依存体質の企業とは!?

 前回、昨今の働き方改革の背景には、自立が求められているとお伝えしました。
 残業時間が減るというと労働者には聞こえが良いかもしれませんが、それでお給料が減るのは望ましくないでしょうから、時給を高める必要があります(もちろん、給料が減って良いから労働時間を短くしたいという方も多いと思いますが)。
 最低労働時間が上がるというと労働者には聞こえが良いかもしれませんが、企業側は極力能力の高い人に仕事を集中させることになります。
 ということは必ずしも労働者にとって良い話だけとも言い切れず、その待遇改善に見合う能力開発が求められるのです。
 と同時に、それに見合う能力開発をするような社員を受け入れる企業にも自助努力が求められます。
 つまり、今の時代に求められるのは、企業と社員双方の自立ではないでしょうか?
 ここでは改めて自立と依存について考える為に、まず今回は、【依存している企業の特徴】を見てみましょう。
 経営者の方は、次のチェックリストご覧ください。
➀外部環境や社員のせいにしていませんか?
➁働きやすさを創る前に社員にやりがいを求めていませんか?
➂会社にとって都合の良い社員を評価していませんか?
④過保護・過干渉によって思考停止を導いていませんか?
⑤『この業界は仕方ない』で済ませ法令を無視していませんか?
 
 どうでしょう?3つ以上×が付いたら危険水域ですね。
 それでは一つずつ解説していきましょう。
➀外部環境や社員のせいにしていませんか?
 社員に依存してしまっている企業の経営者の中には、未だに『コロナの影響で。』とか『景気が悪いから。』と口にしてしまう方がいらっしゃいます。あげく『うちには良い社員が来ない。』とか『社員が思うように動かない。』となってしまいがちです。
 
➁働きやすさを創る前に社員にやりがいを求めていませんか?
 『うちの社員はやりがいを持っていない』という経営者の方もいらっしゃいます。しかし例えば会社をテナントビルだとして、入居者に対して『入居したいなら誠意を見せろ。』というでしょうか?それと同じで、社員にやりがいを求めるのであれば、まずは会社側が働きやすさを提供する事が先ではないでしょうか?
 
➂会社にとって都合の良い社員を評価していませんか?
 夜遅くまで働いている社員は献身的だ、という時代ではなくなりました。むしろ、いかに短時間で成果を出せるのかを探究する姿勢が求められます。社長が言うことに何の意見もなく従う社員が本当にいい社員なのでしょうか?むしろ、しっかりと目的を共有できることの方が大切なのではないでしょうか?
 
④過保護・過干渉によって思考停止を導いていませんか?
 大家族主義が称賛され、社長が社員の人生を背負うことが美徳とされた時代もありました。しかし、本当にその社長が全社員の人生を背負う事ができるのでしょうか?それが全て悪いとは思いませんが、思考停止を導く囲い込みの仕方には注意が必要です。
 
⑤『この業界は仕方ない』で済ませ法令を無視していませんか?
 仕事柄、色々な業種の方と話をしますが、自立できずに依存体質になっている経営者ほど『この業界だけは仕方ない』と口にします。どんな業界にだってそれぞれの事情というものがありますので、『だから法律を守らなくて良い』とはならないのでしょうか?
 
 いかがでしたか?
 自戒の意味も込めてですが、改めて自立せずに依存した会社になっていないか、確認しておいた方がよさそうですね。

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