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[Notionからの貼り付け実験]統計検定2級 2018年6月 問8

 今回は、Notionからの貼り付け実験を兼ねています。
 Notionでメモとして書いている統計検定2級2018年6月問8の解答を貼ってみました。
 簡単には行きませんでした。
 Notionの数式はその場で確認できるので大変便利ですが、インラインが「$~$」と書かれており、noteの「$${}$$」とは異なるので、一旦google Documentでプレーンテキストで貼り付け、置換を繰り返すという手作業でなんとかなりました。いい方法があればご教示ください。

(1) 4800円以上になる確率

$${N(4000,500^2)}$$で$${x \geq 4800}$$となる確率
$${x}$$を標準化した$${z}$$での標準化得点($${z}$$値)は
$${z=\dfrac{x-\mu}{\sigma}=\dfrac{4800-4000}{500}=1.6}$$
$${P(z \ge 1.6)=0.0548}$$
P値計算には以下のサイトを用いた。
http://courses.atlas.illinois.edu/spring2016/STAT/STAT200/pnormal.html

(2) 前年より800円高くなる確率

前年を$${x_1}$$ 、今年を$${x_2}$$とすると、どちらも正規分布 $${N(4000,500^2)}$$に従う。
正規分布に従う2確率変数の差は、$${N(\mu_1-\mu_2,\sigma_1^2+\sigma_2^2)}$$に従う**【再生性】**ので
$${x_1-x_2 \sim N(0,(\sqrt{2} \cdot 500)^2)}$$
$${\dfrac{x_1-x_2}{\sqrt{2} \cdot 500} \sim N(0,1^2)}$$
本問では$${x_1-x_2=800}$$なので、標準化得点は$${\dfrac{800}{1.414 \cdot 500} \simeq 1.1314}$$
$${P(z \ge 1.1314)=0.1289}$$
標準化でもやってみる。
$${x_1,x_2}$$をそれぞれ標準化した$${z_1}$$、$${z_2}$$は、どちらも標準正規分布 $${N(0,1^2)}$$に従う。
正規分布に従う2確率変数の差は、$${N(\mu_1-\mu_2,\sigma_1^2+\sigma_2^2)}$$に従うので
$${z_1-z_2 \sim N(0,(\sqrt{2})^2)}$$
よって、$${\dfrac{z_1-z_2}{\sqrt{2}} \sim N(0,1^2)}$$
$${z_1=\dfrac{x_1-4000}{500},z_2=\dfrac{x_2-4000}{500}}$$ 故に $${z_1-z_2}$$ の計算で平均の$${4000}$$は飛び、
後は同様。

(3)前年・前々年より高くなる確率

3確率変数となるが、どれも立場は等しい。
3変数 $${x_{前々年},x_{前年},x_{今年}}$$の大きさの順番は、$${_{3}P_3=6}$$通り
うち、題意に合うのは

  • $${x_{前々年}<x_{前年}<x_{今年}}$$

  • $${x_{前年}<x_{前々年}<x_{今年}}$$

よって、$${2/6=1/3=0.3333 \cdots}$$

積分での解答

求める確率は

$$
P(x_{今年} \gt x_{前年}, x_{今年} \gt x_{前々年} )
$$

標準正規分布の累積分布関数を$${F(x)}$$,確率密度関数を$${f(x)}$$とする。

$$
\begin{align*}
P(x_{今年} \gt x_{前年}, x_{今年} \gt x_{前々年} )&=P(x_{今年} \gt x_{前年})P( x_{今年} \gt x_{前々年} )\\
&=F(x_{今年})^2
\end{align*}
$$

 独立(前年の価格に影響されない)なので、「AかつB」の確率はただの掛け算。
 $${P(x_{今年} \gt x_{前年})=F(x_{今年})}$$となるのが判りづらい。
 累積分布関数$${F(x)}$$はそもそも、$${-\infty}$$からある値$${x}$$までの積み上げ、つまりある値$${x}$$以下になる確率を表す。
 つまり、$${F(x_{今年})}$$は、例えば今年が4300円だったとして、前年も前々年も価格の分布は同じなので、結局$${F(4300)}$$は、前年と前々年が4300円以下になる確率を表すことになる。

$$
\begin{align*}
P(x_{今年} \gt x_{前年}, x_{今年} \gt x_{前々年} )
&=\int_{-\infty}^{\infty} F(x_{今年})^2 f(x_{今年})dx_{今年}\\
&=\frac{1}{3} [F(x_{今年})^3]_{-\infty}^{\infty}
\end{align*}
$$

 標準正規分布の累積分布関数(長い)は、$${-\infty}$$でゼロ、$${\infty}$$で1になるので、この積分は$${\dfrac{1}{3}}$$である。
 また、$${\dfrac{d}{dx}{F(x)^3}=3F(x)^2 \dfrac{dF(x)}{dx}=3F(x)^2 f(x)}$$を用いた。

課題

  • 正規分布の再生性の証明と可視化(別稿)

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