見出し画像

The old man and the sea

この実にそぎ落とされたタイトルにこの作家の凄さがあり

この作家の書き出しもまた、潔い

He was an old man who fished alone in a skiff in the Gulf Stream and he had gone eighty-four days now without taking a fish.

この文体、好きです

これを翻訳した人は

 彼は年を取っていた、メキシコ湾流に小舟を浮かべて、魚を取て暮らしていた、彼は今日まで84日間 魚が釣れない日が続いている。

ここから始まる物語は、穏やかに始まり、やがて、壮絶な魚との格闘、して勝利の直後に悲劇が襲う、おなじみの物語だ。

これ、実はヘミングウエイの作品では、良く描かれる題材であり、これはあくまで私の考えではあるのですが、たとえば #海流の中の島々  でも、これと同じことが描かれている。かたや漁師の物語で、かたや、破天荒に過ごした後に戦争巻き込まれる、男の物語ではあるのだけれど、その描かれているテーマは、はやり、生であり死である。この海流の中の島々は、死後に発見された作品とwikiに書かれてて、さらに、前出の #老人と海  自体も、この一連の作品構成中の第4部との話も出ていた。

この難解な話の真実は、作家のみぞ知るのだろうけれど、私は、なんとなく、見えてた。 #海流の中の島々  上巻での破天荒かつ自堕落な生活 に 下巻の命を懸けた戦い、そして死 もしかすると、老人と海の老人と海流の中の島々の画家とは、同じ人間ではないかとも思えてくる。なので、実は死なず生き延び、やがて画家は漁師になる、いいや、画家は魚を取って生計をたてるのかもしれない。

自堕落 破天荒 人生の勝者 成功 そのいずれをとらまいても、最後には死が訪れる、それは望む望まないにかかわらず。ただ、死を迎えるまでの人生は人それぞれで、2人として同じ人生を生きるものはいない。

だから、大魚を吊り上げ それを金に換え それで飲み切れぬ酒を飲み 好みの女性を抱き 狂ったようにすごすことも、釣り上げた途端に、鮫の餌食と化し、何も得られなくても、生きていれば、人生は続き、死ぬ瞬間、あの日、釣り上げて豪遊しようが、餌食になろうが、人生にとっては大きな出来事では無いのかもしれない。

生きると言う行為は、1日1日死に近づく行為ではある。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?