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第3回演劇無料塾 参加者感想集

内田倭史

演劇無料塾が終わって一週間とちょっとが経った今朝、二度寝から目覚めた僕は、布団の中で、YouTubeのおすすめに出てきた「アンパンマンマーチ」を再生した。なんでおすすめに出てきたのか、わからない。そのうえ、僕がどうしてそれを再生してみたのかは、もっとわからない。
「愛と勇気だけがともだちさ」っていう歌詞、なんか変な歌詞だなあって子供の頃から思っていた。アンパンマンには愛ちゃんと勇気くん意外にも友達いるじゃんって。カバオくんはともだちじゃないのかよって。だけど、演劇無料塾で100時間の稽古を経た僕は、わりと自信を持って言える。愛と勇気だけだ。生きていくには愛と勇気だけで充分だ。むしろ、それ以外のものは、今を生きることの邪魔をしてしまう。
無料塾での稽古は、礼儀とかエゴとか恐怖とか後悔とか忖度とか責任とか、今まで身につけてしまった愛と勇気以外のたくさんのものを、丁寧に身体から剥がしていく時間だった。これが演劇であるならば、僕はこの先もずっと演劇を楽しんでいけるだろうな、と思う。
演劇を教えてくれた忍翔さんと、ずっと見守ってくれたゆうり、一緒に挑戦を重ねたみんなに感謝しています。

こっちゅん

自由・平等・友愛を深めることのできた第3回演劇無料塾。まさにこれは「フランス革命」なのであります。そして私たち全員がナポレオンなのです。
、、、、、、え?////
今回はその中でも“自由”を手に入れることのできた三つの要因を
①挑戦ジェットコースターができる雰囲気作り
②エフォートと自分の性質の意外な化学反応
③イマジナリーワークと私
の章に分けてまとめちゃう。


まず円になってボールを落としてはいけないというワークをやった。その時に重要なのが、失敗した時に「こいつのせいだぁ!」と思った人を指さすこと。このワークのおかげで失敗することがネガティブなことではなくなった。自分の失敗を認める人、隣の人のせいにする人、白を切る人。むしろ失敗があった方が物語が生まれる。
この感覚が共通認識のチームで今回の『欲望という名の電車』のシーンワークをやれたから、毎回あそこまで真の意味で“挑戦”することができた。
なんか何かに挑戦する時っていつもジェットコースター乗る前みたいですよねー。別に乗らないという選択もできるけどわざわざ怖い思いしに行く。それはジェットコースターにセーフティーバーがあるから。今回の稽古場にはいつもセーフティーバーがありましたね。恵まれてます。


自分に合うワークを見つけることって大事だよねっていうそれ。
私はイエベ秋だからイエベ秋系の服・化粧を身につける選択肢を取れるが、知らなかったらその選択肢はないので、自分のことを知る努力は辞めちゃいかんよな。また意外な服にチャレンジしてみることも大事よな。そしてセンスが良い人に似合うか聞くのも大事よな。


『葬送のフリーレン』という作品で「魔法はイメージの世界。イメージできないものは実現できない。」という言葉が出てきます。だとするとイメージできれば大抵の魔法は使えるんですよね。(ちなみに私は演技は魔法だと思ってます。)
す・な・わ・ち、イメージさえできればどんな演技でも(精度はともかく)できるのです!!!やったぁ!!
無料塾ではイマジナリーマスクというワークをやりました。自分が演じるキャラクター(ブランチ)のマスクを架空で作り出し、それを顔に嵌めてシーンをやるのです。これが革新的に合いました。“演じる”ってこういうこともあるんだ、という世紀の大発見でした。
想像力はそれを信じている限り全てを可能にします。

みんなありがとう。爆裂触発された。もう離さないよ。

終わり。

鈴木美緒

終わってちょうど1週間たった頃にこれを書いているわけですが、もう1ヶ月は前のことのような気がします。濃すぎる時間がふっとなくなるとそんな気になるんですかね。
2ヶ月100時間で、パンッパンに詰められたギフトボックスをもらった気分です。たくさんのワークを体験して、たくさん壁にぶつかって、演劇きついよう(◞‸◟)と思う瞬間もあって、そういうことも全部ひっくるめてものすごい時間を過ごしました。そして自分の素敵なところも、厄介なところもたくさん見つけました。素敵なところはより素敵に、厄介なところは時間をかけて焦らずに向き合っていきたいと思います。
そしてなにより素晴らしいメンバーとの出会いがありました。私はメンバー内では年長者でしたが、みんなから学ぶことばかりでもう本当に…忍翔さん出会わせてくれて心からありがとう!!!の気持ちです。心から大好きで、とても尊敬していて、私もあんなふうにお芝居できたらいいなと思ったりもします。
さて、無料塾は完走しましたが、私たちの演劇人生はまだまだ続きます。というかこれからです。改めて走り出した私たちは各々どこに向かっていくのか、とってもとっても楽しみです。
演劇無料塾という取り組みがこれからも続きますように!無料塾3期生でいられて心から幸せです!!

しかしまぁ『欲望という名の電車』のブランチは大変でした。10年後くらいにまた出会いたいです。次はステラがやりたい…!!!

三島木優人

今回僕が無料塾に応募した理由は、「もっと演技について知りたい!すごい俳優になりたい!」という欲求と、演技をする時の恐れから解き放たれたいと思ったからです。
僕は今までキャラクターへのアプローチの方法を知らず、かなり苦しんでいました。
自分でプランを考えてしまったり、自分で自分をコントロールをすることが常でした。
無料塾ではお芝居中に、自分の頭の中に入ってしまって、イマココにいない状態を「セルフ1」という言葉で共有していたのですが、セルフ1に今までは支配されしまっていたのだと思います。
無料塾では、脚本分析からラバンエフォート、マスク、イマジナリーマスク、イマジナリーボディー、野口体操、クラウン、マイズナーテクニック、音のクオリアなどを通して、キャラクターを毎回発見しながら作っていきました。
僕にとってキャラクターにアプローチする方法がこんなにも多くあることが驚きであり、僕の演技の可能性を無限大に広げてくれたと思います。
相手から影響を受けたり、体から影響を受けたり、言葉から影響を受けたり、空間・場所から影響を受けたり、お芝居ってこんなにも多く影響を受けられるんだと感動を覚えました。
自分をいい意味で手放すことによって、色々なモノから影響を受けれて、アンコントロールな状態になれる。
アンコントロールな状態の方が自分自身も冒険をしているようで、楽しいんです。
準備して、手放して、舞台上では色んな影響を受けながらチャレンジして、冒険をしていく、こんなに楽しいことはないんです。
演技をする時の恐れという点では、「よく見られたい」とか「いい評価を得たい」とかそういう物が付き纏っていたんです。
しかしクラウンでのワークや他のワークをしていて、「自分で自分をジャッジしない」こと、ありのままを見る事や、稽古場の「失敗とかなくね!?どんどんチャレンジして発見して、冒険していこうや!」みたいな空気感のおかげで、自分が持つ恐れとの向き合い方を知れたような気がします。
そして指導者の忍翔さんは僕らを勇気づける言葉をかけてくれて、挑戦できる環境を作ってくれました。
メンバーの皆んなも魅力的な人ばかりで、毎稽古で発見があったし、皆んながこんなにチャレンジするんだから、俺もやりたい!って思えるような稽古でした。
こんなに最高の稽古を無料で受けれて幸福でした。
これからもPlay is playの精神で演劇を続けていきたいと思います。
皆んなに最大限の感謝を込めて、ありがとうございました!!!!

齊藤舞夕

とにかく楽しい、楽しい100時間でした。このひと言に尽きます。
かつてこれ程演劇の稽古で笑ったことがあっただろうかと思うくらい沢山遊んで笑った日々でした。メンバー1人1人がとっても素敵でチャレンジャーだったので、「よし、私もやるぞ!」と毎回挑戦しやすかったです。また、そうなるように忍翔さんやゆうりさんが稽古場の空気を作ってくれていました。安定しないでリスクを取る!その方が面白いし楽しい!共通言語がある仲間たちとのやり取りはとても刺激的で楽しいものでした。

「本番はある日突然やってくるもの。稽古の延長線上に本番がある」by忍翔さん

これまで私は、1つの完成形を作り上げてお客さんに見せるのが本番だと思っていました。でも自分の状態は毎日変わるのだから、その時の自分で頑張ればいい。『さて今日はどんな事を試そうか、どんな発見があるんだろう』と、完成していないことにワクワクする、そんな気持ちでシーン稽古や発表会に臨めたのが、私の中では1番の変化です。この無料塾で得たものです。

忍翔さんは決して俳優にNOと言わず、「あれやってみたら?これもあるね」とあくまで方法を提示するだけでした。演じ方
には人によって色々な解があって、方法があります。今回の無料塾ではその入り口を沢山見せてもらったので、これからの俳優人生の中で自分から色々なチョイスをして、もっと自由に演技ができるようになっていきたいです。

となつ

この100時間、いろんなトライをして、そして見てきました。私の中で一番印象に残ったワークは“マスク”です。ハーフマスクをかぶった時、色んなものに興味を惹かれる感覚がありました。みんなのマスクも子どもが遊んでいるように自由で、興味深かったです。
また、「あなたはそれで充分である」「そのままで愛される」という考えを教えてもらいました。まだまだ私には自分が気づいていない魅力があるのかな、とそんなことを前向きに考えられるようになりました。
今回は『欲望という名の電車』を抜粋してシーンを作っていきました。作る、というより「今日の魚は今日の魚、明日には腐ってる」という風に、毎回別のトライや感情に動かされるのが本当に楽しかったです。固定の演出なしでその場にいるパートナーとシーンを作る。これ、これ!私がやってみたかったのは。毎回みんなのフィードバックを聞くのが楽しみでした。あそこで、こう思ったんだ。この時に自我が出てしまっていたんだ。とか。大きくうなずいてしまう話や、なるほどと感心してしまうことばかりで、みんなの話を聞いているだけでも大きな価値がありました。
私にとっては、「自分が何にトライできたか」はとても大切で、軽率にトライができる環境が本当に嬉しかったですが、なによりもこのメンバーがいたことに意味があるように思います。みんな、熱量がすごいんです。語彙力?解釈?咀嚼?も本当に上手で、吸収したいものばかりでした。だから私もやってみようと思って、やらなきゃと思いました。だから、ありがとうの気持ちでいっぱいです。

結稀キナ

本当にあっという間の100時間。演技に必要な力を付けると同時に自分を見つめ直し育てた時間でした。
どこよりも安全で、独創的で、安心してリスクを選択しチャレンジ出来る場で、ここには失敗や、間違いという概念すらない。
自己の否定からスタートしてしまう私にとっては、こんなに否定されず全てを受け入れられることが全く新鮮すぎて動揺すらしましたが、
ここで自由に芝居をする(=Playする)ということの輪郭に触れられたことはとても大きな体験だったと思います。
もっともっと芝居が大好きになって、もっともっと芝居がしたくなる100時間でした!ありがとうございました!!

赤城奈佑

こんなにも自由に楽しく色々なことを試せる場所で100時間も学べたことは、間違いなくこの先の俳優人生にとってかけがえのない財産になりました。いや、俳優人生だけじゃなく、私個人の人生にとってもすごく大きなものだったと思います。
時間をかけて色々なワークを重ねていくことで、ワーク単体では気づけなかったことや、他の人のワークやフィードバックから新しいことに気がつけて、それを積み重ねた先でシーンを作れたのが今までと違う感覚でのお芝居に繋がってすごく面白かったです。

都度都度で自分と向き合う場面を設けてくれて、それに対してわだかまりをスっと解いてくれる忍翔さんのフィードバックと、真摯に受け止めてくれる環境のおかげで、焦らず嘘なく体験することが出来ました。
そのおかげで、他のWSとかで「やったけどよく分かんなかったな」で埃を被っていたものも、「これのことを言っていたのか!」と繋がる瞬間が沢山ありました。

その中で今までは「演劇」という枠組みを勝手に自分で作って、これは使えるもの、これは無いもの、と無意識に仕分けていたことに気づきました。舞台上に捨てなきゃいけないものなんて何も無いんだなと気付いたことが今回一番の発見でした!
特に最初の方にレペテーションとクラウンをやって、自分の中の「怖い」や「不安」などのネガティブな感情が面白がれるものなんだと知れたことがすごく大きかったです。
普段の自分の考え方が変わると舞台の立ち方が変わるし、またその逆もしかりで、善し悪しのジャッジをせずにありのままを楽しむ、リスクを楽しめるようになったことで、ワクワクできるポイントがめっちゃ増えました!舞台上もそうだし、普段も思い切って色んなことをやってみようと思えるようになりました。
やっぱり演劇はやってて良かったって思えるものにしたいです、これからも。

それだけでなく、貪欲で愛溢れる個性豊かで素敵なメンバーに囲まれていたことがとても幸せだったなと思います。演劇についてもそれ以外についても色んな話をすることで、自分の世界がグッと広がりました。終わって寂しい、よりも、この先に待ち構える演劇人生がまだまだ未知に溢れていてワクワクする!楽しみ!って気持ちの方が強いです!

米澤剛志

演劇無料塾は壮大な遊び場だったと思います。
今までは「遊ぶ」という考えた方自体に抵抗があったような気がするけど、今はそれってとても面白いことだと感じられるようになった。毎回毎回シーンの中でメンバーがトライをするたび見たことがないものが見れる。台本に書かれたセリフ・ト書き通りにやってて、でもテキストからは想像もしないようなものができる。もしかしたら戯曲の意図から外れたりしていることもあるのかもしれない。だけど、面白い舞台を見た後に戯曲を後日手に入れて読んでみると、この普通に見えるテキストからあの刺激的な舞台が!と何度も思ったことがある。だから絶対いいんだと思う。どこかでつながっていると思う。
それに何より稽古場の空気がよかった。とてもポジティブで、今まで一番楽しい稽古場だった。忍翔さんの佇まいがそうさせてくれたことがあると思う。どの稽古場でもどのワークショップでも演出家や指導者の顔色をどうしても伺ってしまう僕が、いい意味で自分勝手にその場にいることができた。もちろん公演のための稽古ではなかったし、その分プレッシャーは少なかった。だからいざ現場に出れば今回のようにいつもポジティブにはいかないと思う。でも今回の経験は忘れたくない。真面目になることは当然あっていいんだと思うけれど、自分は真面目になりすぎていて、そのせいで表現が制限されてしまっていた。真面目であることと、遊ぶことをいつでも行き来できるようにしたい。時には不真面目に、こいつふざけてんのか、ってくらいにしたい。
最後の発表会ではちょっと真面目になりすぎた。自分にできることの範囲を自分で狭めていたかなと思う。最後の最後にうまくやろうとした。でも他のメンバーは違った。相手役も、袖から見た別のシーンのペアも、その日の状態から新鮮にシーンをやっていて面白かった。正直ものすごく悔しいけど、みんながいてくれてよかった。本当に刺激になっている。まだまだ頑張ろうと思う。真面目になりすぎずに。
支援者の皆様、本当にありがとうございました。さまざま実用的なテクニックをたくさん学びました。演技に対する心構えも変わりました。演劇を今までよりも面白がれるようになったはずなので、さまざまな現場で今回の学びを生かしていきたいです。それに、忍翔さん・ゆうりさん・無料塾生と一緒に過ごした100時間は密度がとても濃く、今後の演劇人生の心の支えにもなってくれると思います。そんな時間を過ごせました。
この企画がこの先も続いて、たくさんの若い演劇人が素敵な経験を積んで活躍していってほしいです。演技指導の忍翔さん、企画のゆうりさん、ありがとうございました。第4回が今年秋に計画中ということで、資金が集まって開催できることを願ってます。そして今後もずっと続いていってほしいです。

ケイナ

私の100時間‥

元々、「こうせねば。」「こうあるべき!!」という考え方が強い傾向にあり、どうしても完璧主義になりがちでした。
それは良い影響を与えることもありますが、逆に自分を追い込んだり、他人に対しても厳しい目を向けることにもなり得るため、『本当はもっと愉快な人間なんだけどなあ‥』と心の奥では感じていたりもしました。

そんな中、今回のプログラムに参加させて頂き私の考えは形を変えることとなります。

「そのままでいい。」「今の状態のまま、行け。」という言葉は、これまで学ぶ中で耳にしたり、知識としては認識をしていましたが、身をもって実感ができたのは今回の無料塾のおかげです。

このことは私の日常生活にも影響を与え、『確信はないけれど、多分、大丈夫。』といった、この気持ちがどこから来るのかは分からないけれど、これまでより格段に安心してその場に存在することが出来る、、
なんとも心地良く、貴重な体感を頂戴しました。

また、無料塾では幸いなことに仲間にも恵まれており、年齢・経験・価値観ももちろん違う12名(受講生は10名) でしたが、毎回発見と驚きと感謝が芽生える‥
そんな素晴らしい現場に立ちあわせて頂けたことを非常に誇りに思いますし、あの時応募を決めオーディションに向かった自分を褒めてあげたいと常々思います。

忍翔さんが1•2回目を開催し、今回は悠莉さんが主催をする。
そんなふうにして紡がれてきた大切なものの一部として頂けたことに、心からの感謝と愛を捧げさせて下さい。

本当にありがとうございました! ❁

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