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正常営業循環基準と1年基準

正常営業循環基準と1年基準について簡単な解説をしていきます。

①正常営業循環基準とは?
正常な営業サイクルにある資産・負債はすべて流動資産・流動負債とすることです。正常な営業サイクル(営業循環)というのは、商売をしていれば必ず必要となる循環
(仕入→仕入代金の支払い→商品の販売→販売代金の回収→仕入にもどる)のことです。

②1年基準(ワン・イヤー・ルール)とは?
正常営業循環基準に該当しない資産については決算日の翌日から起算して1年以内に現金化できる資産を流動資産、1年以内に支払う負債を流動負債とし、1年を超えて現金化される資産を固定資産、長期ローンのように支払が1年を超えるものを固定負債とします。

③日本では正常営業循環基準が優先
例えばウイスキーはビンに詰めて販売されるまで8年とか12年と長期に渡って樽詰め保管されます。
この樽詰めされたウイスキー(仕掛品)は正常営業サイクルにありますので流動資産とみなされます。
このように我が国では正常営業循環基準が優先され、これに該当しない勘定科目には1年基準が適用されます。

④1年基準で勘定科目が変わる
(例)
貸付金・・・短期貸付金、長期貸付金
前払金・・・前払費用、長期前払費用
借入金・・・短期借入金、長期借入金

このうち長期前払費用についてみていきましょう。
(例題)
残高試算表に記載されている保険料¥400,000は当期首に4年分をまとめて支払ったものである。
(考え方)
4年分の保険料のうち1年分は今期の保険料。
残り3年分は前払費用となりますが、うち1年分は流動資産、残りの2年分は長期前払費用となります。

式で表すと
4年分の保険料ー今年分の保険料ー来期1年分の保険料=長期前払保険料
400,000 ー100,000ー100,000=200,000(長期前払費用の金額)
(答え)

今年分の保険料はすでに計上されているので仕訳はしない。


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