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『やりがいのある仕事』という幻想

仕事というものは、今どんな服を着ているのか、というのと同じくらい、人間の本質ではない"2013年発刊の本書は多岐にわたる活動で知られる著者による"身も蓋もない"仕事エッセイ。簡潔な言葉が響く良書。

個人的には『スカイ・クロラ』や『すべてがFになる』といった著者作が好きなことから興味をもって手にとりました。

さて、そんな本書は『これからの働き方』といった内容でのエッセイ依頼を受けた著者が『人は働くために生きているのではない』という当たり前の視点から『仕事への大いなる勘違い』『自分に合った仕事はどこにある?』『これからの仕事』『仕事の悩みや不安に答える』『人生と仕事の関係』と各章で、具体的な就活の予備知識としては全く役に立たないが【人生を有意義に生きるため】に必要なヒントがアドバイス的に、丁寧に描かれているのですが。

おそらくは20代〜30代くらいをイメージしている本書。年齢的にも人生の後半、様々な活動を通じて『生きるために働いてもいる』私にとって。目から鱗が落ちるといったといった新しい驚きはなくも【当たり前のことを真摯に書いてくれていて】癒されました。

また、著者の『1日1時間』といった仕事ぶりは難しくても、老後は仕事量を減らして『人生の意味』について、のんびりと考えたいな。とあらためて。

著者ファンはもちろん『側(はた)を楽にする』のは好きでも、働かされるのは大嫌いな誰か。また就職や転職活動に行き詰まっている誰かにもコーヒーブレイク的にオススメ。

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