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エコール・ド・プラトーン 2

"一陣の春風が 散った桜の花びらを 空高く舞上げていった エコール・ド・プラトーン それは大阪の地で輝いた モダニズムの閃光だった"2020年発刊、本書は大正末期、若き才能を数多く輩出した『プラトン社』を舞台に描かれた日本近代文学勃興の裏面史。完結編。

個人的には大阪好きなのと、第一巻が面白かったので手にとりました。

さて、そんな本書は大正12年の関東大震災から10年にも満たない東京復興までのわずかな期間。確かに大阪が『グランド大阪』を標榜し【日本の中枢に位置した一時期】を、中山太陽堂(現クラブコスメチックス)が興した出版社『プラトン社』。そこに関わる直木三十五、川口松太郎、そして本巻から登場する岩田専太郎を中心に描いているのですが。

趣味で日本文学史、美術史をかじっている私としては、文章だとイメージするのに限界がある当時の様子。文学はもちろん演劇や映画といった文化に関わる人たちの姿が見事に活写されていて(絵柄のタッチも好みです)章の合間の追補も含めて楽しく読ませていただきました。

ただ、魅力的な有名人たちが次々に出てくるので。まさか2巻目の本書でキレイに完結してしまうとは!と驚き。読後は【もう少し続けて欲しかったな】と欲張りな不満も感じてしまったり。

大正時代の日本文学、あるいは大大阪時代に興味ある人にオススメ。

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