時代の流れと働き方改革

働きがいをともにつくるための≪働きがい創造戦略≫

第1話 前書き➀ 

2008年に世界的影響を与えたリーマンショックは、1990年初頭のバブル崩壊以降は失われた○年を更新し続けていた日本企業に、更なる経費削減が強いられることになりました。
 戦後復興を支えた日本企業の特徴である終身雇用や家族経営といった、一見悠長な施策は命取りになるとさえ言われ始めたのです。
 その頃から雇用形態の見直しや海外企業への業務発注(特に開発途上国へのアウトソーシング)が急増し、非正規雇用者の割合が増加するとともに、雇用している社員へ人的・金銭的コストを掛ける余裕がなくなった時代とも言えます。
 それと同時に正規雇用社員への過剰な負荷が問題視され、一部では行き過ぎた労働環境が社会問題になった背景も相まって、労働市場の柔軟性や雇用の安定性に関する議論が活発し始めたことで、2010年頃から働き方改革という文字が世に広まってきました。
 2010年代半ばには長時間労働の是正とワークライフバランスの推進などが具体的な政策として次々に打ち出されていったのです。
 それでも私のような団塊ジュニア世代と呼ばれる、今のアラフィフ世代にとっては『頭では分かっているが体に染みついた習慣が邪魔をする』という、働き方改革についてもどこか煮え切らない状態が続いていたのではないでしょうか。
 そこにとどめを刺す形になったのが2020年から始まったCOVID-19パンデミック、いわゆるコロナ騒動です。外出する事が命取りになりかねない環境の中で、企業経営者は日々命と経済活動のどちらを優先するかという究極の選択を迫られました。その結果、リモートワークなどの在宅勤務が普及し、デジタル化やフレキシブルな勤務体系が生まれ、結果として働き方改革が一足飛びに進むことになったのです。
 これらを時系列で表現するとこういう流れになります。

この様な時代背景を背に働き方改革が進んでいったことも、これからの時代を創っていくには忘れてはいけないことだと思います。

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