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余命3000文字

"『大変申し上げにくいのですが、あなたの余命はあと3000文字きっかりです』医者の言葉に俺は耳を疑う。冗談かと思ってもう一度尋ねてみたが、医者は首を横に振り、同じ言葉を繰り返すだけだった"2020年発刊の本書は『小説家になろう』発。書き下ろし含む二十六編の珠玉の短編集。

個人的には移動中にさくっと読める本を探していたこともあり手にとりました。

さて、そんな本書は日本最大級のWeb小説投稿サイト「小説家になろう」発、年間純文学『文芸』ランキング第一位獲得作品が書き下ろし含む26編で。表題作のある日、医者から文字数で余命を宣告される男の一生『余命3000文字』から始まり"好き放題叩けるサンドバッグ"として最悪の味と接客のお店を運営する『食べログ1.8のラーメン屋』スマートフォンに表示された文字を押すと好きに彼氏を支配できる『彼氏スイッチ』などなど。シュールだったり、ユーモア、ほろ苦かったりする2、3分で読める作品たちが収録されているわけですが。

帯に書かれているコメント通り『すきま時間に読める分量』の作品たちが、しかし【流れるように読みやすく工夫されたテキスト】で描かれていて。スマートフォンでスクロールしながら読むような読後感が新鮮でした。

また良い意味で【回りくどい説明や描写が省かれていて】この辺りもまるで突然始まるデスゲーム!のようで、現代風な作品だな。と思いました。

様々な作品がおさめられた短編集として、すきま時間に読める小説としてオススメ。

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