9mmで5大シュールなMV

この記事は、2021年11月18日にTwitterで掲載したメモを再編集して、ここに再掲載しました。

皆さんは9mm Parabellum Bullet(以下9mm)のミュージックビデオを見たことありますか。大半のMVは、メンバーの演奏シーンを主にうつして、シーンの間にドラマ映像が入ったり、照明が変わったり、ダンサーが出たり、どこかのロケ地をうつしたり、そんな構成になっています。熱さ、かっこよさ、クールでロックなイメージを見せている、9mmの様子をうつしたMVが満載ですが、なかには言葉に表現できないような、はちゃめちゃな内容のMVもあります。9mmはかっこよさを見せるバンドではなく、時にはコミカルな一面を見せます。

この記事では、ブリが見てきた9mmのMVで、とにかく説明できない、制作スタッフにツッコミどころを言いたくなるような、「シュールなMV」を5本選びました。

★(teenage)Disaster

9mmにとって思い入れがある、結成時の曲。渋谷のライブハウス「club乙」のステージで演奏する、若き9mmメンバーの演奏をうつしたMV。若さゆえの粗い動きが初々しくて、ひしひしと勢いと不器用さを映像から感じる。とにかくこのMVはカメラワークがころころ変わるので、非常に忙しい映像である。

そして、一番の衝撃シーンは、卓郎がギターを持って、ブラウン管テレビに叩きつけるところである。ライブでは暴れる9mmは、決して楽器を壊さないのに、このMVでは珍しく楽器を壊すシーンがある。「楽器を壊すのはギター職人への敬意がない行為だ」と語る、滝にとって、胸が張り裂けそうなシーンだろう。状況がさっぱり分からないMVである。

★Talking Machine

結成時に作られたライブの定番曲。若き9mmメンバーがプロレスリングの上で演奏する。次第にメンバーたちは暴れまくり、ついにギターやドラムセットを置いて、演奏放棄し、リング上でメンバーが暴れまくる。ドラムセットはバラバラである。曲名が必殺技というわけわからん展開になり、相手は降参のタオルを投げて、メンバーはくたびれて倒れた。

終始分からない流れと、9mmらしい暴れっぷりに笑ってしまう。メンバーいわく「戦うことが好きだった」と。15年後にプロレスのテーマ曲を作るとは、若きメンバーは想像しなかっただろう。

ちなみに、このMVと『(teenage)Disaster』は、9mm公式YouTubeチャンネルでは見られない貴重なMVである。見るには、ミニアルバム『Phantomime』付属のDVDを入手するしかない。ぜひどうぞ。

★Supernova

ごぞんじ、9mmの代表曲である。寺内で演奏する9mmメンバーのシーンと、映画のような予告シーンが交互に流れる。予告シーンは、刀を持った少女が、悪役のような人間と戦う。少女は爺から刀を授かり、悪役と戦う流れになる。最後は悪役と抱き合い、建物が爆発するというカオスなシーン連発で、視聴者もメンバーもさっぱりである。
寺内で演奏するメンバーは、かっこいい。しかし、和彦は謎の動きを見せたり、滝は暴れまくる演奏をしたり、ツッコミ満載である。そもそも寺内で演奏する様子がカオスである。ロケ地は、千葉県君津市の成願寺。メンバーいわく、タケノコがたくさんある。

★Black Market Blues

ごぞんじ、9mmの代表曲。この曲でバンドを知った人は多い。このMVはとにかく怖い。かっこいい、そして、変である。卓郎の目力がすさまじく、滝が激しく演奏している。演奏シーンの間に入る、虫とネズミが怖い。怖くて、かっこいいものがいる一方で、和彦は何かに目覚めたように、変な動きを見せて、体をそらしたり、ベースを抱えていたり、本当にどうしたのか気になるしぐさである。本当に謎めいたベーシストの雰囲気を見せてくる。9mmを知った多くの人間を落とした、シュールでホラーなMVである。

ロケ地は、9mmの結成地である横浜、六角橋商店街の路地で撮影された。そこでは、ドッキリヤミ市なるイベントが行われていた。曲名と似ているようだけど、偶然です。

★反逆のマーチ

演奏している9mmメンバーの前に、ピザを食べている白人男性が座る。ピザを食べながら、演奏をハイテンションに楽しげに見つめる。男性の両側には、ガスマスクを付けた科学者らしい人物がいて、男性の反応を調べているらしい。そして、男性のそばに美女が現れて、さらに楽しそうに喜ぶのであった。ガスマスクの科学者は、ただひたすらメモを書くのであった。そして、男性は9mmの音楽により何かに目覚めて、どこかへ帰っていく。実は男性は、欲望エネルギーによる発電機の実験に使われている設定だった。
メンバーはピザを食べる男性を見つめながら撮影している間、笑いそうになった。卓郎いわく「食べっぷりがよくて、キリッとした顔でいるつもりが笑ってしまった」と。

あと、MVに登場する、ピザーラのマークを「9」に似せているのがおもしろい。このMVは現在、フルバージョンを見る方法が限られているため、入手困難である。見るには、ズルい手をするしかありませんが、自己責任です。

以上、9mmのシュールなMV5本でした。皆さんはどのMVが好きですか。単純に演奏を見せるMVも大好きですが、これらのような説明できないおもしろいMVも大好きで、メンバーはどんな心境で撮影したのだろうと、ツッコミたくなりました。9mmの見どころはまだまだありますので、ぜひYouTubeで確かめてください。