「明和電機 EDELWEISS展」に行ってきました。
■「ナンセンス楽器」とはひと味違う明和電機の世界
芳澤ガーデンギャラリーで開催中の「明和電機 EDELWEISS展」にいってきました。
明和電機の作品群は、
①指パッチンで木魚を鳴らす『パチモク』などのナンセンス楽器の「ツクバ」シリーズ、
②『魚コード』などの魚をテーマにした楽器やオブジェの「魚器(なき)」シリーズ、
③『オタマトーン』などの声をテーマにした声帯模式の楽器「ボイスメカニクス」シリーズ、
そして今回の展示
④「 女性とは、そして生物的なメスとは何か? 」という事をテーマに扱った「エーデルワイス」シリーズ
の4種類に分類されています。
この「エーデルワイス」シリーズは、他の作品群と大きく世界観が異なるため、現在、他の明和電機の活動とは切り離して活動を展開しているそうです。
■「EDELWEISS PROGRAM」とは?
「エーデルワイス」シリーズは、 「EDELWEISS PROGRAM」 というおとぎ話がまず作られ、その世界観にのっとった作品が作られています。
物語の舞台は、
「白いオイル」から作られる美しい製品に魅了され、生殖機能を放棄し、「メス」は地球に楽園「末京」を築き、そんなメスに呆れ、「オス」は全てを受け入れる母性を求めて月に移住していった世界。
そんな世界での「ボク」のメスへの嫌悪感、メスという生物の美しさ、残酷さ、そしてメスへの反逆の様子が描かれ、最後には、「ボク」の作戦で誰もがいなくなってしまった地球に、美しい白い花「 EDELWEISS 」が咲き乱れるという物語です。
詳しくはこちら(明和電機公式サイト)。
テレビでナンセンス楽器を披露したり、可愛いオタマトーンやチワワ笛を作っている明和電機がこんな恐ろしい世界を?と、初めて見るとびっくりするかもしれません。
(実際私も、10年ほど前、テレビでしか知らなかった明和電機の展覧会を初めて訪れた際にあまりの世界観の違いに驚きました。)
女性に対する嫌悪感の記述のインパクトが強いのですが、女性の美しさや残酷さ、複雑さや飽きっぽさといった、「自分と異なる感覚を持つ不思議な生物」について、考察されていて興味深い世界です。
■物語までの思考と、結果としての製品を併せて体験できる展示。
会場は、大きな展示室を布で仕切った展示室①、②、展示室とお茶室(!)をつなぐ廊下、そして、お茶室に分かれています。
作品は撮影OKでした。
●展示室①
この物語の中枢となる「メスとは何か?」という考えをまとめたノートや、世界観を表すアイディアスケッチが展示されています。
結構恐い物語なのですが、そこに行き着くまでの頭のなかが少しだけ覗き見できて興味深いです。
●展示室②
物語の世界が製品に置き換えられ、展示されています。
○末京銃。
化粧品の入った試験管を発射し、飛散した液体を混ぜ合わせて末京液を作ります。
○マリンカ&メカフォーク
ライヴでお馴染みの楽器です。1日3回、自動演奏の実演もあります。
「マリンカ」の花が開閉しながら木琴を演奏する様子はとても美しいです。
○ニュートン銃
重力によって、りんごが地球の中心を確実に撃ちます。
○泣き羊。
物語のまだ未完成部分に登場する新作です。目から液体金属の涙を流します。
これらの製品のすごいところは、面白いコンセプトや美しい造形だけではなく実際にちゃんと駆動するところなんですよね。
「泣き羊」を泣かせるのには社長も相当苦戦された模様です…
●お茶室へのアプローチ
明和電機の解説や、エーデルワイスシリーズ以外の製品が展示されています。
●そして、お茶室。
お茶室に魚器!なんて不思議な空間、、、
GWには、この空間でお茶会も開かれていました。
「面白いパフォーマンスの電機屋さん」というイメージとはひと味違う、今回のエーデルワイス展、是非足を運んでみてください。
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明和電機 EDELWEISS展
会場:芳澤ガーデンギャラリー
(市川駅 徒歩16分)
開催日 :2014年4月19日(土)~2014年6月1日(日)
月曜休館(5月5日(祝・月)は開館)
時間 :9:30~16:30(入場は16:00まで)
入館料:一般 500円
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・本当にこんなところにあるの?!という住宅地の中にあります。
駅からは徒歩のみなので、歩きやすい靴でどうぞ。
・製品メンテ中の社長。
明和電機としての活動と切り離しているため、珍しく制服ではなく私服です。
・自動演奏は動画撮影も可能だそうです。
「麦の歌」を演奏していました。
・「社長スタンプ」なんていうのもおいてありました。
他にも、ガチャガチャや社長飴、イラスト入り瓦せんべいなんていうお土産も…
・ライヴ&朗読イベントにも参加しました。
こちらも撮影・録画OKでした。
・社長による「EDELWEISS PROGRAM」の朗読。
はじめに「今回はおちゃらけは一切無しです」のことわりが。
・オタマトーン一本での生演奏。さすがです。
こういったライヴは初めてでしたが、おなじみの曲も普段と違うアレンジで、とても聞き応えのあるライヴ&朗読でした。
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・私は5/4のギャラリートークには参加できなかったのですが、Acacia Leafさんが詳細にレポートしてくださっていました。
・『明和電機 EDELWEISS展』 at 市川市・芳澤ガーデンギャラリーを訪ねて。
・2014.05.04『明和電機 EDELWEISS展』ギャラリートークレポート Phase.1
・2014.05.04『明和電機 EDELWEISS展』ギャラリートークレポート Phase.2
・2014.05.04『明和電機 EDELWEISS展』ギャラリートークレポート Phase.3(+αでお仕事報告)
・2014.05.04『明和電機 EDELWEISS展』ギャラリートークレポート Phase.4
・2014.05.04『明和電機 EDELWEISS展』ギャラリートークレポート Phase.Finale
作品制作の経緯や、作品世界についてより詳しく知ることができます。
(Acacia Leafさん、ありがとうございます。)
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