見出し画像

オリジナル特撮の舞台となる土地の名前を考える『幻想地名事典』

◾️地名の考え方

地名は、その土地の環境や歴史、文化などさまざまな要素で決められます。メンバーの住む地域のまわりにも、そこに伝わる伝承由来、歴史由来、神社由来、地形由来など多様な地名があります。
我々のオリジナル特撮でも、とある山村を舞台とし、伝承を扱ったものとするならば、それなりの地名と由来が必要かなと思います。
伝承を少し研究していたことがあるので前回の進化論よりは明るい分野ではありますが、改めて伝承や神話と地名について学ぶために『幻想地名事典』を参照したいと思います。

◾️いろんな地名

この本は、古今東西の宗教、神話、伝承、創作物に登場する地名が解説されています。たとえば、1万2000年前に大西洋にあったとされるアトランティス、クトゥルフ神話に出てくる狂気の山脈(地名ではないですが)、釈迦が悟りを開いたとされるブッダガヤー、桃太郎の鬼ヶ島なんかも紹介されています。ちなみに、この本自体には地名の由来が網羅されているわけではありません。その土地にまつわるストーリーが主です。また、山、道、池などの名前も地名に含まれていました。
今回は、『幻想地名事典』からオリジナル特撮に出てくる地名の参考にしたい地名をいくつか載せていきたいと思います。オリジナル特撮は日本を舞台にするので日本の地名のみとします。

天之八衝
日本神話における、天と地の狭間にある分岐点。「八」はたくさんという意味で、たくさんの道につながる分岐点ということらしいです。

伊吹山
滋賀県と岐阜県の境にある山。由来からよく分かりませんでしたが、この山に住んでいた鬼である酒呑童子が若い頃に伊吹童子と名乗っていたらしいです。この山には伊吹大明神という神様が坐していたという話もあります。

雄蛇が池
千葉県東金市にある池。大蛇が出たという伝承があります。

熊野
三重県熊野市にあたる地域。日本神話に出てくる地名で、樹木が繁っている様子「くまぐましい」が語源という説があります。

袖ヶ浜
神奈川県平塚市の海岸。日本神話において、暴風雨をおさえるために入水した弟橘比売命の着物の袖が流れ着いたとされています。

戸隠
長野県にある地名。天照大御神が天岩戸に姿を隠した場所です。

船坂
比叡山の山道。山法師が歩いていたら靄がかかり、向こうに船が一隻浮かんでいたという伝承が由来のようです?

この本の性質上、当然ですが伝承上の出来事由来の地名が結構ありますね。また、天之八衝や熊野のようにその場所の特徴由来の地名もありました。地名を決める際は、まずはその土地の環境や出来事を考えた方がリアリティが増しますね。

『幻想地名事典』には、各宗教や神話の世界観解説のコーナーもあったので、より世界観構築の理解が深まりました。

◾️参考文献

山北 篤 監修『幻想地名事典』(新紀元社、2006年)

◾️今後

まだまだインプットを続けていきます。涼しくなったらロケハンに行きたいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?