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日本の死角

"いま何が必要なのか。それは、さまざまな謎や論点を正しく捉え、私たちが当たり前だと思っている強固な常識や固定観念をときほぐし、問いなおすことである"2023年発刊の本書は16本の新しい視点をコンパクトに提供してくれる一冊。

個人的には間違った常識や先入観が自分にも堆積しているのではないか。と思うところがあったので手にとりました。

さて、そんな本書はビジネス雑誌に連載された論考に最低限の加筆修正を行って発刊されたもので、日本人論や若者の生態、失われた30年、教育、地方、暮らし、差別、いじめ、と繰り返し『何度も語られてきたような問題』から最新のテーマまでが、問題の当事者、あるいはそれを専門にしている各研究者、活動家の立場から語られているのですが。

『なんとなく』の前提をもとにした『表層的な正しさ』が横行し【より深刻な問題を引き起こしている】ように感じている私にとって『なぜ』や『そもそも』から問いかけてくる本書収録の論考は刺激的でした。

また、良くも悪くも『200ページで16本』つまり【一つあたりのテーマに約10ページから20ページ】と、分量的には論考によって物足りなく思う部分もありましたが。それはそれ、本書はあくまで『答えではなく、補助線をひいている』と納得もしたり。

日本の問題について。当たり前的に語られる常識や先入観にモヤモヤを抱える人にオススメ。

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