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数字を把握するー『こどもの数』

ナンバーさんによる写真ACからの写真 )

 不定期で子どもの遊びや育ちに関係する数字を調べるシリーズ。
 本日5月5日のこどもの日に因んで、今回は「こどもの数」を取り上げます。
 毎年、こどもの日に合わせて総務省が公表している(5月4日に出されます)我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで- (「人口推計」から)を当たります。

 児童福祉法では児童は18歳未満で、その他の法令でも18歳未満としているものが多いですが、この統計ではこどもは15歳未満として集計されているので、注意してください。
(このnoteでは通常は「子ども」と表記していますが、今回は引用元が「こども」と表記しているので、これ以降「こども」で統一します。)

さて、では数を見てみましょう。

 2020年4月1日現在におけるこどもの数(15歳未満人口。以下同じ。)は、前年に比べ20万人少ない1512万人で、1982年から39年連続の減少となり、過去最少となりました。
 男女別では、男子が774万人、女子が738万人となっており、男子が女子より36万人多く、女子100人に対する男子の数(人口性比)は105.0となっています。

 15歳未満のこどもの数は1,512万人で、39年連続で減少を続けていて、今年も過去最少とのことです。

 次に、総人口に占めるこどもの割合も出されていますが、全世代の12.0%とのことです。こちらは「1975年から46年連続して低下」しているそうです。

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出典:我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで- (「人口推計」から)

 相当ドラスティックな対策を打たない限りは、この先も少子化の波は止まりそうにありません。今後もこどもの割合はどんどん少なくなっていきます。このことは、こどもにとっても非常に重要な問題です。

 一つは、引き続きこども向けの政策よりも高齢者向けの政策の方が優先される可能性が高いことが挙げられます。
 2015年時点の情報ですが、日本では政府の高齢者向けの支出と子育て支援を中心にした家庭向けの支出の比率は、約10対1と言われています。
参考:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO88821610S5A700C1EE8000/
 こどもの成育環境にかけられる予算が低いということは、それだけこどもの育ちに影響を与えます。

 そしてもう一つは、実際にこどもの周りに大人が増えるということです。
日本初の有償(職業)プレーリーダーである天野秀昭氏が「少子化は大人側から見た言葉で、こどもからすれば多大化だ」とおっしゃっています。
 一人ひとりの子どもを見ている大人が増えるということは、その大人たちがどういう眼差しでこどもを見るかによって、地域でのこどもの成育環境は大分変わってきます。
 監視するような目なのか、それとも温かく見守る目なのか。現状前者に傾いてしまっているように思うのは、私だけでしょうか。

 コロナ禍での「こどもの日」だからこそ、一人ひとりの大人がこどもの育つ環境に思いを馳せてくださっていたことを願います。

蛇足)
 願っているのですが、今日、横浜市金沢区の公園内の砂場にカッターの替え刃数十本が散乱しているのを発見したというニュースが流れました。いくらコロナ禍の影響があったとしても、とても悲しいニュースです。

 こどもたちは未来そのものです。こんな状況をなんとかしていきたいです。

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