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ブルーロックと貧乏ゆすりおじさん

長女の希望に従って、連日の映画館。
サッカーの漫画??だったよね確か…って程度の知識(とすら呼べないほど本当に予備知識ゼロの母)しかない状態で館内へ。
ブルーロック全巻揃えているほどこの漫画が好きな娘には本当に申し訳ないが、登場人物全てが名前からチンプンカンプンで(漢字も難しいし読めないし)、とりあえず天賦の才能あふれる高校生?がサッカーに目覚めて活躍していく様を観察した2時間だった。
(内容はこれで合っているのだろうか)

でもって、映画の内容より興味深かったのが、近くの席にいたおじさん。
私のウン十年の人生のなかで、初めて見たといってもいいくらいの、立派な貧乏ゆすり。
カタカタカタカタカタカタカタカタと右足がリズミカルに上下し、それに連動してポップコーンも静かな音を立てる。
映画開始直後からそのリズムは始まり、しかもその右足がうまい具合に私の視界にチラチラ入り、映画の内容も気になるがおじさんの右足も気になる私は、キャラメルポップコーンとホットティーを娘と取り合いつつ、またおじさんの右足を見る。

途中、何度かおじさんの右足が止まる瞬間もあり、それはどうやらおじさん的に手に汗にぎるか息を飲むシーンであったらしいが、すぐにまたカタカタカタカタカタカタカタカタと再開。

熾烈な戦いが繰り広げられるスクリーンを前に、客席ではカタカタカタカタカタカタカタカタと止まらないおじさんの右足と、それを横目で観察する私。おかげでキャラメルポップコーンを食べることをうっかり忘れてしまい、気がついたら娘に全てたいらげられた後であった。

エンドロールが流れるやいなや、おじさんはすっくと立ち上がって1番に退散していった。
が、実は最後にちょこっとだけ映画のまだ続きがあったので、カタカタおじさんは最後の最後のシーンを見逃したことに気づかないままお帰りになられてしまった。カタカタしてないでもうちょい座ってたら良かったのに、かわいそうな貧乏ゆすりおじさん…と気の毒に思いながら、足りないポップコーンのせいで小腹が空いた私はコンビニに寄って鮭おにぎりとバナナを買い、もうちょっとキャラメルポップコーン食べたかったなあと恨めしく思ったのであった。

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