【MTGA】「土地」を見返してみる(イクサラン編)

動画として作ろうと思って温めておいたアイデアに「MTGAで実装されている土地・カードを振り返る」というものがあるのだが、諸々で動画を作るのが相当先になりそうなので今週の記事のネタも兼ねて一旦記事としてまとめてみる。

というわけでまずはMTGAがオープンベータになってからの本流のセットから。今回はイクサラン編。最初はM19までと思ったけどよく考えたら変身土地がすごい多いのでイクサラン・ブロックの土地は結構多い。イクサラン・ブロック全体も考えたけど今回はイクサラン単体で。

またいつも通り投げ銭用の100円0文字エリアも設けてます。記事自体は無料で読めます。

イクサラン

ブロック制廃止前最後の大型セット。セットの特徴としては「変身したら土地になるカード」「4つの部族の対立」がある。またプレインズウォーカーの唯一性ルールが廃止されプレインズウォーカーは伝説のパーマネントに統一されたのもこの時期。
スタンダードで《暴れ回るフェロキドン》が禁止されたのも懐かしい話。エネルギー系の弱体化に伴い赤単も弱体化させないとメタゲームこわれるという話ではあったが当時は「なんで?」ってなりました。今ではパイオニアの赤単で入ってることがあるし、なんならヒストリックの赤単でも選択肢に入るカードなので納得。

軍団の上陸/一番砦、アダント

両面エンチャントサイクルの白。1マナエンチャントで、ETBで1/1絆魂の吸血鬼を出し、3体以上で攻撃で変身。土地面では実質4マナで1/1絆魂の吸血鬼を生成できる。
当時の白単ではよく見かけたカード。1マナ1/1絆魂はクソ弱いがとりあえず頭数にはなり、裏返れば息切れ防止になる。特にコントロール相手に強い。今のヒストリックは見かけない。《アーデンベイル城》があるし仕方ない。

アズカンタの探索/水没遺跡、アズカンタ

両面エンチャントサイクルの青。2マナエンチャントで自分のアップキープに諜報1、そのあと墓地に7枚以上カードがあれば変身。土地面では実質4マナで手札補充ができる。
サイクルの中で最強と断言できるカード。ダブったときに弱いのでだいたい1~2枚採用にはなるが、インスタント・タイミングで繰り返し手札補充できる2マナのパーマネントが弱いわけがない。変身前も繰り返し諜報1ができるのでデッキの潤滑油として十分。
濾過対象が非クリーチャーであることからコントロール向けで、変身条件の7枚もコントロールなら自然に達成できる。今もそうなのだが《ドミナリアの英雄、テフェリー》との相性が抜群によく「自分のターンに起動→テフェリーの[+1]でアンタップ→相手のターンの終わりにマナが余ってたら起動」の流れは相手の心を折るのには十分すぎる。
現在のヒストリックでも青白コントロールの採用候補に入るカード。採用するかはメタゲーム状況と個人の思想の話になってくる。

アルゲールの断血/アクロゾズの神殿

両面エンチャントサイクルの黒。2マナエンチャントで2マナ2点ペイで1ドロー、アップキープ時にライフ5以下なら変身。土地面ではクリーチャーをサクってそのタフネス分ライフゲインできる。
基本的に表面目当てで採用されるカード。アグロ相手には悠長かつ自爆行為すぎるのでコントロール相手にサイドボードから投入する感じ。通りさえすれば繰り返しドローできるので便利。そしてその使い方をメインにおく場合後攻でも3マナの確定カウンターの前に置けるのが光る。
今のヒストリックで使えるかは微妙。土地スロットに入れられる《ロークスワイン城》でよくねという感じもする。

ヴァンスの爆破砲/火を吐く稜堡

両面エンチャントサイクルの赤。4マナエンチャントで毎ターン衝動的ドローをし、1ターンで3回呪文を唱えたら変身。土地面では実質4マナで任意対象の3点バーンが打てる。
登場当時から「チャンドラでよくね?」と言われ続けたカード。裏面の「実質4マナで繰り返し3点バーン」は相当強いことは間違いないのだが、そもそも「1ターンで3回キャスト」のハードルが高い。じゃあ表面はと言われればチャンドラの[+1]の方が基本的に強い(「そのターンならいつでも唱えられる」という点ではこっちの方が上)のでうーむ。一応チャンドラと横並びにできるというメリットはあるのでピン差しする運用もなくはなかったらしい。とはいえ今も昔もほとんど見かけないカード。

イトリモクの成長儀式/太陽の揺籃の地、イトリモク

両面エンチャントサイクルの緑。3マナエンチャントでETBでクリーチャーを手札補充、4体クリーチャーがいれば変身。変身後はクリーチャーがいなくてもマナが出せる《ガイアの揺籃の地》。
書いてあることは派手ながら変身条件がきつすぎると話題だったカード。最速でこれを出した場合変身するターンいつだよという話。
まぁそれもスタンダード時代の話。ヒストリックではたまにエルフデッキで見る。そもそも横並びになるエルフでは変身しやすく、変身直後は確定で中隊が打てる。ターンが帰ってきたら大量のマナからフィニッシュという流れ。クリーチャー除去が当たらないのが強みでそもそもクリーチャーじゃないのが弱み。あと召喚酔いもない。なんだかんだ「○○でいいじゃん」とすぐならないのは下環境では大事なことです。

原初の呪物/原初の水源

両面アーティファクトサイクルの一枚。インスタント/ソーサリーを1マナ軽くして4回唱えたら変身。変身後はインスタント/ソーサリーをコピーできるマナを生む。
なんか上手いこと使ったら強そうだけど上手いこと使う方法が思い浮かばないカードの一枚。大型呪文をコピーしたら強いとはいいつつ設置に4マナは悠長という…。とはいえ弱くはないので意識外からこれが飛んできてそのままひっくり返って呪文連打されて負けるというパターンもあったりする。まぁだいたい「4マナ圏なら他に優先したいカードあるよね」で終わってしまうのだが…。

征服者のガレオン船/征服者の橋頭堡

両面アーティファクトサイクルの一枚。搭乗4の機体で、攻撃したら戦闘終了時に変身する。変身後は色々効果を持つ土地になる。
挙動が悠長すぎる上に変身したところで無茶苦茶強いことが書いてあるかと言われれば全然と言わざるをえないカード。そりゃリミテッドだったらリソースを補充し続けられるから強いんだけど、構築だと「ETBで仕事しない4マナの機体に人権がありますか」という話ですわ。今回のカードの中で一番見かけないカード。ていうか構築で見たことマジでないかも。

探査の短剣/失われた谷間

両面アーティファクトサイクルの一枚。2マナの装備品で、ETBで相手に0/2トークンを2体送りつけ、装備したクリーチャーの攻撃が通ったら変身。変身後は《水蓮の谷間》になる。
まず装備コストが(2)なのに+2/+1修正のみというのが厳しい。裏返ったら一気にマナ加速になるが、じゃあどういうデッキでそれが嬉しいのという感じ。もちろんリミテッドでは強い。構築では実用性皆無。一応オンリーワンなんだけどねぇ…。

宝物の地図/宝物の入り江

両面アーティファクトサイクルの一枚。1マナで占術1を行い、それを3回したら変身。変身時に宝物トークンを3個出して、宝物トークンをサクってドローできる能力を持つ。
スタンダード時代ではサイドボードでよく見かけたカード。悠長ではあるがハンドが増やせるのでアグロ系での採用が印象深い。コントロール相手に投入して息切れを防ぐ。マナ加速面はほぼ見ない。
ヒストリックでは《精神迷わせの秘本》で十分なのであまり見かけない。

魔学コンパス/オラーズカの尖塔

両面アーティファクトサイクルの一枚。3マナで基本土地サーチ、土地が7枚で変身。変身後はマナが出せる《イス卿の迷路》の亜種。
変身前提だとコントロール向けの性能だが、起動型能力も変身条件も悠長すぎる。かといって変身前を主軸にするにしてもやっぱり3マナは重い。
ヒストリックの範囲だと表面は《迷路の終わり》の方が強いし、裏面は《スコフォスの迷宮》の方が早いしで出番がない。両方の役割が持てるといえば聞こえがいいのだが器用貧乏と言わざるをえない。

未知の岸

コモンのフィルターランド。テーロス初出で何回か再録されている。
基本的にはリミテッド向け。MTGA外に目を向けるとパウパーのトロンで使われてたりする。

手付かずの領土

クリーチャー・タイプを指定し、そのタイプのクリーチャーにのみ使える色マナを出す5色土地。
生まれた時から《魂の洞窟》の下位互換という境遇だがスタンダードで同居してないので関係ない。スタンダードではローテーション後のグルール・アグロで《ゴブリンの鎖回し》を展開するために使われた実績がある。
ヒストリックでは3色以上の部族デッキで使われる。《閑静な中庭》という上位互換があるが、使われる場合は併用の8枚体制が基本。
《魂の洞窟》が使えるモダン以下になると12枚体制になることも。特に5色人間では普通の緑が出せる土地が来たら中隊用のマナに使えるので存在することが重要。これ以上の上位互換が出たら流石に厳しいか。

廃墟の地

《不毛の大地》の亜種の土地破壊ができる土地で、起動に実質3マナかかる代わりに両者基本土地の補填ができる。
コントロールで相手の厄介な土地を割るのに使うのが基本。3色以上のデッキだとそもそものマナ基盤がタイトになりがちなので2色以下のデッキで使われることが多い。下環境でも厄介な土地の対策として白青コントロールが何枚か差してることも多い。
初登場から今まででスタンダードにいなかった期間がエルドレインでのローテーション直後の3ヶ月のみであり、特殊地形対策カードの完成形の一つといった感じ。兄弟戦争で《解体爆破場》という亜種が登場。「シャッフルが強制でない」「多人数戦で使いやすい」といった点からスタンダードでの役割はあちらに置き換わることも予想される。
MTGAでやってる分には多人数戦もシャッフルの手間も関係なく、強制シャッフルの有無で判断すべき。ヒストリックだと例えば《暗記》でライブラリーに送ったカードを奥底に沈めるというテクニックなどがあるが、一方で自分がライブラリートップに積み込んだ場合などはあちらに分がある。どちらもアンコモンなのでワイルドカードは気にしなくてよいはず。

氷河の城砦/水没した地下墓地/竜髑髏の山頂/根縛りの岩山/陽花弁の木立ち

友好色チェックランドサイクル。対応する基本土地をコントロールしているとアンタップインする。
アホほど再録されているサイクルの一つで、ショックランドとの相性が非常によいことで有名。ローテーション後のショックランド+チェックランド環境はマナ基盤にあまり困らなかった覚えがある。
ヒストリックで使う場合は基本土地タイプを持つ土地が何枚あるかをしっかり確認したい。特にスローランドが対抗馬になりうるが、2ターン目タップインのデメリットを嫌う場合こちら、3ターン目以降確定でアンタップインのメリットを取る場合だとあちらが優先されるイメージ。土地の調整の末に数枚差されることもある。マナ基盤をどうするかは本当に難しい問題だということが分かる。

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