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『若者の読書離れ』というウソ

"子ども・若者の読書に関しては誤ったイメージが蔓延している。まず『子どもの本離れ』は進んでいない。小中学生の書籍の読書に関しては2000年代以降、不読率・平均読書冊数ともにV字回復している"2023年発刊、本書はZ世代の読書実態を丁寧に明らかにした一冊。

個人的には『本屋』として、リアル、メタバースで読書文化普及を目指して活動している事から参考として本書を手にとりました。

さて、そんな本書は主にWEBカルチャーやマンガ等について取材、執筆してきた著者が、評価の定まった絵本とか児童文学を除き"取るに足らない消費物"としてのみ文壇や新聞で扱われてきた『子ども・若者が好きな本』に好意的にスポットをあてつつ、また、実際に読んでいる若い読者がいるにも関わらず、旧態依然のイメージで『子どもの本離れ』『ケータイ小説はもう読まれていない』『中高生はラノベばかり読んでいる』といった偏見についてもデータを元に誤りであると検証、"評価"の前に『大人が読ませたい本』と『子どもが読みたい本』は違う。と"現実"を認識、受け手(子ども)の視点から考えることや、雑誌の伸びしろについて提言しているわけですが。

私自身、移動中に多くの若者はスマホでガチャゲーや動画視聴ばかりで。紙の本はもう読まれないのかなあ?とため息をついていたので、実態はそうでなかった事を知って安堵しました。

また、海外小説を主に愛好しつつ『本屋』として、偏らないように様々なジャンルの本に手を出すように意識している私としては、本書で紹介されてあたる作品のほぼ全てが既読だったので、ちょっと安堵したり。

タイトル通り『若者の読者離れ』を(勝手に)懸念している大人はもちろん、Z世代のマーケティング本としてもオススメ。

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