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配信パフォーマンス「山と音」への出演

2021/06/17(Thur.)

 大学の配信実習の撮影対象としてパフォーマンス出演しました。パフォーマンスは「山と音」という名前で期間限定ではありますが一般に向けて公開されています。今日のパフォーマンスではゴールデンウィークにMaker Faire Kyotoのオンラインイベントで発表した耳型マイク装置「ハッピーニューイヤー(母命名)」を使ったパフォーマンス「帰省されるイヤー」の展開形として実施しました。

▲帰省されるイヤー(49分ごろより)

 ハッピーニューイヤーは右耳と左耳のセットで演奏することを想定しており、僕だけでは演奏できない(しない)のでもう1人パフォーマーが必要です。そこで今回はハッピーニューイヤーの制作でもご協力いただいた水口翔太さんにパフォーマーとして参加していただきました。帰省されるイヤーでは実家の親と一緒に演奏するコンセプトで緊急事態宣言下であることや通信機器のセッティングなど、コロナ禍の社会背景を意識した構成になっていました。今回のパフォーマンスは学生たちの配信・撮影実習という性格があるため、コンセプチャルなパフォーマンスというより、音響や視覚などの現場体験に重きを置いたものにしたいと考えました。そこで普段学生たちが利用している工房のリアルな音響をハッピーニューイヤーで集音して撮影会場へ中継する内容を考えました。中継の映像の中で、さらに撮影現場と工房が中継されるような入れ子構造になります。
 工房でのパフォーマンス内容について水口さんと打ち合わせしている中で、工房を中継する必然性や面白さを導けるアイデア出しに苦戦したのですが「耳をレーザーカッターで彫刻した時の音を配信する」というアイデアが出てブレイクスルーになりました。作家の使命のひとつに「誰も体験したことのない(できない)ものを体験させること」があると僕は考えますが、音を扱う作家も「誰も聞いたことのない音」への欲望を原動力に活動していると言えます。レーザーの音を聴くことはまさに人間の新しい音への欲望を叶えるものであり、そのために大学の工房は適した場所であると言えるでしょう。

20210617_耳の模型

▲耳型のマイク

20210617_レーザーカッターと耳

▲レーザーカッター にセットした様子

 前回のパフォーマンスでは機材設置の準備時間が十分に確保されていたので、耳から入力される音を右耳なら右へ、左耳なら左へと音を左右に振ることができましたが、今回のパフォーマンスでは搬入から配信までの時間が限られていたので、音の定位調整は優先順位を下げました。またパフォーマンス場所も当日になって屋上に変更になるなどの調整もありましたが、配信時間までに無事に機材をセッティングできました。
 コロナ禍になって感染リスクを抑えられる野外でのパフォーマンスに注目してきましたが、やっと本格的な野外配信が実施できました。場所が屋上であることが事前にわかっていればもう少し工夫できたこともあったでしょうが、これはあくまで即興的な配信パフォーマンスなのでこれで良いと思います。

20210617_屋上にて

20210617_夕焼け

▲パフォーマンスの一部

 この文章を書いていて「即興配信」や「配信のアドリブ」というような単語が思い浮かびました。もちろん多くの配信パフォーマンスは準備されたものなのですが、もっとラフな、若い子たちがスマートフォンを使ってSNSに手軽に配信する様に自分のアートワークも発信できたら良いなぁ。どんな表現になるでしょうね。

▲P-Lab LIVE「山と音」

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