物語は頭が創る
走ると、世界がだんだん変わっていく
その世界に入っていく
「涙というのは、喜びでもっと流して良いだろう。最高に嬉しくて、もっと涙を流しても良いだろう…、悲しい時と同じくらい」
そうボンヤリと思いながら対向車へ目を流すと「ゴーゴーゴー」で笑った。
そうそう、今日のドライブの出だしは”オレンジレンジ/ロコローション”が流れていた。”Ah ahなんかイイ感じ~”な曲は、晴天とともに気分をアゲアゲにする。
買い物は普段の顔だ。
いつもの世界に着地、メモを片手にゆっくりとくまなく通路の一つ一つを通って歩く。
何を感じたいかな…、いつものコーヒーは気に入っているけど、やっぱり違うコーヒーにも出会いたい。コーヒーの旅にしようと決めた。おいしいかどうかは分からないけど、それに対する思いが膨らむ時、やはり何と言っても幸せしかない。普段見ないところを意識的に見て、”楽しみ”を感じたものを幾つか選んだ。
帰りの運転初めに、遠回りして帰ると決めた。買い物前に行く気になれば良かったのだけど、多分まだその時は現実から抜け出てなかったんだろう…、その頭がなく、冷やしものもある為、少し遠回りする程度の寄り道を選んだ。
方向が反対だから、自宅を通り過ぎるように行きすぎてそちらを廻らなければいけないのだけど、久々にその向きに向かって通る広い空間は、やっぱり気持ちが良い。
”フフフ”
”ハハハ”
”ククク”
目を流した時に映り込む車はだいぶ楽しそうで、”ククク”をみた時はもう、吹き出してしまった。
少し幅の広い、空いた道へ入る。とても見晴らしがいい。
”この道が 転機となるか―――”
点けっぱなしのラジオから届く言葉。世の中はシンクロだらけ、自分と外との世界が、普通に混じりあって違和感がない空間がある。
広い範囲が目に映る緑の景色、鮮明な遠くまでを眺めながら音につられて空を見上げる。
「飛行機も飛んでる…、ここからはまったく角度が違って見えるな…」
いつもと違う場所から見上げるジャンボがかっこよく見えた。
ラジオから流れるメロディは今井美樹/プライド。
”いつか私も空を飛べるはず―――”、物語とは勝手に出来上がる。
こういう空の旅が最高に楽しいんだよね。
楽しくて感動の涙は、もっと使え。
少し長めの坂を上り切り、色んな進捗の桜を目にする。ここは普段何もない所だけど、この時期は少し賑やかに見えると感じた。
慣れた景色が多くなると、現実に着地し始める。
私の帰宅に気づいたワン達が吠えたて、気づいた主人は、玄関まで荷物を受け取りに出てきた。
いくつかの”自分の居場所”を作ることで幸福度は↑…と、確かこの日のラジオで言ってたな。
世界は移動して遊べる。
(日曜のできごと)
何だろうな…。
考えるまでもなく、読むとそこに文字と動きとの差が分かるというのは。
同じ文字を使い表現し、並べられているものなんだけど、まったく奥深かくてそれっぽいのだけど、だけど感じる「これは言葉だな」というもの。
それが進行中のできごと、まだ途中というその感じもしない、確実に”分かれている”事を、そこに感じる表現。
人の持つ”感じる力”というのは、多分凄いんだろう。
まとまりがスマートすぎること、動きはその様にまとめきれない事、言葉では必ず不足するものが、言葉だけでまとまって書けてしまう括りをそこに見る事ができるのかもしれない。
”表現”っていったい何だろう。
本当に何かを言葉で表す表現のみならず、その内面その状態を現す「ヒョーゲン」ということは確実に言えそう。
それはよく言われる、頭で練られたもの、その時間の多さ。思考の域から出ているものは、きちんと区別されるという事なのかな…。
(目で見ている情報と、処理している”状態”と、感知することと。それぞれに働きながら、感知というそれに関してはあまり言葉にされるようなものでなく、感覚としてこちらに渡されるモノ。表側で処理されることじゃないものは、言葉とは結び付いていなくて、「なんか…」とか「何となく…」という曖昧な表現で表される。そこがあるから、逆側が引き立つという表現も出来る)