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偏見

私は左手首にミッフィーのタトゥーを入れている。
何年か前クラブイベントに行った時に、タトゥーを彫るところを見せるイベントみたいなのをしていた。そこは大規模なクラブだったのでタトゥーへの偏見とかそういうのをフラットにしたいとかそういう意図もあったのかもしれない。
そこで彫り師をしている男に喫煙所で話しかけられ、私のミッフィーのタトゥーを見てそんな思いつきの一時的なかわいいとかでバカみたいなの彫ってるんだ。どうせ画家の名前一人も知らないだろうとか一方的に言われ、もっと俺のありがたい説教を聞かせてやるけどどすうする?と言われ煙草を吸い終わったので結構ですと言って断ったらなんか怒っていた。
私が手首にミッフィーのタトゥーを入れた理由は小さい頃絵本を見ていて、おおきなかぶとかみどんこ太郎だのなんか一回土の中に落としたのかと思うような汚い絵かアニメみたいな絵しかない絵本の中でミッフィーの絵本を見て、人間が作るビジュアルはこんなに素晴らしいんだと感動した原体験に基づいている。
ミッフィーを描いたディックブルーナはモンドリアンやマティスから影響を受け、グラフィックデザインの様式から絵本を作ったことと、ミッフィーの売り上げを子供の為に募金していることなどから彼に対するリスペクトを込めて画家の代表作としてのミッフィーを彫ったという背景があるのだが、その彫り師は私の見た目からバカなギャルがキャラクターのタトゥーを何も考えずに入れた。としか見えないのだと思った。ものすごい偏見を一方的に他人に押し付けているのだが、彼の中ではバカなキャラクタータトゥーが真実であり、私の中ではそうではない。そして私のタトゥーなのだから私の方が正しいのだがなぜか初対面のその男性の一方的な偏見が正しいと信じて疑わない感じ。私もそんな人に自分のことを知られたくないのでそのことについては話さないが、性別とかの偏見も色々あるんだろうなぁと思った。
そして人生は短いのだからそんな偏見まみれの人と関わっている時間はないのでここにミッフィーを入れて本当に良かったと思う。

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