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「北欧の神秘」と「テルマエ展」とぼっち呑み

昔むかし、わたしが学校の授業で1番苦手だった教科はダントツで美術だった。

先生の話も教科書の内容もさっぱり私の頭には入ってこず、琴線に触れるものもなく、心が揺さぶられることもなく、目が見開かれる思いになることもなく、授業中はひたすら脳内で他ごとを考えて過ごしていたダメ生徒だった。
小中高とそんな風に学校生活を送り、おとなになってからもそれは変わらなかった。
休日に美術館、博物館に足を運ぶなどと全く思いつきもしなかったし、そもそもどこに何という美術館があるのかも知らなかった。私にとって美術館という場所は、学校の校外学習で一方的に連れて行かれるだけの、ただの意味不明な建物でしかなかった。

そんな私が、この歳になって(この歳って何歳だ)美術館や博物館に自ら好き好んで出向いていくようになったきっかけ。

それは、我が家の次女だった。

長女が我が家のメンバーに加入したあと、数年たってから縁あって新メンバーが加わった。
それが次女。
小さいときから長女とは全く違う個性を発揮し、こんなにも人間っておもしろいものかと思わせてくれるユニークなキャラの次女なのだけれど、彼女が息を吸うかのように自然に熱中するもののひとつ、それが『絵を描くこと』だった。
こちらが教えたわけでもなく、日頃から美術に触れさせるような教育をしてきたわけでもないなかで、次女は自然と絵の世界に引き寄せられていく子だった。
そして、小学生になってからは、学校で配布されるチラシ類のなかに美術館の展示案内や、アート作品の案内などがあると必ず言うようになった。
「ここ行きたい!」

え?びじゅつかん?
わざわざ何しに行くん?
最初はそんなことしか思わなかった私。娘の要望に従う形ではあったけれど、そんなわけで時々美術館や博物館を訪れるようになったのだった。
そんでもって、いま現在。
娘と同じかもはやそれ以上に、美術館にハマっている私。

とはいえ、絵ゴコロがあるわけではなくて、展示されている作品をなんとなく眺め、解説文を読み、館内をゆったり歩くだけなのだけど、その、何もないようで何かある時間に身を委ねて、作品が生まれた当時の人々に思いを馳せ、画材のなんともいえない匂いを感じ、絵の世界に浸ることになんとも形容し難い幸せを感じるんだなぁ。不思議。

で、先日は北欧ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの神秘的な絵画の世界にお邪魔し、そこからガラリと趣向を変えてテルマエ展へ行き、ついでに一杯ワインを飲んで帰るという、母ちゃんおひとり様満喫プランを実行してきた。
家族と出かけるのもいいけど、たまーに、自分ひとりの時間が無性に欲しくなる。
そんな時は家族に「ちょっとひとりで出かけたい」と宣言し、夫と娘からは「どうぞどうぞ」「ただし、日付が変わるまでに帰ってきてね」と返事をもらい、だいたい美術館に行ってボッチ飯をしてくることにしている。

でも、日帰りだと行ける範囲に限界があるんだよなーーー
そろそろ泊まりがけで美術館遠征をしたいんだよなーーー
そろそろ本気で計画立てようかな!

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