続・リブランディング/エンブレム変更に思うこと(終)
9/13(金)に発表されたV・ファーレン長崎の20周年を迎えるにあたってのリブランディングに伴うエンブレム変更について、思いの丈を書かせていただきました。
個人的に今回のエンブレム変更についてはかなり紛糾するかと思っていたのですが、SNSを見る限り思ったより静かな印象です。
今回の手法が浦和さんあたりだとかなり燃えているんじゃないかと思うのですが、結構自分みたいな見方をしているのは冷めた目で見られているんだなと感じます。
その理由をちょっと考えてみました。
自身が抱いた違和感の供養でもあります。
①サッカー文化・クラブへの愛着の軸の多様性
今回のエンブレム変更は20周年を迎えるにあたり実施されるわけですが、ファン・サポーターの数が増えたのは劇的な昇格をした2017年、国内最高の舞台J1を戦った2018年あたりからではないでしょうか。
またそのきっかけは2017年や2018年でサッカーのドラマ性を味わったことだけでなく、マスコットや当時の社長のキャラクターであった人も少なくありません。
思った以上にクラブに対して「ハコ以上でもハコ以下でもない」層の人が多いのかな、と思います。
20周年事業に対して、ボリューム層が約7年の顧客だとエンブレムへの愛着も薄いので今時のデザインになること自体はそう抵抗がないのかもしれません。
ちなみに、自分もそんなに歴は長くありません。
2017年以前は数度近隣の試合を観に行っていた程度ですし、現エンブレムを初めて見た時の印象は「パーマンバッジみたいだ(笑)」という感じであまりポジティブな印象はありませんでしたし、ユニフォームを買おうとも思っていませんでした。
2017年から前のめりに観戦回数とを重ねて「慣れ」や「体験・経験」で愛着が生まれたのは間違いありません。
なので「カッコいい」をサッカーに求める方には今回の件はとてもポジティブなクラブからの提案なんだろうなとも思います。
②デザイン・クリエイティブへのリテラシーやコンプライアンス意識の違い
発表後の「変更しない方がいい」という声に対して
「変更は決まっていたからわがままだ」という意見も見かけたりしますが、現行エンブレムと新エンブレム案を絶対評価して「変更しない方がいい」と言っている方は少ないんじゃないかと思います。
前回のnoteにも書きましたが、ある程度の人たちの想いが詰まった現行エンブレムを変えるにあたっての理由やプレゼンの薄さがその理由だと思います。
極端な例えをすると「マスコットのデザインが今時でなくなってグッズが売りづらくなったのでデザインを変えます。この4つから選んでください」みたいなことです。
今のマスコットの人気や活躍からするとそんな流れは想像しにくいかもしれませんが、「象徴的なもの」「人の想いを受け続けてきたもの」という面では同じです。
マスコットでこうなったら絶対今以上の反発は起きているでしょう。
そして、デザイン案が当事者ファン・サポーター以外からカスタムされて、それに対して「これはいい」「こっちがいい」と無邪気に語られていますがこの時点でもう手垢がつきまくりになっています。
新エンブレムの最終案は修正・調整が行われると思いますが、こういうムーブが起きた時点で「新エンブレムのオリジナリティ」が損なわれる可能性がとても高いんです。
映画や漫画のネタバレを流すのに近い行為で個人的にはとても興ざめする流れです。
ただ、この辺を嫌う人はデザインやクリエイティブの本質や苦労をわかっていたり、仕事柄だったりするので少数派なのでしょう。また、今回の投票までの流れについてブランディングやプロダクトのプロジェクト経験ある人はまずさを感じるかと思います。
以上、こうして振り返ると
「長崎の現在のサッカー文化水準」という最大公約数に対しては適した流れではあるのかもしれません。
投票は9/18(水)23:59まで。
V・ファーレン長崎に愛情ある方、次の時代に掲げたいエンブレムに投票しましょうね。
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