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ようこそ、ヒュナム洞書店へ

"本屋のない町は、町ではない。町だと名乗ることはできるだろうが 魂まで欺くことはできないことを、自身も知っているはずだ"2023年発刊の本書は本屋大賞翻訳小説部門第1位、それぞれに悩みを抱えた人々が本屋で休み、出会い、道を見つけていく物語。

個人的に自身も『本屋』として、興味をそそられたので手にとりました。

さて、そんな本書は韓国、ソウルの架空の町、ヒュナム洞の静かな住宅ふ街にオープンした『ヒュナム洞書店』を舞台に、女性店主のヨンジュのもとに集まってくる就活に失敗したアルバイトのバリスタ・ミンジュン、夫の愚痴をこぼすコーヒー業者のジミ、無気力な高校生ミンチョルとその母ミンチョルオンマ、ネットでブログが炎上した作家のスンウ。などスタッフや関係者、常連客との交流の様子が一話につき3〜16ページのエピソードとして、す各人物にスポットをあてながら描かれているのですが。

いわゆる『お仕事小説』として、国は違っても抱えている問題は一緒というか。本屋で食べていくのは大変なんだな。でも、それでも様々な工夫をしていく姿に同じく『本屋』として共感しきりでした。

また、内容自体はそのまま日本を背景にしても違和感のない内容なのですが。やはり登場人物たちが『相手をどう呼ぶか』について。悩んだりする姿は韓国ならではというか。新鮮に感じます。

本屋好き、韓国好きな皆様はもちろん、気軽に読めるお仕事小説としてもオススメ。

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