見出し画像

展覧会「そういう問題じゃない」4日目

2019/06/23(Sun.)

昨日はportという此花にあるアトリエ兼住居に宿泊しており、今日は朝からリハーサルを実施できました。昨日の夜は軽い打ち上げを開催したのですが、いつの間にか真剣な反省会に変わり、いろんなアイデアが出されました。その中でマッチョにならないことと、役をシャッフルしてリハーサルするアイデアが提案されました。

マッチョにならないとは、余分な贅肉のある無駄な動きの多いパフォーマンスを目指すということです。反省会の中ではもっと強く、もっと高くといったより向上する方向のアイデアも提案されましたが、その方向に進むと一般的にパフォーマンスで正解とされる価値観に安易に落ち着いてしまいます。僕は「魅力的なパフォーマンス」ではなく、「魅力的なコントの2人」を提示する方が重要だと考えていたので、マッチョになるアイデアには慎重な態度をとる意見を述べました。
一方で直前に劇の内容を大きく変えて、ライブ感を演出する案も出されましたが、それではラッキーパンチに頼ってしまっています。ラッキーパンチの破壊力は素晴らしいものですが、ラッキーパンチを待つのでなくラッキーパンチを狙って出す方が素晴らしい気がします。反省会は悩みましたが、結果的にリハーサルや準備の段階ではしっかりとした練習を重なるマッチョな態度と、最後に人前で表現するときに非マッチョな態度を両立する方針になりました。

また役柄をシャッフルしてリハーサルすることは、演劇で用いられる手法のようで、自分の役を別の人が演じることで新しい役の解釈を理解したり、別の役から見た自分の担当する役の振る舞い方が客観的に見ることができます。実際に役をシャッフルすると相手が上手に演じている箇所や自分だからこそできる演技が見えてきました。例えば、ブラウン管に向かってセリフを述べるシーンでは持木さんの顔の近づけ方が僕よりも上手だったり、姫田さんが最後の挨拶を述べることでコント2人が主催する軽演劇であることが強調されました。

トークイベントでは、此花在住のアーティストでFIGYAのオーナーのmizutamaさん、portの管理人の米子匡司さん、それからタカハシ”タカカーン”セイジさんが参加してくださいました。はじめに僕とコントがそれぞれの個人活動をプレゼンして、3人からの質問になりました。トークの中で印象的だったのは、コントのコンセプトを動かす持木さんが存命のアーティスト(オシリペンペンズ、銀杏BOYSなど)から影響を受けている点です。僕自身は歴史化された人物(アンリ・ベルクソン、アレキサンダー・カルダーなど)からの影響を受けていますが、持木さんは現在進行形で活動しているアーティストを応援する気持ちで影響されるようです。こうした態度の違いが作風の違いにも影響しているのでしょうか。自分のことは近すぎて客観視することが難しいですね。

▲トークイベントの様子

▲Sun

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?