第4クール終了しました!【1/18ABE研究会レポート】
こんにちは。研究所スタッフのくじらです。
1/18(土)、ABE(Arts Based Education)研究会第4クールの第5回を開催しました。アートを使った教育について考え、実践につなげるための研究会です。
9月にスタートした第4クールですが、今回が最終回。この5ヶ月の収穫、また次クールへの課題を総ざらいするような回になりました。
第4クールのあゆみ
最終回のレポートの前に、まずはかんたんにABE研究会第4クールで起こってきたことをふりかえるところからはじめましょう。
今クールの通しテーマは「ABEの効果測定」。
わたしたちが行っている「アートを使った教育」は、とても数値化しづらい効果のあらわれ方をします。どうすればそれを誰にでもわかりやすい形で可視化することができるんだろう? というところが、第4クールのわたしたちのスタート地点でした。
そこから、仮にアンケート形式の「ABE評価シート」を作成。
これを、
ワークショップの実演→アンケート記入→ディスカッション
というプロセスを繰り返し、そこでの経験に基づいてバージョンアップしていくことで、評価について考えてみることにしました。
↑ABE評価シート(バージョン4)
ところが、何度か評価シートを作り変えたところで、
「内容を詰めこみすぎじゃないか?」
「そもそも誰のための評価シートなんだっけ?」
「数値にする必要はあるのか?」
「アンケート形式以外の形式の可能性もあるんじゃないか?」
などの批評が参加者・スタッフ双方から出てくるようになりました。
そこを考えていくうちに、研究会の流れは自然と、
「わたしたちはABEをどういう人たちと実践したいんだろう?」
「ABEはどういう課題の役に立てるんだろう?」
というより根幹に近い問いにふれていくことに。そして、さまざまなバックグラウンドを持った参加者、また講師・スタッフもふくめ、どうやらひとりひとりその答えは異なっているような……
ふたたび原点をさぐる(アートを使ったワーク)
……と、いうところで迎えた最終回。評価シートは未完成のまま、最終回のタイトルだった「学習モデルと評価指標の体系化」なんてまたさらに先です。
最終回は羽地朝和がワークを担当しました。当研究所の所長にして、プレイバック・シアターのコンダクター、また企業研修の講師でもあります。
(写真左)
実は、羽地さんはこのクールの第2回「原型のものがたり」でも講師を担当しています。
↑(第2回レポート)
今回も「原型のものがたり」の回と同じく、
・「クセ」を演じる/見る
・好きな絵本(ものがたり)について話す、表現する
というワークを行いました。小さいころから好きなものがたりには、どこかその人が大事にしているものや、その人らしさのようなものが見え隠れすることも。
↑「くせ」を演じ、印象を言ってもらうワーク
そこから羽地さんが専門とするプレイバック・シアターを行ったあと、お昼やすみを挟んで、ふりかえりに移ります。
↑「プレイバック・シアター」で即興で上演される語り手の思い出
ふりかえり:「俯瞰」を考える
第4クールではこれまで、ワークのあとに前述の評価シートを使ってふりかえりをしていましたが、今回はディスカッションでのふりかえりを行いました。
ふりかえりのテーマは「俯瞰」。評価シートで使っていた「ABE指標(アートを使った教育独自の評価項目)」のうちのひとつをピックアップしたテーマです。
↑講師の岩橋由莉さんが進行をつとめました
午前中のワークの中で「ものごとをいつもとは違った角度で俯瞰して眺める」ことができたと思うところについて話しあい、意見を交わしました。
とはいえ当然、ひとことに「俯瞰」といってもひとによってことばの使いかたは異なります。そこで今回は話しあいのあと、それぞれが思う「俯瞰」をポーズで表現し、ことばと身体それぞれで「俯瞰」について考える時間となりました。
ふりかえり2:アートを使った教育の効果
最後に、もう一度講師をバトンタッチ。オーハシヨースケさんによる今日全体、そして第4クール全体のふりかえりです。
「ABEの評価指標」をテーマに進めてきた5回の研究会で、わたしたちはなにを得られたのだろう?
これからABEはどういう人の役に立てるのだろう?
二人組になって考えを話しあい、それぞれで発表しました。
2017年に発足し、第4クールを終えたABE研究会。第4クールはこれまで以上に課題が見つかったり、あらたな視点がひらけたりするクールとなりました。第5クールの開催も予定していますので、ご興味のある方はぜひ続報をお待ちください!
(くじら)
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