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腱縫合後の後療法

ZoneII屈筋腱断裂修復後の後療法の特徴に関する一考察
https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/1/19831/20141016134245158486/JHSHU_6(1)_81.pdf

腱縫合後のリハビリに関する論文です.

手指屈筋腱断裂の治療において,ZoneⅡでの屈筋腱断裂は難重することがあります.それは,狭い腱鞘内にFDS・FDPを有し,中節部で交差する構造を取ることから高頻度に術後の癒着を形成するためです.

今回は英語論文ではないため箇条書きで有益な情報をPickUpします.


腱の癒合には12週(3ヶ月)が必要
治療過程には Intrinsic healing と Extrinsic healing の2つの治癒過程がある.
Intrinsic healing のみで腱癒合は可能である
Extrinsic healing が周囲組織と腱組織の癒着の原因となる
関節固定を行う3週間固定法では Extrinsic healing が優勢となり難治性の屈曲拘縮を招く

Kleinert変法は早期自動伸展他動屈曲運動を実現することで癒着予防となる
自動伸展時には虫様筋がFDP腱の遠位滑走を促すため縫合部での離開張力が減弱される.

スクリーンショット 2020-04-22 18.38.12

腱滑走が3~5mm あれば,腱周囲組織との癒着は防げる
Kleinert変法でのFDS・FDPの滑走はそれぞれ 11mm と 14mm であり,その滑走距離より各々の癒着解離は十分である が,各腱の相対的滑走による癒着解離には不十分である可能性がある.

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