失楽園 上

"神はお前を完全なものとして創造られたが、不変不動なものとしては創造られはしなかった。(中略)お前の意思を、不可避の運命或は厳しい必然によって支配されない、元来自由なものとして定められた"1667年発刊の本書は旧約聖書の『創世記』をテーマにした英文学最高峰に位置する大叙事詩。
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個人的には主宰する読書会の課題本として手にとりました。
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さて、そんな本書は共和派の運動家、詩人である著者が旧約聖書の『創世記』をテーマにキリスト教における創造主に叛逆し一敗地にまみれた堕天使ルシファーことサタンの再起と人間に対する嫉妬、また謀略により楽園追放に至るも、その罪を自覚して甘受し楽園を去るアダムとイブの偉大さを上下巻で描いたキリスト教文学の代表作の一つなのですが。
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日本版の上巻となる本書では、第六巻まで。敗北したサタンたちが地獄、パンデモニウムで反乱をどう続けるかを話し合う場面から始まり、天使長のラファエルがアダムに大して、一体すどのような反乱だったのかを語り、警鐘を鳴らす第六巻までがドラマチックに収録されていて。個人的には最初は叙事詩らしい没入しづらさを感じるも、服従よりも自由を選ぶサタンにダークヒーロー的な共感を覚え、とても楽しめました。
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また、旧約聖書の『創世記』として、物語自体は誰でもしっている内容ですが。悪魔も天使も人間に寄せて描く事によって、ここまで面白くなるのか。と、現代的、映像的な読後感がありました。
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キリスト教、英文学の古典として。またダークヒーローの復讐劇が好きな方にもオススメ。