[宇宙×芸術]展 に行ってきました。
◼︎「宇宙」×「アート」って?
「ミッション[宇宙×芸術]-コスモロジーを超えて」@東京都現代美術館。
「宇宙」といったら、科学館?天文台?
今回は ”現代美術館” での「宇宙」展です。
「宇宙」と「アート」なんて、ちょっと離れた存在にも思えますが、実は日本は世界で唯一、宇宙ステーションでアートプロジェクトも行っている国なんだとか。(◀︎アートカレッジのJAXAの講演会での拝聴。)
どんなコラボレーションになるのか、気になる展示に早速行ってみました。
(会場は基本撮影NGですが、携帯のカメラであれば撮影OKな箇所が4カ所ありましたので、そちらの写真も交えつつご紹介します。)
■メガスターから、銀河鉄道、月面ローバーまで!
会場は、2フロアにまたがっていますが、「科学」と「アート」と区切って展示するのではなく、様々なジャンルの展示が混在する形になっています。
○会場に入ってまず初めにある大きな展示は、会場の高い天井のスペースを贅沢に使ったスーパープラネタリウム「MEGASTAR」の投影。幻想的な音楽に合わせた物語のある作品になっています。東京の夜景から、星空へ、そしてオーロラの世界へ…
床に寝そべって鑑賞するというスタイルのためにどっぷりと星空の世界に浸れるので、何度も繰り返し見たくなる作品でした。
○「生きている間に宇宙に行きたい!でも、このままじゃ行けそうにない!
…それなら、自分でロケットを作ろう!!」
と、漫画家さんや作家さん、アーティストに大学の先生と、ジャンルを超えた方々が民間でロケット開発を行っている「なつのロケット団」。
実物大のフェアリングに、手作りのジェットエンジンの試作機、フライト実験の映像などを展示しています。
(この開発の試行錯誤の様子を綴った「宇宙へ行きたくて 液体燃料ロケットをDIYしてみた」は非常に面白くてオススメです。)
○もちろんJAXAの展示だって負けていません。宇宙から戻ってきたロケットのフェアリングや、人工衛星、月面ローバーの展示。そして、初めに述べた宇宙でのアート関連実験の映像なども展示されていました。
「地球」と「宇宙」という場所の差、そして企画者とは国籍も思想も異なるパイロットがそれらの実験を実施していくという感覚の差によって、新たな効果が生まれていく様子が面白かったです。
○体験型の展示も多い展覧会でしたが、特に人が集まっていたのは最後のこの展示。宙吊りになった伸縮性の布のチューブの中を歩き回ると、重力が1/6程度の感覚を味わえるのだそうです。重力が1/6ということは、月面の感覚ですね!!
大人も体験OK!ということで、実際に入って中で跳ね回ってみました。布からの圧力が全体にかかるので、多分無重力というのとは感覚は違うのですが、跳ねても転んでもふわっと体を持ち上げられる不思議な感覚を体験できました。
○そして、さすが現代美術館というアート作品の数々。
私が今回の展覧会で最も釘付けになったのは、名和晃平さんの作品で構成された部屋でした。白と黒だけで構成されたその部屋は、宇宙的な空間も思わせるものでしたが、こちらの平面作品、全て「重力」を使って描かれているものでした。
一見すると定規などを使って描かれているように見えましたが、美術館併設の書店:NADiffの奥ではその制作中の映像が放映されており、キャンバスを傾けて、ただ上方から黒い絵の具を重力によって流して行く様子、回転運動をする筒から流滴る絵の具をキャンバスで写し取って行く様子が映し出されていました。
○鈴木康広さんの「りんごの天体観測」という作品も、鈴木さんの世界観を堪能できる素敵な展示でした。前の展示室ではしゃいでいた子供が、こちらの展示室に入った瞬間に「すごーい…」と静かに作品に見入っていったのが印象的でした。こちらはぜひ会場でご体感ください。
同じ「宇宙」が題材でも、アプローチは様々。でも、まだ未知の世界に想いを馳せる感じ、わくわくする感じが会場全体に流れていたような展覧会でした。
6月22日(日)には館内で「第1回 ニコニコ学会β宇宙研究会 #nngspace# ニコニコ学会」もあり、こちらも面白そうです。
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■DATA■
「ミッション[宇宙×芸術]-コスモロジーを超えて」
会期: 2014年6月7日(土)−8月31日(日)
(休館日:月曜日(7月21日は開館)、7月22日)
開館時間: 10:00-18:00
(7月18日、25日、8月1日、8日、15日、22日、29日は21:00まで)
*入場は閉館の30分前まで
観覧料: 一般1300円、大学生・専門学校生/65歳以上1000円、中高生800円、小学生以下無料
▼おまけ▼
teamLab.の勢いはすごいですね。
今回の展覧会で3つも作品が展示されていました。
現代美術館の高さを活かした、迫力の「憑依の滝」や、書道家・紫舟さんの文字とコラボレーションした「冷たい生命」など、計算し尽くされた美しい映像群も必見ですが、一点少し毛色が違うものが‥
こちらは「脊振ILCハイスクール!」という映像作品。
『素粒子実験施設「ILC(国際リニアコライダー)」の招致を目指す福岡県と佐賀県の依頼で制作したプロモーション動画』(teamLab HPより)なのだそうですが、実写とアニメとコミカルな音楽が融合して…
なんというか、一番浮いた展示が入り口に展示されていたという感じなのですが、(他の展示を見ていても、流れてくる音楽が気になって気になって気になって…(^^; )これ見たら思わず「ILCって何だ?!」って気になって調べちゃいますね。
本編の映像はYouTubeで公開され、しかも素材は、画像もBGMも著作権フリーで「二次創作を歓迎」なんだそうです。太っ腹ですね!
teamLab, アートにプロダクトにサイトデザインと活動の幅が広く、また、美術館意外の場所で目にする事も多いので、これからもっと気になってしまいそうです。(そういえば今年一番初めに行った展示もteamLabでした…)
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