突っこみたくなります。じっとしていると、何か動いてほしいと、期待したくなります。動く余裕がないほど演奏が微妙な印象を持ちます。動かないと退屈です。ちなみに、卓郎は歌うのであまり暴れません。ちひろはスティックトリックがかっこいいです。



★メンバーの見た目に個性を求めたがる

9mmメンバーは、見た目の個性が強いです。天然パーマと強い目力の卓郎、ぼさぼさ髪とあごひげの滝、前髪を隠すことがある和彦、切れ目とピアスが目立つちひろ、メンバー全員主役という存在感があります。いろんなバンドを見ていると、男性バンドはメンバーの髪型がショートボブになっていることが多いです。メンバー全員がそんな髪型をしていると、個性ないように見えて、がっかりします。一人だけロングヘアー、金髪、ドレッドヘアーでいても、この人は目立ちたがり屋だとばればれで残念です。ヒゲがないと、男性らしさが足りないと思います。音楽を聞く以前に、見た目がありふれたものだと、残念です。良いバンドは見た目に個性ありです。



★歌声のキーが高くて頭が痛くなる

卓郎は主に中音域でまっすぐ歌う特徴があります。ノドと鼻の間で芯のある歌声を出す発声です。たまに裏声で歌声を抜くような流れがあります。初期の荒削りな歌声から、新しい作品になるにつれて、卓郎の歌声が磨かれていきました。近年の邦楽ロックでは、歌声のキーが全体的に高い傾向になっています。特に、裏声を用いて、高音域を出す歌声が流行しています。男性ボーカリストは裏声中心の歌声で響かせています。ブリは次第に、高音域の暴力により、頭痛がしてきました。「高音域至上主義」が今日の邦楽を支配している状況です。男性ボーカリストの間でひたすら高音域を広げることを競っています。やっぱり低音域が恋しいです。



★ロック離れする作風が嫌になる

9mmの作風は、結成時から今でもギターロックを軸に、ハードロック、メタル、パンク、歌謡曲を混ぜた邦楽ロックとなっています。曲中に電子音や打ち込みは一切ありません。多くのバンドは、初期の作品がギターロック作風だったのに、活動数年後にはギターから打ち込み主流に、日本語歌詞から英語歌詞が中心に、他ジャンルに変えて、ロック曲がなくなっていきます。大半のバンドは、デビュー後に市場獲得のために、打算的に作風を変えざるおえない状況になり、ファンは作風の変化に動揺します。そして、初期の曲が高く評価され、新しい曲を聞かなくなります。9mmは結成時から試行錯誤をして、今でもカオスな邦楽ロック路線を奏でています。



★音楽番組で紹介されなくてさびしくなる

9mmは音楽番組にめったに出ません。バンドの名を知らせるために、若い時にはテレビ出演をしたことがあります。しかし、ライブ活動のために、地上波には出ない姿勢のバンドです。主に音楽チャンネルでしか出てきません。たまに、若いアーティストが聞いていた音楽の紹介で、9mmの名が出ることがあります。しかし、よほどの邦楽ロックマニアじゃないと知らないバンドです。ランキング上位の常連でもなく、MVやサブスクリプション再生数がトップでもなく、邦楽ロックがないがしろにされる音楽番組では聞いたことがないと思われます。自分から探さないと出会えません。音楽番組に出なくても、ファンを獲得しているバンドはたくさんあります。



★周りにファンが少なくて切なくなる

9mmは2004年の結成から、2007年にデビューして、多くの代表曲が広まりました。有名な代表曲は、2007年から2013年あたりの曲が多いです。今では彼らを知る、若いファンが少ないです。両親が9mmを知っているか、周りに邦楽ロックマニアがいるか、サブスクリプションのプレイリストで見つけたか、たくさんバンドを探して9mmを偶然見つけたか、よほどもの好きなファンじゃないと交流が少ないです。音楽番組にあまり出ないバンドゆえ、知らない人ばかりです。ブリは9mmを知らない世代に聞かせたら、「なんだか懐かしい曲調がする」と返ってきました。世代の違いを楽しんで、聞かせるとおもしろいです。今聞いても、決して古臭い曲ではありません。



★共感やあるあるネタの歌詞が嫌になる

9mmの歌詞は、幻想的な世界を表現したり、人間の孤独を描いた、無慈悲な作風になっています。「そんなことあったね」と共感を求めたり、日常でよくありそうな話で感情を誘う歌詞は一切ありません。「架空の主人公の話」を描いた歌詞です。近年の邦楽ロックを聞いて、べったり感情の共感を狙ったり、日常に寄り添うためにあるあるネタを乱用して、ブリは鑑賞に耐えられなくなりました。恋愛にまつわる共感の歌詞が多い邦楽ロックは、打算的にリスナーを得ようとして、狙いがバレていると突っこみたくなります。こんな誰でも思いつく歌詞を書くバンドは、そこらのバンドと変わらないと思われます。9mmのこだわりある歌詞が好きです。



以上、2年くらい9mmだけ聞いたブリに起きた、9つの症状でした。元に戻るまで、時間がかかりました。むしろ、このままどこまでも沈んでいけばいいと思いました。無理して他のバンドに行かなくても大丈夫です。今好きなものなら、きっと必要なものだと思います。皆さんもこの記事がきっかけで9mmに興味が出たら、ぜひ聞いてみてください。推しバンド一筋でたっぷり聞くと気づかなかった発見があります。


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下から古い順に9mmアルバムを積んだ様子


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