システムエンジニアという言葉は誤解の温床。


システムエンジニアという名前は誤解されている。実際、この名称は100害あって一理なしである。広すぎて何を指しているのかわからない。理系ですというくらい広い。理系だからプリンター直せるよね、理系だから、精密機器を使えるよね?というくらい誤解を生みやすい。そして、このシステムエンジニアと名乗る人たちの多くは文系だったりする。

そして大手企業において、システムエンジニアという名前がついていても実際はシステムのことはあまり専門性がない人もいる。こういう人のやっていることは社内調整とベンダーコントロールと報告書の作成である。つまり、自分では特に専門性はないが、社内外の様々な人との調整をしなければならない。こういう人がいないと多数の部署が存在する組織においては十分に仕事が進まないことがある。したがってこういう大企業出身のシステムエンジニアが何か専門性を生かして転職をしようと思ってもあまり転職ではその能力が求められないことが多い。そもそも専門性はない。特にITについて既に組織が発展してきている場合には、採用したいのはスペシャリスト人材である。こういう組織では、既にゼネラリスト的な担当者が存在するため、こういうゼネラリスト的な担当者にとっては、大企業における社内調整担当者は別に必要ではない。したがってこういう大企業の社内調整担当が必要とされるのはまだゼネラリストが存在しないような発展途上の会社である。

なので、専門性のない、システムエンジニアという名の社内調整担当であれば、専門性を求めているような会社への転職は難しい。しかし、社内調整は極めて重要なスキルであるし、それは同時にベンダーコントロール能力であるし、組織におけるマネジメント能力やプロジェクトマネージャーとしての能力にもつながっていく。したがって、デジタル分野においては以下の2つのキャリアプランがある。

①社内調整・ベンダーコントロール・上流工程のコンサルティング・プロジェクトマネージャー等の能力を磨いていく。特に交渉力や説得力を磨くこと。それから管理職としてのマネジメント能力をためていくことでマネージャーになる。なので、この時に自分はシステムエンジニアであると誤解してはいけない。決して専門性に特化するわけではなくゼネラリストに向かっていることを自覚するべきである。少なくとも自分は営業が苦手ですとか、人と話したくないので、パソコンと向き合っています。という人には向いてない。そうであれば、この道ではなく、スペシャリストの道を目指すべきである。この仕事は相当な対人交渉力が必要となるので、ある意味営業職的な力は必要になる。スペシャリストでもなく、対人交渉力もないとすれば、存在価値がなくなってしまう。

②もう一つは、1つの分野に能力を投下していく方法である。例えば、ウェブサイトのSEOやグロースハックに集中する。その他広告運用に集中するなど、能力を絞り込んでいく。それからその道のスペシャリストとして能力を高めながら、分野を2つ、3つと広げていく。中途半端ではだめで、専門家になる必要がある。そうして1つの専門性を高めた後にほかの専門性もつけていく。例えば、SEOの専門性を高めながら、SNS運用の経験を高めるなど。これもシステムエンジニアという風に漠然とした定義をしたら方向性を見失う。そうではなく、自分は○○が得意という風に絞り込んでいく必要がある。

自分はシステムエンジニアであるという自意識は実際は何をしているかよくわからんが、一応デジタル得意です。みたいなわかりにくい自己認識の原因になるのでそういう自己認識はしない方がよい。

一番よくないのは仕事内容的に①のゼネラリストやマネージャー的な方面の経験を積んでいるのに、対人交渉力を高めていないケースである。それは、こども嫌いだけと保育士なります。というようなもので、別の道を探した方がいい。


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