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二木先生

"『二木先生、いまの自分の立場わかってるんですか』『わかってるよ。そこで提案がある』『提案?』『僕はきみに宿題を出します』"2022年発表の本書はポプラ社小説新人賞受賞作。生徒と教師のスリリングな交流を描いた一冊。

個人的にはよく行く書店さんでオススメされていたので手にとりました。

さて、そんな本書は"普通"に馴染めず、まわりから『変』と言われ続けてきた高校生の田井中が、ある日。普通の教師のように見えた美術教師の二木に、自分以上に白眼視される『秘密の顔』があることを知り“崖っぷちの取引"を持ちかけるのですが。

個人的には、年齢的には流石に高校生の田井中に感情を寄せて読むのは難しく、むしろ二木先生の方に感情移入してしまい。崖っぷちの取引もとい実質的に田井中に弱みを握られて?【一方的に絡まれ続ける】姿や『きみ、結構いやらしいよね。性格が』といったセリフに同情すら覚えてしまった。

一方で、本書は読みやすい文章で最後まで一気に読めるので。裏の顔を持つ先生と“普通”じゃない生徒の攻防関係が次第に変わっていく巧みな展開はとても面白く、人気があるのも納得です。

"普通"といった言葉にモヤモヤを抱える方や、ちょっと変わった青春物語好きにオススメ。

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