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地上に降りた太陽

2007年に出版された『フラワーエッセンスヒーリング―バッチの花療法 光の中へ』。
ここに掲載されている体験談のうち、私が提供したものが二つあります。
今回は、そのうちの一つであるゴースの体験について、2006年に旧blogに綴った内容を再掲します。


今、取り組んでいるエッセンスは、ゴース。
飲み始めたのは、ちょうど誕生日の前日からで、まさに不調のまっただ中というときでした。

ゴース(Gorse)

科属/マメ科エニシダ属
学名/Ulex europaeus
和名/ハリエニシダ
花期(最も花が多い時期)/3月末〜初夏

12-7-9選択法/7ヘルパーズ:日々の生活の積み重ねによって慢性化した状態を表すエッセンス
7グループ選択法/落胆あるいは絶望している時に
製造法/太陽法:満開になる前、香り出す少し前に短い花柄を掴んで花を摘む

希望をすっかりなくしてしまった状態に。
もっと何かできることがあると信じるのをやめてしまった人に。
説得されたり、他の人を喜ばせるために、さまざまな治療法を試してみることはありますが、同時に、回復の見込みはほとんどないと言ってまわったりもします。

エドワード・バッチ著作集収載「12ヒーラーズとその他のレメディー」BABジャパン)

ゴースは諦めや絶望感といったネガティブな状態に、前向きな希望をもたらしてくれます。
なぜこの時期にゴースのエッセンスにお世話になっているのか……と考えてみると、やっぱり身体の不調に思い至りました。
“いつもの発作”と表現していた身体の不調は、年に一、二度起きるくらいの頻度が、今年はもうすでに6回目にもなっていたのです。
割れんばかりの頭痛と手足の痺れ、吐き気(実際に吐くこともある)の症状がお決まりで、発作が起きるたびに(ああ、いつものことだ)と、半ば諦めてゆだねていました。
その心理状態は、確かにゴースが示すネガティブな姿と通じるものがありそうです。

手元の解説書には、このようなゴースの記述があります。

患者は人格のレベルで消極的な抵抗をしていることになり、自分の高次の自己とのつながりを断ち、積極的に人間形成する方向からもどんどん遠ざかって、ますます生ける屍のようになっていきます。

高次の自己を信頼して自分の人間としての成長を委ねようとせず、異論を唱えているのです。
ものごとが思うとおりに運ばないからといって、その意味を考えようともせずに人間としての成長過程を受け入れません。

(メヒトヒルト・シェファー著バッチの花療法フレグランスジャーナル社)

高次の自己が促し、魂が求めている流れに身をゆだねることをせず、自分の力(エゴ)で別の選択をしようとするときに、エネルギーの綱引きが行われてしまうのかもしれません。
その、魂と人格との摩擦に耐えられなくなって、肉体が悲鳴を上げてしまうのでしょう。
それを(ああ、いつもの発作だ)というふうに見なしてしまうのは、確かに自分自身に対してあまりにも無責任な感じがします。

植物のゴースを観察すると、鋭い棘があることに気づきます。
この棘のエネルギーが、諦めや無気力、投げやりな気持ちに、ピリリと刺激をもたらしてくれるのです。
それはまるで……アントニオ猪木のビンタのようなものかも(笑)。
座禅でも、意識が浮ついているときに喝を入れられるように、自分の軸が揺らいでいるとき、ゴースの棘が「しっかりせいっ!」と叱咤激励してくれるのかな……と、そんなふうに思いました。

英国とアイルランドを旅したときは、ちょうどゴースが花盛りの時期でした。
バスの車窓から、遠くに群生するゴースの花々を眺めることができたし、アイルランド上空を飛ぶ飛行機からでも、ゴースを確認することができたくらい、黄色の花は強い光を放っていたのです。

ヒーリングハーブ社のフラワーエッセンス・プロデューサーであるジュリアン・バーナード氏は、ゴースの花について「太陽の力を備えている」と自著に記していますが、ゴースの群生を見て私が感じたのは、地上に降りた太陽、つまり火の輝きでした。
真冬でも咲き、1年を通じて決して花が絶えることがないという特徴を考えたとき、太陽というよりは、かまどの中の小さな種火のイメージが不思議と思い起こされたのです。
実際、古くなって枯れたゴースの枝は燃料に用いられているので、かまどの火とのつながりは結構強いのかもしれません。

地上に降りた太陽、かまどの火というふうに考えていくと、それは自分の内側にある光、生命の火というふうにつなげていくことができます。
自分の内側にある種火を認識して、その火を強めていくことで、太陽と同じ輝きを放ち、未来への希望を照らし出してくれるのでしょう。

もちろんのことだけれど、内なる光というのは高次の自己や魂に由来するものです。
つまり、人格(エゴ)の力で何かをしようとするのではなく、自分の内側からあふれてくる思いやエネルギーに従って行動を修正することの必要性を、ゴースのエッセンスは教えてくれているのかな、というふうに今回は解釈したのでした。

いただいたサポートは、人々や地球の癒しと成長に貢献する人やモノ・グループへと循環させてゆきます。ひとしずくの水が大海へと繋がっていくように、豊かさのエネルギーをここから世界のすみずみにめぐりめぐらせていくためのファースト・ステップに選んでくださるのだとしたら、大変光栄です💫