見出し画像

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

"あなたには、鳥類学者の友人はおられるだろうか。多くの方にとって、答えは否だろう。原因の半分は、鳥類学者がシャイで友達作りが下手だからだ。残りの半分は、人数が少ないからである"2017年発刊の本書は豊富な小ネタで鳥の種類、生態、分布、歴史について教えてくれる自然科学エッセイ。

個人的には主宰する読書会で参加者にすすめられて『鳥肉以上、鳥学未満。』に続く2冊目として手にとりました。

さて、そんな本書は農学博士、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所鳥獣生態研究室長。なにより"10万人に1人"と希少性の高い鳥類学者である著者が、全六章にわたって(70年代生まれなのがよくわかる)ガンダムや北斗の拳といったアニメや漫画の小ネタをはさみながら、フィールドワークの主な調査地にしている離島『小笠原諸島』をメインにした研究の様子を軽快に描いているのですが。

まず、タイトルは捻くれていますが(笑)著者の鳥研究に対する熱意、健全さが純度100パーセントで伝わってきて、島での昼夜の調査、また学会や論文での発表の様子を楽しく追体験させていただきました(耳に蛾が突撃してくるのは嫌でしたが。。)

また、やはり自虐交えながらのテキストが面白く、研究者としての優秀さとは別に、人間的にもユーモア溢れる魅力的な方なのだろうなあ。と感じました。

鳥類学者に興味ある方はもちろん、健全さ溢れる?研究エッセイとしてもオススメ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?