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【目指せソムリエ#7】ラベルの謎解きと世界のデータ-ワイン概論②-

はじめに

プレ・ソムリエのみなさん、こんばんは!2月22日はにゃんにゃんにゃんの日!という事でアイキャッチ画像をネコラベルまみれにしたのですが、残念な事に公開が間に合わず23日になってしまいました・・。富士山ラベルにしておけばよかったですね・・(日本ワインであるかな?)

今日はEUのラベル表記と、世界の気候、データについてです。
細かい暗記が増えてきますがこの辺りはまだ楽しく頑張りましょうね!(後々、えげつない暗記がこれでもかという程出てくるので、この辺りはまだ優しい方なのです)

ラベル表記 (EU)

ワインのラベルにはたくさんの情報が詰まっています。ラベルにどんな事が書かれているか読み解けるようになると、ワインを選ぶのも楽しくなります☆

EUのワインは法律により、ラベルに絶対に表示しなければならない項目があります。それは製品のカテゴリAOPやIGPの名称アルコール度数原産国瓶詰め業者名 (スパークリングワインの場合は生産者と販売業者)、スパークリングワインの場合は残糖量の表示です。

また、収穫年、ブドウ品種、生産方法に関する記述、AOP、IGPのEUのシンボルマークに関しては任意となっていて、書いても書かなくてもどちらでも大丈夫です。


スパークリングワインの残糖量の表示

スパークリングワインの残糖量はラベルへの記載が義務となっています。皆さんがお祝いの時などに何気なく飲んでいるシャンパーニュのラベルにも実は全て甘さレベルが書かれているのです!

この甘さレベルの事を残糖量と呼びます。前回、ブドウの糖分が酵母の働きでアルコールになると学びました。アルコールにならずに残っている果糖であったり、造り手が最終調整して添加した糖分であったり、ワインの中に最終的に残っている糖分の量を計測して、記載しなければなりません。

シャンパーニュは皆さん比較的見覚えがあるかもしれませんが、ソムリエ試験の勉強では、フランス以外も原語で暗記をしなければなりません。まずはフランスから覚えてしまうと楽だと思います!

続いて、各国の表記を見てみましょう!また、残糖量を細かく覚える必要があります。

教本ではフランス、イタリア、ドイツ、スペインの順に並んでいるのですが、ドイツとスペインを入れ替えています。イタリア語とスペイン語が似ていて覚えやすいからです。

まず、補糖を全くせずに残糖量が1ℓあたり3gの極辛口のもの。これはフランスでは補糖(ドサージュ)を行わない事を意味するナチュール(ナチュラル)、パ・ドゼドサージュ・ゼロという3種類の表記となります。他の国は少しづつ違いますが、全てナチュラルを意味するような言葉となっています。

続いて辛口の、残糖量が1ℓあたり0~6gのEXTRA BRUT エクストラ・ブリュット/ ブルット12g未満のBRUT ブリュット / ブルット。こちらは読み方の違いはあるものの全ての国で同じ呼び方となっています!簡単ですね!残念なお知らせですが、こういったところはあまり問題には出ません。

そして次にやや甘口の、残糖量が1ℓあたり12~17gのEXTRA SEC エクストラ・セック17~32gのSEC セック。Secは英語でいうとDryという意味です。イタリア語だとセッコ、スペイン語だとセコ、ドイツ語だとトロッケンになります。Asciutto アシュットのような法則性がないような言葉には注意が必要です。こういったところが最も問題に問われやすいところです!

最後に甘口の残糖量が1ℓあたり32~50gのDEMI SEC ドゥミ・セック50g以上のDOUX ドゥーDEMIドゥミという言葉は英語で言うハーフ。半分の、という意味です。イタリア語やスペイン語ではSEMIセミといいます。 ドイツ語ではHalbハルプです。フランス語、イタリア語、スペイン語はラテン語グループなのでそれぞれ似ていますが、ドイツ語は英語に近いです。

残糖量50g以上はかなり甘口です。食後の甘いスイーツを想わせるような言葉が並んでいます。DouxドゥーDolce ドルチェDulce ドゥルセ、そしてMild ミルト。辞書をひいてみたところ、ミルトは「まろやかな」や「刺激の少ない」といった意味を持つドイツ語で、英語で言う「マイルド」だそうです。やっぱり英語と似てますね!

ナチュラルな0歳、ぶりっこな12歳、セクシーな17歳〜32歳、優しい50歳、、、という感じに段々優しく(甘く)なっていくイメージで覚えると覚えやすいかもしれません☆

スティルワインの残糖量の表示

スパークリングワイン以外の残糖量は記載は任意です。スティルワインはスパークリングに比べて甘辛度合いにあまり幅はないのですが、ややこしい事に同じ<辛口>表記でもスパークリングワインとスパークリングワイン以外では残糖量が違うので、注意して覚えましょう・・・!

スパークリングワインではSECは残糖量17~32gでしたが、スティルワインでは残糖量4g以下となっています。また、スパークリングワインでDEMI-SECは残糖量32g〜50gでしたが、スティルワインでは残糖量12g以下となっています。どうして統一してくれなかったんでしょうか。。

EXTRA SEC 以下はなく、SECから上の表記になります。辛口のワインにわざわざ辛口と書かなくても、甘口のものにだけ書いておけばわかるでしょ?という事なんですかねえ。

極甘口の表記は同じですが、残糖量が50g以上ではなく、45g以上となっています。また、スパークリングワインでは登場しなかった甘口表記が出てきています。

EUの栽培地域のゾーン区分

EUでは、栽培地域の特性により産地をゾーン別に分けて、最低アルコール度・補糖・補酸・減酸などの方法を規定しています。

Zone AからZone C-Ⅲ (b)まで6段階あり、順に冷涼から温暖となっています。

頭の中にこの図がカラーで入っていれば簡単ですね!

世界のワイン産地の気候

世界中のワイン産地の気候は、大きく4つに分けられます。

大陸性気候

大陸性気候は、昼と夜の気温差や夏と冬の気温差が大きく、季節の変化がハッキリしています。フランスのブルゴーニュ地方や中央・東ヨーロッパなどが該当します。

海洋性気候

海洋性気候は、海と陸の風の影響で気温の日較差が少なく、雨が多く湿度が高い特徴があります。代表的な例は、フランスのボルドー地方や南オーストラリアのクナワラ地域です。

地中海性気候

地中海性気候は、温暖で乾燥し、日照量が多い特徴があります。夏は乾燥した気候で、冬は穏やかで雨が多くなります。南フランスやスペイン、イタリア、オーストラリア、アメリカのカリフォルニアなどがこれに当てはまります。

山地気候

山地気候は、平地と比べて気温が低く、天候の変化が激しく風が強いです。日本の山梨県、長野県、フランスのジュラ地方などが該当します。

ワインの統計

現在、最新のソムリエ教本のデータは2018年時点のものになっており、今年の教本ではそろそろ数字がアップデートされるかもしれませんが、ざっくり傾向を見ておきましょう。

世界のブドウ栽培面積は約 745 万 ha(ヘクタール)  で、1980年頃と比べると減少傾向にあります。ちなみに、1ha(100a)は100m×100mの広さを表す単位の事で、東京ドームが5ha弱の広さです。世界のブドウ生産量は約 7,780 万 t でゆるやかに増加傾向です。

世界のワイン生産量は約 2.9 億 hℓ(ヘクトリットル)で1985年頃をピークに減少傾向です。(1 hℓは100ℓの事です)世界のワイン生産のTOP10は下記の国になります!やはりイタリアとフランスが多いのはイメージ通りですね。10位に中国が食い込んでいるのにも注目です。中国ではワイン造りが広がっていて注目度も高いので今後さらに上位に上がってくるでしょう。

世界のワイン消費量は約 2.5 億 hℓ で、1970-80年代よりはやや減少しています。世界のワイン生産量は約 2.9 億 hℓなので、生産量より消費量はやや少なめですね。世界のワイン消費のTOP10は下記の国になります!生産国ランキングでは入っていなかったイギリスやロシアも入っています。

おわりに

今日はここまでです。細かい数字に関しては、2023年度の教本が届いたらアップデートしていきたいと思います。

今回1週間ほど更新が空いてしまい反省です。忙しくて時間が取れない時もありますが、やはりコツコツ継続した積み重ねが大切ですね。忙しいのはみんな一緒。受験される方は夏まで一緒に頑張りましょう〜!

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