デジタルマーケティングの仕事について

1)そんなに良い商品だったら、自分で使うはずである。

デジタルマーケティングにおいては常に流行が変化する。したがって今年価値があるものが来年は、グーグル様やアップル様の仕様変更により使えなくなることが多々ある。したがって今成果を上げる方法と来年成果を上げる方法は全く異なる。この部分を理解せずにパブリックDMPなどを作って、ITP2.3で致命的な影響を受けた。これをパブリックDMPを勧めた広告代理店が弁償するわけでもない。特に広告代理店は、数千万円の商品を持ってくるが、実際は殆どが広告代理店の人件費だったりする。いかに広告代理店のいうことを鵜吞みにしないかが大切である。

2)グーグル様、アップル様に従うしかない。

デジタルマーケティングにおいては、米国のGAFAのルールに従う以外の方法はない、もし、それが嫌ならばデジタルマーケティングをやめるほかない。米国のIT企業 VS EUの内戦が原因で、EUがなかなかGAFAのいうことを聞かないので、このせいで様々なとばっちりが日本にも影響している。

3)CMSは今後進化する

CMSは今後ますます進化する。様々なものが便利になる世界において、html/CSSコーディングをしたがる人はますますいなくなるだろう。

4)理解できないものにはお金を出さない。

これは株式投資と同じで、いかに良く見えても、自分が理解できないものにはお金を出してはいけない。特にAIなど、ブームで導入しても、導入すること自体が目的になる。実際AIは大したことはない。実際AIを導入してもそれで、売り上げが向上する分野はごくわずかである。AIという名前でただのプログラムであることが多々ある。ディープラーニングについても適用できる分野は限定的である。AIの理解とAIをどうやって経営に生かせるかの2つの部分で高い能力を有している必要があるが、そういう人材は稀である。多くの場合AIはわかるが、経営がわからない。または経営がわかるがAIはわかる、のどちらかしかいないので、手を出しても失敗する。

5)技術者にはDX推進は無理。

紙は便利である。紙に書き込むのが便利なことが多い。なんでも全てデータにすればいいわけではない。したがって、アナログでもよいものはそのまま使えばよい。デジタル化は目的ではない、手段である。多くの場合、IT知識のあるだけの人がDX推進をやることになる。人間の心理や集団行動学や、経営やマネジメント、人心掌握の方法を知らない。それができないと本当に何が必要なのかを明示することはできない。技術者がDX推進などすると、結局誰もつかわないゴミができることが多い。

6)デジタルマーケティングの仕事は関係者の説得である。

基本的に人間関係の調整がうまくいかないと何も販売できない。1人でECサイトを作っているのであれば、この能力はいらない。しかし、企業においては、営業部、情報システム部、広報部、マーケティング部、など様々な部署が存在しその中で、人間関係調整をうまくしないと何もできない。またはできるが、作っただけで成果につながらない。したがって、本来はこういうときに役員または社長が、的確な指示を出してくれればよいのだが、まず、役員レベルが、「デジタルマーケティングはよく分からない」ことが多いのだ。よく分からないと指示が出せない。なので、担当者が自分でやるしかない。したがっていかに賛同者を増やしていくかである。米国では大統領が自分の法案を通すために議員を説得して回る。これと同じである。社内営業である。まず仲良くなる。色々な人を説得する。理解してもらう。懸念点を探り出し、懸念点を解消する。ということの繰り返しである。そういうとても泥臭い仕事である。したがって、一定の規模以上のデジタルマーケティングに携わってきた人は、人間関係調整と説得しかしていないことが多い。しかし、実際はこの能力は極めて有用なスキルなので、是非自信を持ってほしい。ベンチャー企業のような小さな会社であれば、社長だけに言えばそれで済むことがある。しかし、大きな規模になればそれではできない。よくベンチャー企業はスピード感があるというが、それは、説得回数が少なくて済むためである。したがって大企業における、様々な対象者への説得もこれ自体は大きな価値のあるスキルなのだということを理解してほしい。

デジタルマーケティングの仕事は、図書館にこもって文献をあさる。それから考える。考えて話す、説得する。また説得する。また説得する。根負けしてやらせてくれる。成果を出す。また図書館にこもる。という感じである。とにかく情報をたくさん集める。集めて、仮説を考える。検証する、しかし、なかなか人はすぐには納得してくれない。なので、説得し続ける。

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