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展覧会「SOUNDやろうぜ」クロージングライブ

2019/08/31(Sat.)

今日は展覧会「SOUNDやろうぜ」の最終日です。今回の展示では準備がうまく進まず苦労しましたが、最終日を迎えることができて感慨深いです。
京都精華大学に就職してから毎年ギャラリーフロールでの展示を行ってきました。1年目の「Heterogeneous」、2年目の「No-interaction」、そして3年目の「SOUNDやろうぜ」です。3年目ともなるとギャラリーの使い方も慣れてきた一方で、今回は「美術の展覧会ではない」という態度で、ワークショップのアーカイヴ資料の展示や挑発的な展示を行いました。そして、それらの最終段階として今日のライブイベントを開催しました。

最初の「RAKASU PROJECT.」によるミン楽器パフォーマンスでは、展示作品の「湯呑ミン」を筆頭に日本ミン形やタワシ?など、代表的なミン楽器をたくさん使ったパフォーマンスでした。しかも、ただ順番にミン楽器を披露するような演奏ではなく、ミン楽器を効果的に使いながら本格的な電子音響のライブを展開されました。またライブの前半には観客がミン楽器に触れるチャンスもありました。

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▲観客がtel”BOOK”minを体験している様子

次の「94+おおしまたくろう」では、ギャラリー空間を大きく使ったパフォーマンスを行いました。最近ではライブにおける「今ココ」でないと体験できない表現に対して異を唱えることを目指しており、今回のパフォーマンスでもワイヤレスマイクを使って現場に入る前の打ち合わせの内容を観客に聞かせてからパフォーマンスしました。観客にはこれから何が行われるかという期待を抱かせるのではなく、何が行われるか把握した上で予定からズレていく様子を提示しました。

Yüiho Umeokaのパフォーマンスでは、展示作品「Tuning of Sonic Seasoning」のパフォーマンスバージョンを公開してくれました。2人のパフォーマーが堅あげポテトを全て食べきるまでの咀嚼音をマイクで集音し、プログラミングでリアルタイムの変調操作を行います。パフォーマーが30分という短い時間にポテトチップスを食べきる姿が本当に辛そうでした。バックで流れていた映像にはポテトチップスがスローモーションで落下する様子が表示されていました。パフォーマンス後はしばらくポテトチップスを見たくなくなりました笑

最後は出展者でIAMAS学生のカズヒデとポピュラーカルチャー学部の学生の寺井まひろによるコラボパフォーマンスです。無理を承知で展覧会直前に2人にパフォーマンスをお願いしたのですが、今日まで綿密に打ち合わせを重ねてパフォーマンスを実施してくださいました。パフォーマンスは2部構成で、カズヒデが映像出力と寺井まひろが即興演奏を行いました。最初はテニスのラケットにギター弦を張った自作楽器を使ったもので、ボールを打った際の振動がアンプで増幅されて発音します。途中で本物のギターをテニスのラケットのように扱ってボールを打ち返すなど、テニスとギターのモチーフが交互に行き来するパフォーマンスで、映像にはTennis Guitar、Tennis Guitar Tennisなどの文字とモーショングラフィックがパフォーマンスの内容に合わせて表示されました。パフォーマンス後半では、寺井による身近な道具を組み合わせた音響装置のパフォーマンスを会場のカメラで撮影して、部分的にビデオループさせるパフォーマンスでした。現場の様子をリアルタイムに切り抜いてマッピングして生み出された映像は、パフォーマーが分身したようで奇妙な体験でした。

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▲カズヒデ+寺井まひろのパフォーマンス

8日間にわたる展覧会「SOUNDやろうぜ」が終わりました。準備は大変でしたがワークショップの活動アーカイヴが並んだ様子や、展覧会趣旨に賛同してくださった出展者の皆さんの展示作品やパフォーマンスを観れて、私が一番展覧会を楽しんでいることに気づきました。特に最後のパフォーマンスイベントでは学生たちの成長が感じられて感無量でした。喉元過ぎると熱さを忘れるもので、是非とも「SOUNDやろうぜ2」の開催を計画してしまうのでした。

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