【一首一句 その六】苦しい胸の内
【本日の一首】
風をいたみ岩打つ波のおのれのみ砕けてものを思ふころかな(詞花集、恋上、210)
(鑑賞)
源重之の歌で、百人一首にも48番で入ってますね。
『ちはやふる』にも登場人物太一との重要なシーンで出てきていました。
狂おしく激しい恋情が主題だと便覧には載っていますが、僕はどっちかというと「狂おしい」というよりは、激しい波に削り取られていく身を焦がすような苦しさのようなものを感じます。
和歌の良い所は、自然を見て自然に自分の心を重ね合わせるところですね。
変に抽象的じゃないところがいいんだろうと思います。
【本日の一句】
流氷や岩打つ波に砕かれて
本日の一首とそのままなんですが、流氷を砕くほど強い岸辺の波、ということで書いてみました。おそまつ。
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