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40歳で何者にもなれなかったぼくらはどう生きるか

"この本は『サラリーマン無理ゲー社会の生存戦略 40歳版』であり、何者にもなれなかった40代のための"救済の書"です(中略)『人生思い通りにならなかったけど、結構おもしろかった』と思うための本です"2023年発刊、本書は意外にも長い人生の秋に悩む40代に向けたエール本。

個人的には同世代論として、また自身も『思秋期』。中年に差し掛かってキャリアについて悩んだ時期(ミッドライフクライシス)もあったので手にとりました。

さて、そんな本書はニュース番組『ニュースステーション』のお天気キャスターとして広く知られ、現在は健康社会学者としている著者が(若者向けばかりで)『40〜50歳代の大部分の何者にもなれない大多数の勤め人向けのキャリア本がない』と編集者から持ち込まれた依頼に応えて執筆したもので。

『肩書き=何者』になったかのような価値観、錯覚で苦しむサラリーマン(ビジネスパーソン)に向けて。ジジイの壁『スーパー昭和のおじさん』と『ゆとりモンスター』に板挟みになった割食う氷河期世代の『無限地獄』の嘆きを代弁するかのように寄り添いながら【それでも】"会社のためではなく人生のために働け"と提案しているのですが。

まあ、著者自身が冒頭で補足しているように本書は具体的なキャリア論というよりは『40代』氷河期世代に向けたエール本なのですが。自身も世代ですが。グチになってしまいそうな【我慢している心情】を、よくぞ言語化してくれた!という清々しさはあります。

一方で、ビジネスパーソンから肩書きに左右されない生き方を途中で早々に選んで何十年。もう我々世代は【自らの満足度は諦めて】『ジェネラティビティ』(次世代の価値を生み出す行為に積極的に関わる)。次世代に託すべきじゃないかなあとも。

悩める40代ビジネスパーソンに、処方箋としてはともかく。癒しとしてオススメ。

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