テンプレート機能知ってるよ(スタッフ日誌)

出勤し、植物に水をやる。研究所にはリュウビンタイという大きな熱帯植物が住んでいて、こいつがいちばんたくさん水をのむ。水をしばらくあげそこねると枝が下に垂れてくるので調子がわかりやすくてよい。

わたしの出勤が増えてからはこまめに水をあげられている(所長の羽地さんと社員の高橋さんは外で研修講師の仕事をしていることが多いのだ)ので、このところずっと元気そうなのをひそかに誇りかに思っていたものだったが、ここ三日くらい葉っぱが乾いている感じがする。

気がかりだ。

油断したころにタイムカードを押しわすれる。


ひとりで出勤しているのでぜんぶの電話をとる。電話をとると開口一番「はい、プレイバック・シアター研究所です」と決まった文句をいうことになるのだが、相手がファックスだと「はい、プレ…………」という。「ファックスのときは『はい、プレ…………』という」というルールがあるわけではないのに、ほぼ必ずいうのだ。


きのうからもうずっと同じ記事を書いている。きのうは年賀状の作業があったのでまだいいが、年賀状を入稿してしまって記事だけが残ったので、延々ひとつの記事を書くことになる。

これがけっこう根を詰めることになりしんどいので、こまごまとした業務(メールの確認、食器の片づけ、シュレッダー、会計事務所とのやりとり、食事、回覧板のチェック)をわざとひとつずつ間をあけて消化し、気分転換をしている。

きのうテンプレート機能を使って入稿した印刷会社から、「テンプレート機能をご存知ですか?」というのんびりした宣伝メールが来ている。

しかも入稿確認のメールは来ていない。


記事はぶじ書きあがった。研究会のレポートなので当日つかった図を引用したが、その図はわたしが書いたもので、わたしはまっすぐな線をひけない。しかしこれしかないので、もうしわけなさで目を細めながら引用する。


こんなふうになにもかもぜんぶ日誌に書けるのはすごくすごくラクだ。水をやっている途中、記事を書いている途中、FAXを受信している途中に、こういうことはぜんぶ自然に浮かんできていて、ときにそっちに気をひっぱられてしまう。しかし、日誌を書くことが決まっていれば、とりあえずメモを残せば満足してもとの作業に戻ることができる。

隠しごとをしなくていいのもラク。思っていることを思っていないことのようにしなくていいのがうれしい、外に見せる顔と、中に見せる顔を、使い分けなくてすむのがうれしい。(この前は仲立ち系(?)の職種だったからいろんなところでいろんなことをいわなければならなかった)

ごらんのとおり、「プレ…………」とか、まっすぐな線とか、たいしたことは言っていないんだけど、たいしたことじゃないことまでぜんぶ書ける、というのは、「たいしたことかどうか」という評価基準をいったんは自分の中に搭載しなくていい、ということで、いろいろ言ったけれども、それがいちばんラクで、うれしい。

といっても、いつまでもそうしていたいわけじゃなくって、いずれはじぶんで「たいしたことかどうか」を決めることもしたいんだけど、それは、急がずに、ひとりでやりたいのだ。


この話、きょう書いた記事(後日公開)と、つうじるところがある!


(くじら)

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