哀愁のモンロー

雨がしとしと降ってます。晩秋の夜、少し蒸し暑いごとあります。

大統領選につき、昨夜は西部劇を観ました。ジョン・フォード監督『駅馬車』(1939)や、ノーマン・Z・マクロード監督『腰抜け二丁拳銃』(1948)。
カラミティ・ジェーンですね。ツッコミどころ満載のドタバタ喜劇♪ けっこう笑えます。

しかしここでは土曜の夜的に、モンローさん。

ゴールドラッシュで沸くアメリカ北西部。9歳の息子マーク(トミー・レティグ)を探して父マット(ロバート・ミッチャム)が帰ってくる。マークは酒場の女ケイ(マリリン・モンロー)が世話をしていた。マットは手に入れた農場で、息子と新しい生活に入る。
ケイには恋人ハリー(ロリー・カルホーン)があり、彼はギャンブルで金鉱の権利を取ったとやってくる。そしてそれを登記するためケイを連れ、カウンシル・シティへ向かう。
農場近くの急流を、ある日流されている筏があった。乗っていたのはハリーとケイ。ハリーはギャンブルのイカサマがバレる前に登記を済ませるべく急いでいたのだった。マットは「こんな急流を行くのは無理だ」と忠告するも、逆ギレしたハリーはマットに怪我をさせ、馬と食料を奪い、1人カウンシル・シティへ。いっぽうケリーは「子どもと怪我人を置いて行くわけにはいかない」と農場に残る。
しかし先住民に襲われそうになった3人は、やむなく農場を出て川を下る。直後に農場は、先住民に焼き打ちされる。。。

◆帰らざる河

https://youtu.be/QCbECNhSPII

この映画、しみじみ良かったなあ。俺的にはマリリン・モンローのベスト。
オットー・プレミンジャー監督1954年の本作は、そこはかとなく哀愁漂う。そしてモンローって・・・

地下鉄の通風孔から風が。スカート押さえてキャーとか、「ハッピーバースデイ、ミスター・プレジデント」等、セックスシンボルのイメージあるが、彼女はいつも哀しみを纏っていた。
声やその出自だけじゃなく、佇まい含めて全部。
わかるかなあ。わかんねえだろうなあ。

祭り上げられてマスコミに追われるも、ろくに奴らをあしらえず。真面目な性格で ー 一般に人間は、見てくれの逆を思うと大概当たります ー 姉貴分ジェーン・ラッセル(上記のカラミティ・ジェーン)が捌いてあげたのは有名。
※そしてジェーン・ラッセルは、セックスシンボルとしてもマリリンの先輩格であった。

https://youtu.be/5OFaF5OWAxc

『帰らざる河』の後、「わたしの演技は全然駄目だ」とNYへ。リー・ストラスバーグのアクターズスタジオで一所懸命勉強。それが晩年のこれなどに結実。

https://youtu.be/FLhTrjQU8Pk

36年の短い生涯だったが・・・そうか、亡くなったのは俺が生まれた年か。失礼な奴だ。
ご存命なら今年94歳。観たかったなあ、のちのちまでも。
いや、単なるセックスシンボルなら容貌衰えたらアレだけど、彼女は演技派・エンターテイナーとして、年を経ってもやれたと思う。

では最後に、『帰らざる河』から再び。

https://youtu.be/dLzeHkEQe9g

靴。あの赤い靴。
彼女には、きっと帰るべきところがあったのだろう。

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