思いがけない述語(スタッフ日誌)

出勤して、植物に水をやる、外は雨だが、植木鉢の土は乾いている。石油ストーブはいいにおいがするし、湿気をよく奪う。


講師紹介ページを作成するためのゆりさん(表現教育家、研究所でも講師をしている)へのヒアリングを終え、あらためてあれこれ考える。ファシリテーターをどう紹介するか。できるワークショップやセミナーのタイトルを羅列したり、経歴をこと細かに書くのだけでは、やはり足りない気がする。

かたち上はゆりさんにヒアリングをしているあいだも、じぶんのほうが考えを整理させてもらっている。「できること、のかわりに、なにか別のことを書きたいんですよね……」といいながら、そうか、そうかもしれない、と思ったりする。

「でもいちおうゆりさんができることを聞いてもいいですか?」

そう投げかけると、ゆりさんは一語一語を含みながら答える。

「グループで……起こる……場の成りゆきを……」

「成りゆきを……」

「……みまもる」

「みまもる!」

思いがけない述語に着地したのでわたしが笑っていると、ゆりさんは「なんか居心地わるくなってきたな……自分ができることはちっぽけだなあと思ったら元気がなくなってきた……」といってみかんを剝いて食べていた。

あれ? 「できること」、わるくないかもしれない。

「できること/したいこと」という項目を加えて個別紹介ページを作りなおし、一覧ページを加え、エンジニアさんにメールを送る。


あとはもうひたすら年賀状をつくっている。週末にあった研究会の開催レポートも書きたいけれど年賀状のほうが急務だ。

羽地さん(所長)が沖縄で伊江島の黒糖を買ってきてくれて、「コーヒーに入れてもおいしいよ」と言いのこしたままコーヒーを残して打ちあわせにでかけたので、ひとりになってから試す。冷めたコーヒーに牛乳をいれて、黒糖をひとつかふたつぼたっと落としてレンジにかけると、これがめろめろにおいしい。


ひとつの作業にかける時間が長いと日誌が短くなる。

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