見出し画像

「とよぷくまい」のこと

農薬や除草剤、化成肥料を使わず、微生物と合鴨の働きで育てる「かもかもまい」が、この度「とよぷくまい」に名前を改めることになりました。
そこで、「とよぷくまい」とはどういうお米か?ということをご紹介しておきたいと思います。


コトの発端

このお米は、実は、私の2人の子供に食べさせたい理想のお米を模索するプロジェクトから生まれました。

私は、米農家の4代目ですが、農薬を使わないと病気になり、虫の被害にあってしまうお米に疑問がありました。

調べていくと、植物の成長に特に役立つ成分、窒素、リン酸、カリウムのみを含む化成肥料を集中して田んぼに投与するこれまでの農法では、田んぼのミネラルバランスが崩れてしまい、稲が健康に育たず、虫や病気に弱くなってしまう。それらに対処するために農薬を使用する。という悪循環に陥っているのでは?という結論に至りました。

よい土のミネラルバランスは、よい微生物と、よい住環境が生み出しています。

自然界では、植物が枯れて、葉っぱや枝、草などが土に積もって、雨が降って適度な水分になり、ちょうどよく酸素も含むようになると、そういう環境が好きな微生物が、積もった葉っぱなどを餌にして活動し、その副産物として、多様なミネラルや栄養素を土に与えてくれています。

そしてそのような土から育った作物は、健康で病気や虫に強く、しかも美味しく、栄養価も高いと考えられています。

ちなみに、このような、人間にとって良い効果を生む微生物の働きは「発酵」と呼ばれます。

逆に、人間にとって害のある微生物の働きは「腐敗」と呼ばれます。

一方、以前のお米づくりでは、たくさんお米が取れるよう、化成肥料を投与することで稲の成長を促進させ、同時に病気になったり虫に食べられたりしないように農薬を撒いていました。もちろん肥料や農薬の使用方法は厳しく管理され、安全基準を満たした生産方法です。

そのおかげで、安定的に収穫でき、生産コストも抑えられる。お手頃な価格でお米を多くの人に届けることができる理にかなった農法です。

ただ、それは子どもたちに心から食べてほしいと思えるお米か?と考えた時に、本心ではそうではなかったことに気づきました。

人はそれまで食べてきた食事でできている

だからこそ、毎日の食事の6割を占める「ごはん」を
一生のうちに最も多く食べるであろう「ごはん」を
逞しく育ち、美味しくて、栄養豊富なものに変えれば…
子どもたちの人生はより元気で明るくなるのではないか?

そう考えた結果、心から子供たちに食べてほしいと思えるお米づくりにチャレンジしてみようと決意しました。(このお米を仮に「理想のお米」とします)

理想のお米とは?

理想のお米はどんなお米なのか?
健康に育っていて、美味しくて、栄養豊富、もちろん安心で安全なお米
かなり抽象的なので、以下のルールをつくりました

①化成肥料を使用しない (必要としない環境をつくる)

②農薬を使用しない (必要としない環境をつくる)

③除草剤を使用しない

④発酵を助け、腐敗を抑え、良い田んぼと環境をつくる

どの項目も、実際にやると、とてもとても手間がかかることなのですが、
この中でも、特に大変なのが③除草剤をつかわないこと

虫や病気などは、田んぼの環境が良くなると、次第に影響が少なくなっていくので良いのですが、雑草を抑える効果は望めません。
お米を育てている田んぼに雑草がたくさん生えてしまうと、稲に使ってほしい栄養を取られてしまうばかりか、日光も遮られ稲の光合成を邪魔してしまい、最後の稲刈りの時も、刈り取りが非常に難しくなってしまいます。

数ある稲の栽培方法から、4つのルールをうまくクリアできるものを考える中で、田んぼに合鴨を放牧する農法に着目しました。

田んぼに合鴨を放牧する


田植えが終わったばかりの田んぼに、合鴨のひなを放牧します。

そうすると、合鴨は広い田んぼを動き回って水をかき混ぜ、土を巻き上げ、水の底に日光が届かなくなります。稲の苗は水からでていますので日光を独り占めし、雑草は光が届かないので成長しにくくなります。

また、一部の雑草は合鴨たちの餌となり、同時に稲の天敵の虫やジャンボタニシなども食べてくれます。

いわゆる合鴨農法とよばれるこのやり方、実はデメリットもあると感じていました。

発酵を助け、腐敗を抑え、良い田んぼと環境をつくるために

私が感じていたデメリットは、
合鴨が田んぼの中でするフンが水の中では発酵しにくく、逆に腐敗の原因になるかもしれないということでした。

腐敗に傾きやすくならないように考え、試行錯誤の結果、竹を使って腐敗を抑える方法を考案しました。

まず、竹をパウダーにし、山積みにして、一度発酵させます。

竹由来の乳酸菌のおかげで、なにも入れなくてもすぐに発酵が始まり、1日もあれば中の温度は60度くらいまで上昇します。数日かけて温度がおさまるのを待ちます。

このパウダーは、田んぼの中にある合鴨の家に敷き詰めて床にします。

一次発酵が終わった竹パウダー

竹はもともと水に強く、腐敗しにくい素材です。竹に多く含まれる乳酸菌も空気の少ない環境でも発酵を生み出す優れた微生物です。

そして、今度は餌づくり。

1次発酵の終わった竹パウダーに、米ぬかを混ぜ、竹の生えていた山からとってきた腐葉土をひと掴み入れ、適度な水を加えて混ぜ合わせ、山積みにします。

そうすると、今度は山の腐葉土を作った微生物が活発に活動し、60度程度まで中の温度が上昇します。数日かけて温度がおさまるのを待ちます。

発酵中の米ぬか竹パウダー 中の温度は現在58℃ 水分が飛ばないようムシロを被せています

この「発酵米ぬか竹パウダー」と無農薬のくず米などと混ぜて餌を作って、先ほどの竹パウダーの床に撒きます。

そうすると、合鴨たちはその餌や、床の竹パウダーを食べるのですが、これらに含まれる善玉菌やミネラルなどの発酵副産物、竹の繊維質のおかげで合鴨の腸内環境が整えられ、そのフンも稲の養分として活用されやすく、腐敗しにくい状態で排出されていると感じています。

なぜかというと、この改善を加えた今年は、去年との比較で、フンの匂いがかなり少なくなったことや、稲の生育がよくなり、病気が減少したことなどから、そのような効果があると判断しています。

水資源を守り大切に使うこと

ところで、PLAYFARMのある地域は、その昔、水のとても少ない地域でした。一度干ばつになると、お米づくりに多大な影響がありました。
50年以上前に、祖父がまだ現役だった頃、地域のみんなで井戸を掘り、以来、代々、大切に大切に守られ活用してきました。
「かもかもまい」はそのように貴重な地下水と雨水で育っています。
合鴨の餌に加えている竹パウダーや、田んぼにまいている竹炭などは、お米や田んぼにとって非常に有効な資源であると同時に、豊かな水資源を生み出す地域の里山を後世に残していくため、放置竹林の手入れで発生する竹を有効活用することも目的として活用しています。

「かもかもまい」の誕生

このようなやり方で、4つのルールをクリアし、健康に育っていて、美味しくて、栄養豊富、もちろん安心で安全なお米=「理想のお米」づくりを目指していくことにしました。

同時に、このお米を、私と同じように、大切な人の元気を支える「ごはん」をより良いものにしたいとお考えの方にお届けしていきたいと思うようになりました。

そしてこのお米を、田んぼに合鴨を放牧することや、これからも米作りのいろんなことに「〜かも?」と疑問を持って研究、研鑽を重ねていきたいという思いから「かもかもまい」と名付けました。

その後、年々少しづつ、食べていただける方が増えて行き、PLAYFARMもかもかもまいも少しづつ成長してきています。

「かもかもまい」から「とよぷくまい」へ

令和6年、PLAYFARMは新たな一歩を踏み出すことにしました。
それは、PLAYFARMを核として、かもかもまいを育てる田んぼをできるだけ広げて、一つの村をつくること

その村は、いきもの、子ども、たべものが元気に育つ村
村の水路にはホタルが戻ってくる、PLAYFARMだけでなく、村の畦道の至る所で野草を摘み、甘い蜜を出す花を楽しむことができる…まるで「食べれる村」とでも言えるような…
作物は肥料や農薬に頼らなくても、自分の力と風土の力で健やかに育ち、人々を元気にする…
子どもたちはそんな村中を駆け回り、あそびの中で自ら成長していく…

実はそんな風景は、昭和の頃PLAYFARM付近に広がっていました。

むかしむかし、「豊福村」という村がありました。
のどかな農村で、田んぼにはほたるが飛び交い、子どもたちは小川に生きる虫や魚たちと遊び、畦道の野いちごや草花の蜜の味に季節を感じながら成長できる豊かな村でした。ですが、そんな村の風景は、時代の変化とともに失われつつあります。

私たちは、PLAYFARMを起点として、いきもの、こども、たべものが元気になるお米を育てる田んぼを広げていきます。ですので、ぜひ多くのみなさまに食べることで村づくりに関わってほしい。

食べる人が増え、育てる人が増える。両輪が村を広げていきます

微生物をはじめとするたくさんのいきものや、子どもたちの呼吸、息づかい、植物のふくらみなど、「ぷくぷく」であふれる村をつくろう

豊福村にちなみ、新しい村を「とよぷく村」と名付け、その村づくりの原動力となるお米の名前を「とよぷくまい」に改めることにいたしました。
かもかもまい同様、ぜひ可愛がっていただけたら嬉しく思います。

「とよぷくまい」おすすめの食べ方

・お米の美味しさと栄養のはなし

つやつや炊き立ての白米は、甘味があって美味しいものです。

一方で、お米の栄養成分のほとんどは胚芽など「ぬか」の部分に集中しています。玄米が完全栄養食と呼ばれる理由です。

でも、玄米は食べづらい。とお考えの方も多いのではと思います。

そこで、とよぷくまいは、美味しく食べたい白米と、栄養を摂りたい玄米で、品種を分けることを提案しています。

白米は「もりのくまさん」。熊本が誇る食味に優れた品種です。これをさらに美味しく食べるため、精米にもうひと工夫しています。

最低圧力で、ゆっくり約1時間かけ精米します。そうすることで摩擦熱などによる劣化を防ぎ、加えて、胚芽や亜糊粉層と呼ばれる旨味と栄養を含む部分が一部残るよう8分づきでお渡ししています

玄米は「はいごころ」。一般的なお米の3倍の大きさの胚芽を持ち、非常に栄養豊富なお米です。特に、アミノ酸の一種で、リラックス効果や血圧を下げる効果、ストレスを軽減させる効果などがあるとして注目されている成分「GABA」は一般のお米の約3倍含まれています。
しかも非常に食べやすいという特徴を持っています。食味が苦手で玄米食を敬遠されている方には特におすすめのお米です。

明らかに大きな胚芽の「はいごころ」玄米なのにやわらかくてとても食べやすいお米です

とよぷくまいの白米は、おいしさを追求すると同時に、一般的な白米に比べ、栄養価の高い部分をかなり残すよう丁寧に精米していますが、より栄養豊富なごはんを食べたい方には、例えば、白米7に対し、玄米3の割合で炊いても、胚芽の量としては一般の玄米100%のご飯と同等になりますので、美味しさも、栄養も十分なごはんとなるのではないかと考えています。

また、白米と玄米をお好きな割合でブレンドしたりすることで、いろんなバリエーションのごはんが楽しめるようになると考えています。

「とよぷくまい」の炊き方

こちらは白米(8分付き)用の炊き方です
動画はこちらからご覧ください

チラシの名前も変更したら再掲します。

こちらは、発芽玄米の作り方と炊き方です
動画はこちらからご覧ください

どちらも面倒かもしれませんが、このとおりにやるとまず失敗しないと思っています。もしよかったらお試しください!

「とよぷくまい」の種類と価格

一般販売価格1kgあたり

■うるち米 もりのくまさん
      玄米900円
白米(8分づき)950円

■玄米食用米「はいごころ」 1100円

■もち米 アクネモチ
      玄米900円
白米(8分付き)950円

■古代米 黒米 1600円

■合鴨肉 700円/100g 

購入方法

開園日にご来園いただくとご購入いただけます。量が少ないものもあり「うるち米」以外は事前にお問合せいただくとスムーズです。

発送をご希望の方、お問い合わせなど、以下のようにご入力いただいてお問合せフォームや、インスタグラム、フェイスブックの各ダイレクトメッセージでお送りいただくと、こちらから改めてご連絡いたします。

<お米の購入>
お名前
受け取り希望日 又は 発送
お米の種類
白米 又は 玄米
お米の量

田んぼのオーナー制度「コメトルクラブ」について

変更したすぐで、わかりにくいことなどございましたら、ぜひインスタDMや、会員の方は専用LINEチャットでお尋ねください!

■「コメトルクラブ」のこと

かもかもまいの田んぼの共同オーナーになり、自分用のお米をPLAYFARMのメンバーと一緒に育てます。
2つのタイプから選べます

①お米づくりコース

田植えの会の様子です!

・田植えや稲刈りなどお米づくりのすべての作業に参加できます。お子様連れのご家族に人気です。
活動内容などは、最下段のリンク「お米づくりはじめませんか?田んぼのオーナーの会「コメトルクラブ」のこと」からご覧いただけます。

②お届けコース

・日々の田んぼの様子などをSNSやお手紙でお知らせし、収穫後、事前にアンケートでお伺いした指定月に宅配するコースです。送料は実費分の着払いとなります。
・県外の方、遠方の方にはこちらがおすすめです。
お受け取り量は1口で40kgとなっていますが、送料を4回分含んでいます
もしもご来園でお受け取りの時は、送料分のお米を増量してお渡しします
全てご来園受けとりの時は、体験コースと同量になります

③会費など

年会費1口 35,000円(税別) 田んぼ使用料+お米50kg(お届けコース40kg)
           ハーフ 17,500円(税別) 田んぼ使用料+お米25kg(お届けコース20kg)

・どちらかをお選びください。基本的に口数の制限はございません。

2024年の入会お申し込みについて

現在の会員のみなさまには、同等の口数を確保しておりますので、4月中旬に継続のご希望の調査を行う予定です。プランや口数の変更も可能です。

新規のご入会をご希望の方には、5月12日(日)に開催するPLAYFARMマーケットでお申し込みを受け付けます。ご来園いただいた時にもお申し込みいただけます。
他、HPのお問合せフォーム、インスタグラムのダイレクトメッセージなどで、以下ご連絡いただければ、こちらからお手続きのご連絡をさせていただきます。
===メッセージ内容===
2024年コメトルクラブ入会申し込み
ご氏名、ご住所
「体験コース」又は「お届けコース」
口数(又は、ハーフ)
※申し込み用紙をお送りしますのでご返送くださいませ

参考リンク

お米づくりはじめませんか?田んぼのオーナーの会「コメトルクラブ」のこと

とよぷくまい歳時暦 1年のしごとや活動、お祝いなどをまとめたカレンダーです


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?